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転職活動で、何社応募すればいいのか?~人それぞれの状態に合わせて~

転職活動をする中で、話題に上がる問題の一つが、「何社くらい応募すればいいのか?」

私は転職エージェント、再就職支援と併せて12年間の転職支援において、まさにこの問題に直面し続けてきました(今でももちろん、直面します)。

また、私自身も5回転職を経験(在職中の転職4回、離職中に1回)する中で、この応募社数に直面してきました。

様々な考え方がある問題と思いますが、私自身の経験からは、次の3つのポイントを順番に考えていくと、ちょうどよい応募数が見えてくると思っています。

  • 1つ目:在職中なのか、離職中なのか?

  • 2つ目:何社面接を受けられるのか?

  • 3つ目:沢山応募したいのか、絞って応募したいのか?

この記事では、上記3つのポイントに沿って、何社応募をするのが良いか、について解説いたします。


① 在職中なのか、離職中なのか?

転職活動にどのくらい時間を割けるかが、そのまま応募できる社数に直結します。
そのため、まず自分自身が、在職中なのか、離職中なのかで考えます。

在職中であれば、普段の仕事の合間で転職活動を行うため、時間はかなり限られてきます。
逆に、離職中であれば、止む無き事情がなければ、在職中の方よりもかなり多くの時間を転職活動に割くことができるでしょう。

② 何社面接を受けられるのか?

在職中か、離職中かを踏まえた上で、何社応募をするかは、面接になった場合、今の自分なら1カ月で何社くらいの面接を受けることができるのか、で考えます。
また、面接は土日に実施することはそうそうありません(特に土日休みの会社であれば)ので、面接は平日に受けることを前提として考えていきます。

また最近は、残業のやりすぎに対して規制をかけている会社が増えているため、夜遅い時間から開始する会社は少なくなっています
面接開始時間は、だいたい18時開始くらいまでの想定で考えておくと良いでしょう。

その上で、在職中の方と、離職中の方でそれぞれ違う考え方をしていきます。

2-1 在職中の場合

平日に面接を受けるのであれば、有給休暇(一日有休の他、半休や、時間単位での取得など)を取得するか、会社のルールに基づき、中抜けをするなどして面接日時を確保します。

ただ、会社ごとに事情は異なるとはいえ、多くは、一か月に何度も何度も休暇を取ったりというのはしにくい状況と思います。

また、応募に対する書類選考の通過率ですが、一つの目安としては30%くらいで考えます。
▼書類選考の通過率について、もう少し詳しくお知りになりたい方は、下記の記事もご覧ください▼

在職中の方は、どのくらい時間が確保できるかと、書類選考の通過率を基に応募者数を考えていきます。

もし1か月で3社までなら面接が受けられそうであれば、応募数は9社まで。
忙しい状態で、1社かぎりぎり2社、ということであれば、3,4社位にしておき、書類選考の状況を見て、あと1,2社加える、などでも良いでしょう。

在職中の場合は、こうした観点で面接社数の指標を定めます。

2-2 離職中の場合

離職中の場合、いつまでに転職先を決めるかの目標を決めて、極力、短期集中型で転職先を決めることが大切になってきます。

▼離職中の方が、どうして時間を決めて転職活動をした方がいいのか、離職期間が空くことのデメリットについて、下記の記事でも解説しておりますので、宜しければご覧ください▼

そのため、可能性のあるものはできるだけ沢山応募をするという考え方をします。限られた期間で、出来るだけ同時並行で面接に進み、選べる状態を作ることで、収入源が無くなるプレッシャーを回避し、冷静で納得のいく判断がしやすくなるからです。

但し、人によっては、応募社数が多すぎると、1社に集中しにくい、管理が難しい、という方もいらっしゃると思います。
その場合は、選択肢が狭まり過ぎない程度に、応募数を調整していただくと良いと思います。

離職中の場合は、こうした観点で面接社数の指標を定めます。

③ 沢山応募したいのか、絞って応募したいのか?

次は、それぞれの好みを考慮します。
物理的に、何社くらい面接に行けるか?の目安を立てた上で、ご自身はどのように応募していきたいか、を考えます。

3-1 できるだけ沢山応募をしたい派

できるだけ数を打ちたい、少しでも可能性がありそうなもの、自分で応募してみたいと思ったものはどんどん受けていきたい、という志向性の方です。

離職中であれば、このやり方は効果的です。応募した会社のリストなどを作り、どの会社にいつ応募をしたのかをもらさず管理するようにします。

また、在職中の場合は、慎重に考えることが必要です。
実際、応募社数が増えると、その分、面接に進んだ際の対応、日程調整が難しくなっていくからです。

書類選考を通過した社数が、ご自身の活動キャパを超えて増えてしまうと、すぐに面接を組むことができず、ようやく面接を組めた時には、他に有力な求職者が出てきてしまい、不利な状態で選考に臨む、ということも起こりえます。

また、日程調整ができないまま、結局面接を受けるのを断念して辞退することにもなります。せっかくのご縁、とても勿体ない事です。

なお、面接を受けないままの面接辞退は、ご自身の信用を無くすことにもつながります。

もしこれが、転職エージェント経由の案件でそれをした場合、企業に”推薦”をしている立場のエージェントとしては、企業側の信頼を失う可能性がある事となります。
そのため、これをする方への仕事紹介をしなくなることも出てきます。

また、自己応募の場合でも、応募履歴や辞退理由は、多くの求人企業で記録を取っています
面接に至らなかった求職者の印象は、求人企業としてはさほど残っていない場合が多いものの、印象が良いか悪いかでいくと、かなりスキルが高いなどでなければ、良いものではありません。

何年後かのタイミングで再び転職活動をして、その会社に応募をした場合、その記録から選考が不利になることもあり得ます(特に1年未満での再応募の場合は、面接にも進まない場合が多く出ます)。

応募は、ご自身だけでなく、相手(エージェント含む)があっての活動になるため、最低限、信用を無くさないようにする方が良いと思います。

Column:それでも、大量応募をすすめるエージェントの存在
「この30件のうち、応募する会社を20件は選んで、明日の夕方までにお返事をください」
以前、ある求職者が、大手転職エージェントの担当者から言われた言葉です。

このように、在職中、離職中にかかわらず、求職者に対して大量応募を積極的にすすめてくるエージェントは存在します。

こう勧めてくるエージェント側の意図は、他のエージェントからの応募や自己応募をさせず、自分たちの案件だけに応募をしてもらうことで、その求職者を囲い込みたい、というものです。

この場合、応募を進めてくるのはエージェントですから、書類選考が通過した後、面接前の辞退になっても、エージェント側で対応はしてくれます。

一見すると、沢山応募をしたい求職者の希望に寄り添った対応とも取れますが、個人的には、こうした対応をするエージェントは、対求職者の立場で考えても疑問を感じています。
求職者を囲い込むという、エージェントの都合に端を発している行為であるからです。

また、信頼を失いかねない行為を、求人企業の立場を理解しているであろうエージェントが、結果的に求職者へ推奨しているということにもなります。

転職活動は、様々な人たちのサポート、ご縁を得ながら進めていく活動ですし、活動終了後も、次の会社での仕事や社外での活動、再度の転職活動など、どこかでまたつながる可能性もあります。

転職活動は、長い目で見ての人とのご縁、信頼関係を大切にしながら、進めていくことをおすすめします。

3-2 絞って応募をしたい派

自分が本当に納得のいくものに応募をしたい、じっくり考えてから応募をしたい、という方が該当します。

在職中であれば、活動の時間が限られてくるため、よく考えての応募活動は効率が良く、沢山応募をしていない分、応募管理や準備も簡単になり、転職活動のストレスを軽減することができます。

注意点としては、応募する社数が少なすぎると、逆に面接に1社も進めず、転職活動自体がなかなか前進しない、ということも起こります。

面接に進める見込みの高い案件(経験が合っている案件など)であればよいのですが、少しチャレンジな案件、選考通過が難しそうな会社が中心である場合は、少しだけ多めに応募をする、という調整もしていくと良いでしょう。

離職中であれば、できるだけ沢山応募をすることをおすすめしますが、管理がしにくい、1社1社への準備を手厚くしたいという場合は、絞って応募をしていくのも良いと思います。

ただし、絞って応募をしていると言っている方の中には、たくさんの求人を探す、調べる、応募をするといった活動自体をおっくうに思い、一生懸命になっていない場合もあります。

特に離職中は、在職中とは違い、会社から管理されて仕事をしている、という緊張状態にはないため、普段の生活で緊張感が薄くなる懸念もあります。
その点を意識して、あえて積極的な応募をしていく、という考えも時には必要です。


④ まとめ

これまでの解説をまとめたものが、下記となります。

○マークは、おすすめの方法。
⚠マークは、されるのであれば色々と考慮しながらがおすすめ、という意味合いです。

それぞれの状況で、適切な応募社数は異なってきます。

沢山応募することが全てではなく、また、人によっては積極的な応募が有効な場合もあります。
まずご自身の状況をよく理解した上で、ご自分に合った応募社数を定めていくと良いと思います。

最後までお読みいただきまして有難うございました。

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