寂しくない理由 ー男と女の睦言ー
男と女の睦言
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男と女の一問一答
女の問い掛けに答える男
二人の何気ない掛け合いを通して
綴られれる
小さな物語
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男は少し大きめの旅行鞄を玄関に置き去りにして、
キッチンで料理を作る女に、
ただいまと声を掛けてソファーに倒れこんだ。
女は、
おかえりと返事を返し、
冷蔵庫から冷えた缶ビールを取り出してきて、
ソファーに寝転がる男の頬にあてた。
冷えた缶ビールの感触に慌てる男に、
女は笑い掛けた。
疲れを振り払うように大きく深呼吸する男。
そんな彼の仕草を見ながら、
女は男に尋ねた。
「長い出張だったけど、
わたしがいなくて寂しくなかった?」
「一場面小説」という日常の中の一コマを切り取った1分程度で読めるような短い物語を書いています。稚拙な文章や表現でお恥ずかしい限りではありますが、自分なりのジャンルとして綴り続けていきたいと思います。宜しくお願いします。