空想・妄想する時間を大事にする
”越境者”による”越境思考”、今回は「空想・妄想する時間を大事にする」ことについて。
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空想、妄想してる?
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自分が望む世界の姿が常に頭の中にイメージできている。そこにはどのような人がいて、どんな営みが行われていて、どのような会話が繰り広げられているのか、色調や流れている音楽はどのようなものか、ある程度具体的にイメージできる人。どれくらいいるだろうか?
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空想、妄想することが世の中に新しい驚きを生み出すことができる。空想、妄想した世界を持っていることで、現実社会で起こる様々な矛盾をその中で処理することができる。そして、その両方ができることで、空想、妄想が人生の中で現実に変わっていく。想像力は創造力に繋がっている。
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ところが、世の中、過去から現在に至るまで、どんどん空想、妄想をする時間が減っている。空想、妄想するということは、現実世界の矛盾(予想した結果、望む結果とは異なること)、不安(不確定な要素が多いこと)について、自分であれやこれやと想像力を働かせて、一つの仮説を世界観として実現することだ。
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その余地が減っている。ある事象についてGoogleで検索すれば自分が望む結論がどこかに必ず存在する。Youtubeは7, 8分であらゆる不安な要素についての結論を示してくれる。
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子どもたちの遊び場がどんどん減っている。公園で遊んでいれば危険だ、煩いと言われる。外に出て森で遊ぶこともできない。そもそも森自体も減ってきているし、コロナの影響で外に出ることすらできなくなってしまった。
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昭和の時代には”大きな物語”が身近にあった。東西冷戦による核戦争の驚異、不可解な飛行機事故、カルトの暴動、ノストラダムスの大予言などなど、日常がこのまま続いていく保証などどこにもなかったし、その結論について世界にどのような結論(の仮説)があるのかについても知る由もなかった。
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大きな物語は、その不安の大きさが故に、その結論を手に入れられないが故に、子どもたちに永遠の少年性・少女性を与えた。その先を想像しなければならなかったからだ。想像の結果について妄想から脚色を加えて自分なりの結論(の仮説)を持たなければ生きていけなかったからだ。
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現代は過去よりも便利で不確定要素が少なく、安全、安心になっている。命を落とすリスク(の仮説)は減っているし、世界中のあらゆる情報をすぐに手に入れることができる、ように見える。しかし、若い人たちはかつてよりも茫漠とした不安に晒されているように見えるのは気のせいだろうか。
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大きな物語は人々に対して、明日、今日と全く違うことになるかもしれない、もしかしたら死ぬかもしれないという現実を突きつける。だからこそ、どう生きるかの指針を自分の中で持つ。そして、今、この瞬間を生きる。明日死ぬことを考えて、今日を生きる。
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空想・妄想する時間を増やそう。
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具体的な方法論は、また明日。
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