私が森のアート展を引き継いだ理由
南国赴任から帰国後、日本の夏が異常に暑く感じた。
太陽の光が痛い。
湿度が不快。
朝晩も気温が下がらない。
ゲリラ豪雨に、台風に伴う水害。
日本がおかしい。
そう感じた。
以前の住居に戻ったのだが目の前にあった梨畑は、住宅地になっていた。
子どもの頃に遊んでいた雑木林や野原などもなくなっていた。
自然とのバランスが崩れているのでは?
何か自分に出来ることはないか。
そう感じた。
そんなある日、里山の保全活動の一環で「森展」というアート展をしているという方と出会った。
友達と絵本活動をしていたが、森で開催する七夕祭に紙芝居をする人を探しているということで、私達が紹介されたというのが出会いだった。
イベントの趣旨を聞き、賛同した私達は出演する事にした。
七夕祭は雨天中止となってしまったが、かわりに出演したのが「森展」だった。
森に様々なアートが展示され、木漏れ日が溢れる空間でステージやワークショップ、飲食店が並ぶ。
自分の子供たちも森の空間で1日中アートを楽しむことができ、これからも参加したいイベントであると感じた。
しかしその翌年からコロナ禍がはじまり、主催の高齢化もあり森展の存続が危ぶまれていることを知った。
なくしてしまってはいけない素敵なイベント。
友達と2人で、引き継ぐ決意をした。
引き継ぐにあたり、里山の保全活動の話を聞いた。
自然のある環境で子育てがしたいとこの地に移り住んだが、年月が経つにつれ、どんどんと開発が進んだ事に危機感を感じた代表が立ち上げ、地域の方から寄付を募り、土地を買い上げ、緑地保全地区として認めてもらうという活動だと知った。
その後も自然をそのままにしていては荒廃してしまうため、森を管理するボランティア団体が複数あり、人が入れる広場や遊歩道として整備を行なってくれていると知った。
そのボランティア団体も高齢化で、次の世代を必要としていた。
そのため私達はアートを通じて普段とは違う視点で森にふれ楽しむことで、「この森をこれからも残していきたい」と願う人たちを増やしていきたい。
その思いで森展の開催を続けることにした。
昨年は多くの人に支えられながら、なんとか無事開催することができた。
そして、また今年も作品募集の季節が巡ってきた。
子どもたちに里山の自然を残したい。
自然はなくしてしまったら簡単には元には戻らない。
未来のためにできること。
それぞれが何かを感じ考える。
そんな場であることを願っている。
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