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社員が仕事に夢中になれる組織とは

株式会社ブレーンバディ執行役員CHROの永井です。
人・組織を見ている皆様の中には、社員が少しでも明るく楽しく、仕事に熱中できている状態を作りたいと考えている方は多いのではないでしょうか?また、会社として合理的に考えると、社員が持続的にやる気に満ち溢れ自律自走できる状態は、モチベーションマネジメントに右往左往せず、マネジメントコストを下げられると思います。今回は、内発的動機付けをテーマに、どうしたら社員が夢中に働けるのかをみなさんと一緒に考えていければと思います。

内発的動機付けについて

以前も紹介しましたが内発的動機付けを考える際に、F.ハーズバーグの二要因理論に必ず立ちかえるようにしています。

大沢 武志氏『心理学的経営 個をあるがままに生かす』

働く人が動機付けされる要因は、【達成・承認・仕事そのもの・責任・昇進・成長】です。金銭報酬や待遇面の改善に注力すること、オフィス環境を整備することは、働く人を動機付けする要因とはなりにくいです。
また、二要因理論以外にもA.マズローの欲求5段階説も原理原則として参考になります。

欲求の5段階説とは、「人間は自己実現に向かって成長する」という仮説を欲求の階層で説明したものです。低次の欲求が満たされるごとに、もう1つ上の欲求を持つようになるという考えです。
二要因理論と欲求5段階説から考えると、働く人を動機付けするためには何に注力すべきか見えてきます。僕の考えとしては、上記原理原則を念頭に置いた上で、内発的動機づけをするために、以下の要素が重要だと考えています。
①自律性:自分で思考・意思決定し、当事者として仕事ができている
②成長:自分のやりたいことに今やるべきことが繋がっている
③目的意識の高さ:今の自分より大きな目的に向かえている

社員が内発的動機付けされていない状態は、この3つのどこかに異常が発生しているケースが多いです。また、特に②成長については、そもそも「自分の能力は努力によって拡張される」「自分はできる」と信じられているかが前提条件として必要になってきます。その前提条件(マインドセット)が正しく装着されているかも重要な観点となります。

動機づけのトリガーとは

内発的動機付けの仕組みや考え方は理解しているけど、なかなか実践に落とし込むのは難しいものです。その理由は、人によって動機付けのトリガーが異なるからです。人間には個性があり、異なる特性があります。動機付けされやすい仕組みを構築したとしても、それぞれのやりたいことや思考性、見ている視界が異なるので、最後は個人に向き合うことが重要です。そのためにも、社員の個性や特性を把握し何がトリガーになるのかを上司、人事、経営層は把握できるとマネジメント、人材育成がし易くなります。
この動機付けのトリガーを捉え間違えると、社員は仕事に夢中になるどころか仕事へのやる気を失って行きます。

具体的な事例(ブレーンバディ)

内発的動機付けについて概念を整理できたところで、当社の取り組みついても紹介させていただきます。今回は、皆様に参考になりそうな具体的な取り組みの一部となりますが少しでもお役立ちできれば嬉しいです。

<ストーリー文化>
これまでも何度か登場しているかと思いますが、当社にはストーリー文化があります。詳細についてはこちらの記事をご一読ください。

簡単に説明するとストーリーは、WillCanMustのようなものです。将来のセルフイメージをリアルに描き、その理想像に近づくために目の前で何をするのか考え、仕事を通してその理想像を実現させていくというものです。当社では、個人で設計したストーリーを、四半期に一度全社員に向けて発表・共有します。そして、所属組織を超えてお互いに支援できることが無いか話し合い、実行していきます。
ここで重視していることは、ストーリーの高さや方向性の良し悪しは無く、自分の人生を生きることが何より重要だと捉えることです。個性を全社的に受け入れることで心理的安全性を醸成し、自分のやりたいことに向かって成長できる風土を構築しています。もちろん、自社を卒業していくストーリーを描く社員もいますが、それも受け入れ、本質的に社員が仕事を自分ごととして捉えられるような体制を構築しています。
また、ストーリー設計や共有、支援の文化を構築していく上で、土台となる個人のマインドセットや組織としての考え方も明確に定義しています。

6values(組織の行動指針)

その他にもストーリー文化の土台を整備し、文化醸成に向き合える体制を構築しています。
当社では、各個人のやりたいことに対して目の前の仕事が紐づけられ、会社として実現したい目標と個人の目標がリンクしている状態を醸成しています。もちろん完全に出来ている訳では無いので、今後ストーリー文化をアップデートし働く人が自分の人生に熱中できる状態を強化していきたいです。

他社事例  -サイボウズ-

サイボウズは、「100人いれば100通りの人事制度」と言っているくらい、多様性を受け入れています。男性・女性よりも「個性」を重視し、多様性を受け入れるインクルージョンを重視しています。ちなみにカルチャーはこちらです。

サイボウズのカルチャー

サイボウズ社が組織崩壊を経験しているという情報を聞いたことがある人もいると思います。その立て直し過程で、サイボウズは、上記の理念を掲げ「社員の我がままを受け入れるようにした」と言っています。具体的には、働き方、評価、仕事の進め方などを自分で決められるなど、自分で考え意思決定し、その人の目的の高さに合わせて、成長できる環境を用意しています。平等ではなく、個性を認め、自分ができるという気持ちを醸成し、自律駆動できる体制を作っています。
サイボウズは働き方の側面からのアプローチを大きく打ち出しています。そこだけに注目せず動機付け観点で考えてみると、衛生要因の発生を抑えつつ、内発的動機を促す仕組みがあるのではないかと感じました。社内カルチャー・人事制度に一貫性を持たせ仕組みをつくりながら、個別のトリガーを把握し、社員が内発的に動機付けされるアプローチを行なっているように感じました。

※私はサイボウズ社とは何も関わりが無いのであくまで推測の内容であり、大いなるリスペクトを持って書いております。

会社によって最適解は違って当たり前

会社組織のフェーズやつくりたい組織によっては、外発的動機付け(飴と鞭)を重視する組織もあるでしょう。これは、決して悪いことではなく、各社の事業における勝ち方に起因するので当然だと思います。
ただ、僕が考える理想的な組織は、社員が内発的に動機付けされている状態が理想的だと考えています。一人でも多く、パフォーマンスを発揮できる機会を提供する。というMissionを実現するためにも、社員一人ひとりが仕事を通して自分の人生が前に進むと心から信じられ、自分の人生の自己実現に向けて仕事に熱中できる組織をこれからもつくっていきたいです。


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