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第106回 全国高等学校野球選手権宮城県大会 決勝戦⚾️聖和学園甲子園初出場を決める ”野球はやってみないとわからない”

こんにちは、Hideです⚾️

梅雨も近畿地方から以西(九州北部を除く)で明けてきました。

日本各地で猛暑が続いていますが、高校野球でも熱い戦いが繰り広げられ、続々と甲子園出場を決める高校が出てきています。

今日は私の地元の宮城県でも決勝戦が行われました。

一昨年に東北勢初の全国制覇を成し遂げ昨年は準優勝した仙台育英と、創部20年目で初の甲子園出場を目指す聖和学園との決勝戦になりました。

大方の予想を覆し挑戦者の聖和学園が王者仙台育英を8✖️5で破り、念願の甲子園出場を決めました。

聖和学園2年ぶりの仙台育英との決勝戦に勝利し喜びを爆発させる

私も自宅でテレビ観戦していました。

仙台育英は、先発メンバー9人中6人が東京や兵庫等々からの野球留学で入学してきた選手ばかりで、秋田県出身が二人、宮城県出身者に至っては一人だけでした。

まぁ私の母校でもある仙台育英は、毎年そんな感じで全国の優良選手を引っ張ってきて〜それはもう恒例になっている事ですが…

それに引き換え相手の聖和学園は、レギュラー9人が皆宮城県の中学校出身者で、一人はうちの息子の中学を出た子でした。

先発投手だった背番号10の齋藤 佑樹だけ、栃木県の中学校出身。

技巧派の右のサイドスローでスピードは130km弱しか出ませんが、変速フォームからストレートと緩い変化球を巧みにコーナーに決め、強打仙台育英打線を翻弄しました。

6回途中まで育英打線を6安打4失点の粘りのピッチングを見せて、見事に流れを渡しませんでした。

ボールが遅くてもコントロールとコンビネーション、バッターのタイミングをずらす変速フォームは、まさに頭を使ったスタイルでしたね。

強打の強豪校が、格下チームのスピードの遅い投手に抑え込まれるって話はよくあるのですよ。
昨年夏の甲子園で、強豪の智弁和歌山を花巻東の控え投手でサイドスローの左投手が緩いボールで見事に相手打線を封じ込めました。
元々左投手が少ない上にそれも、右バッターが打ちやすい左のサイドスローをやる投手は少ないのです。
プロなら左のワンポイントリリーフではその様な投手は見ますが、アマチュアの高校野球レベルではほぼ見当たらないスタイルです。
しかし、ここが肝なのです。
誰もやっていないことをすると、相手がびっくりするし、第一左のサイドスロー投手を打つ練習なんて、まず練習しませんから〜第一練習のしようがないのです。
それで、そういう相手が不慣れな希少な投手をぶつける事により抑えてしまうのです。
今や高校野球のレベルも上がり、バッターもバッティングマシーンを使って練習するから150kmのボールも打ち返します。
しかし、はなから遅〜つい球を打つ練習なんてす流わけないのですよ。
強打者って何気に速い球より遅いボールを打つのが苦手なのですよ。
練習してなくても予期せぬボールを打てるのは、世界でもイチローと大谷くらいなものですよ。

うちの息子も中学時代野球部に在籍していたので、息子の後輩ということになります

身長168cmと小柄ですが、ガッチリしていて今日の試合でもチャンスで犠牲フライを打って、勝利に貢献していました。

実は2年前の夏にも、決勝においてこの組み合わせがあり、その時は仙台育英が勝って聖和学園はあと一歩で甲子園の夢を絶たれています。

なので今回はリベンジを果たすべき戦いだったのです。

今回の聖和学園はこれといって目立ったスター選手もいない中、全員野球で強豪仙台育英に挑みかかりました。

先発した仙台育英のエース山口君を、初回から鋭い振りで攻め立て先攻でしたので先取点を奪いました。

聖和学園の攻撃陣の何が凄かったかというと、各選手のバットの振りの速さでした。

仙台育英の選手たちより、スイングが鋭かったように見えましたね。

育英の先発投手の山口君もストレートが、140km台後半を計測していたのにもかかわらず、全く振り遅れることもなくシャープなバッティングをしていたのには驚きましたね。

確かに育英の山口君も、変化球でストライクが取れず、自慢の速球も制球ができずボールが高めに浮いていました。

ストレートの伸びも無く、打者にはスピード表示ほど速く感じなかったのではないでしょうか。

コントロールにもかなり苦しみ、コースが真ん中に寄っていて、ストライクゾーンの隅に決まる球は少なかったのです。

あの状態だと、打撃の良い聖和学園の打者に捕えられても仕方ないな〜といった感じで序盤を観ていましたね。

聖和学園というと仙台市内にある私立高校なので、育英ほどではないにしろ公立高校に比べたら部活動に掛ける資金力は豊富なはず。

聖和の各バッターの振りを見ていると、バッティングマシーンを使って速い球を打つ練習をしてきているな、と感じましたね。

打撃練習は、マシーンを使ったり、打撃投手を通常より前から投げさせたりと工夫が出来るので、自分の体を使って投げるだけの練習をするしかない投手に比べると、練習面でも幾分有利な面もあるのかなと感じます。

投手は走り込みをして下半身を鍛えたり、現代では筋トレを行い筋肉を強化して、スピードボールを投げられるようなトレーニング方法も出てきましたが、いかんせん最後は自らの肩や肘を酷使しなければならないのは今も昔も一緒ですね。

話を戻しますが、今日の決勝戦は、育英の投手陣対聖和打線といった構図で繰り広げられ、聖和のバッティングとリベンジに燃え心を一つにしたチーム力が優ったという事でしょう。

小粒な選手達が、全国優勝もするチームに勝ってしまうのですから、やはり野球って面白いですよね。

全国の地方大会をでも度々そのような事が起きています。

”勝負は時の運”とも言いますが、強豪校が弱小チームの遅い球を打ちあぐねるということは野球にはよくある話なのです。

実際、今日聖和の先発した斉藤投手も右の変則サイドスローで、体格も大きくなくスピードもストレートで130kmに届くかどうかくかでした。

しかし、変化球とストレートのコンビネーションとコントロールで強打者を打ち取っていました。

やはり投手はコントロールと球のキレが一番大切だ、という桑田真澄氏の言葉は間違っていないと感じました。

さすがの育英打線も翻弄されていましたね。

まさに故野村克也氏がよく言っていた、「野球は頭のスポーツ」「野球には弱者の兵法というのがあり、弱いチームが強いチームにだって勝つことは出来る」ですね。

今日の聖和学園はまさに”弱者の兵法”で見事に王者育英を破り夢の甲子園に進めました。

試合後の仙台育英の須江監督が「相手が強かった、負けるべくして負けた」と話していました。

野球というのは以前の巨人の様に、優秀な選手を揃えれば勝てるものじゃない、正攻法と奇襲を使い分けて、相手の嫌がることをして勝つ。

という事を証明した試合でしたね。”弱者の兵法”で勝つ為にデータを活用したのも”野村ID野球”でした。

野球だけではなくバレーボールやサッカーもチームには必ずアナリストという、相手の動きを記録し分析する役割の人がいるのです。

勝つ為にはデータを収集し、それをいかに勝つ為に活かセルカが、勝敗を左右するのです。

おそらく今日の聖和もかなり育英を研究していた様に見えます。

例えホームランをガンガン打つ強打者や、150kmを超えるエースがいなくても、頭を使いチーム一丸となってぶつかれば勝つ事が出来るのです。

残念ながら今日の決勝は、我が母校が8✖️5と思わぬ差をつけられ負けてしまいましたが、”これぞ高校野球”という弱者の兵法を見せてもらいました。

最終回最後の攻撃を終え負けた瞬間仙台育英の選手達は泣き崩れていました。負けるはずはないと思っていたのでしょう。

野球は何が起こるかわからないのです。だから面白いのです。

素晴らしいゲームでした。

宮城県の高校野球の歴史が動いた試合もありましたね。

負けて甲子園連続出場を逃した、母校の選手達の健闘を讃えたいです。

勝った聖和学園の選手達にもよくやったおめでとう!と言いたい。宮城県の代表として負けた仙台育英の分も頑張ってきて欲しいと思います。

あと、両チームの選手達をサポートしてきた父兄の方々、監督・コーチや部長、試合に出れる選手を陰で支えたベンチに入れなかった控えの選手達やマネージャー、皆様ご苦労様でした。暑い中応援してくれた生徒さん達もお疲れ様でした。

私は母校の敗退よりも宮城県の野球全体が、また一歩ステップアップしたことを喜んでおります。

野球が好きなら、頑張って工夫すれば強い者にも勝てるという事を改めて学ばせてもらいました。

甲子園大会でも、聖和学園や、他の東北地方の代表チームを一生懸命応援したいと思います。テレビで(笑)

ありがとうございました。

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