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目標を明確に、行動を実現に: GROWモデルの魅力と実践
「GROWモデル」をご存知でしょうか。コーチングや目標設定の文脈で広く使用されるフレームワークで、ジョン・ホイットモアがその著『潜在能力をひきだすコーチングの技術』によってはじめて提唱されたといわれています。この書籍は1995年出版で、大分時間が経っています。しかし、まだまだ生き生きとした感があります。このモデルは、クライアントやチームが自分たちの目標を達成するための具体的な行動計画を策定するのを支援するためのものです。
GROWの4つのステップ
GROWは以下の4つのステップの頭文字をとって名付けられています。
G (Goal)
まず、達成したい目標は何かを明確に定義します。これは具体的、測定可能、達成可能、関連性があり、時間制約がある目標であることが望ましいです。
R (Reality)
現在の状況やリアリティを評価します。ここでは、現在の課題、障壁、リソースなどを考慮に入れ、目標達成のための出発点を明確にします。
O (Options)
可能な行動の選択肢やアプローチを探求します。これには、目標達成に向けたさまざまな方法や戦略を検討することが含まれます。
W (Will)
実際に行動を起こす意志やコミットメントを強化するステップです。ここでは、選ばれたオプションに取り組むための具体的な行動計画を策定し、それを実行する意志を固めます。
GROWモデルの例
GROWモデルの例として、「新しい技術の習得を目指すエンジニア」を想定してみましょう。
G (Goal) - 目標
エンジニアは、6ヶ月後に開催される技術カンファレンスで、新しい技術に関するプレゼンテーションを行いたいと考えています。
目標: 「6ヶ月後に新技術に関するプレゼンテーションを成功させること」
R (Reality) - 現実
しかし、エンジニアは、現在その新しい技術についての基礎的な知識しか持っていない。
他のプロジェクトも進行中で、学習時間を確保するのが難しい。
しかし、カンファレンスでのプレゼンテーションの成功を通じてキャリアアップを目指している。
O (Options) - 選択肢
週に数時間の固定した勉強時間を設ける。
オンラインコースや書籍を利用して学習する。
メンターや経験者との定期的なミーティングを設定して、質問やフィードバックを受け取る。
実際の小規模プロジェクトを立ち上げて、新しい技術を実践的に習得する。
W (Will) - 意志
エンジニアは、週に5時間の学習時間を確保することを決意します。
2ヶ月ごとに進捗をチェックし、必要に応じて学習方法や計画を調整する。
メンターとは月に1回ミーティングを設定し、疑問点や進捗を共有する。
4ヶ月後には、実際の小規模プロジェクトを公開してフィードバックを受け取る。
このように、GROWモデルを通じてエンジニアは目標達成に向けた明確な計画とアクションステップを策定することができ、自身の進捗やモチベーションを維持する手助けとなります。
上司がGROWモデルを使用すると、部下は自らの目標や課題をより鮮明に見つけることができ、そのためのアプローチや考え方を深化させることが可能となります。このモデルを通じて上司が質問を構築する行為自体が、部下の成長や課題に真剣に取り組む一助となります。
たとえば、部下が目標を明確に理解しているものの、現状の分析が浅い場合、上司は「現状をどう評価していますか?」といった質問を通じて部下の理解を助けることができます。また、部下が問題解決の選択肢を十分に検討していないと感じた場合、上司は「他に考えられるアプローチや手段はありませんか?」と質問することで、部下の視野を広げるきっかけを提供することができます。
このように、GROWモデルをフレームワークとして利用することで、上司と部下のコミュニケーションがより具体的かつ建設的になり、部下の成長や課題解決を有意義にサポートすることが可能となるのです。素晴らしいですね。
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