有川浩『明日の子供たち』(文庫版)

有川浩『明日の子供たち』(幻冬舎文庫、2018)を読了しました。単行本としてはすでに2014年に出ていたようですね。恥ずかしながら知りませんでした。。。児童養護施設で働き始めた新人職員、そこの職員及び子どもたちを主人公とした物語です。

他にも児童養護施設を(も?)テーマとした小説もありましたが、あくまで主人公の人物設定としてしか描かれていませんでした。しかし、この本ではまさに「児童養護施設」が舞台です。

接する大人が陥りやすい勘違い、子どもが置かれた厳しい状況等が、かなりリアルに表現されています。一般的な言葉で表現される子どもの大変さと、接する大人の葛藤が、小説にうまく落とし込まれている感じがして、とても感動しました。

最近スクールローヤーについてもドラマになっていますが、小説やドラマ等のインパクトはとても大きいですね。実態にそぐわない内容だと、色々批判はあるかもしれませんが、少なくとも色々な人に知ってもらい、議論が生じやすくなるのは間違いありません。かなりハードルは高いものの、社会課題の解決を目指す人は、このようなアプローチもあり得ることは考えておくとPRの幅は広がるかもしれないですね。

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