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リライトの力:自己成長と企業成功を導く心理学的アプローチー川上真史氏

 川上真史ビジネス・ブレークスルー大学教授の「企業と心理学 トピックス #14 リライト」というテーマを取り上げます。

 今回は、「リライト」という行為に焦点を当て、心理学的な観点からその重要性と効果を検証しています。「リライト」とは、単に文章や情報を書き直すことではなく、その意図をより明確に伝え、さらには受け手の認識や感情にまで影響を与える可能性を持つ行為です。

 リライトが心理学にどのように関連しているのか、具体的な例を挙げながら解説されていました。例えば、過去の失敗体験を成功へのステップとして捉え直すことで、ネガティブな記憶をポジティブなものに書き換えることができます。これは、自己肯定感を高め、今後の挑戦への意欲を高める効果があります。

 また、歴史上の出来事や人物を異なる視点から解釈することで、新たな発見や学びを得ることができます。固定観念にとらわれず、多様な解釈を許容することで、思考の柔軟性を高め、創造性を刺激することができます。

 さらに、他者からの評価や自分自身のイメージを書き換えることも可能です。過去のネガティブな評価にとらわれず、自己PRやコミュニケーションを通じて、他者からの認識を積極的に変えていくことができます。これは、人間関係の改善や自己成長につながります。

 このように、リライトは、自身の記憶や他者からの評価を積極的に変え、より良い結果へと導くための有効な手段となります。過去の経験や情報にとらわれず、新たな視点や解釈を取り入れることで、自己成長や目標達成を促進することができます。

 最後には、視聴者に向けて、リライトを積極的に活用し、自身の可能性を広げていくことを促しています。固定観念や過去の経験にとらわれず、柔軟な思考と積極的な行動を通じて、より豊かな人生を創造していくことが重要であると締めくくっています。

人事の視点から考えること

 「リライト」は社員の成長や組織開発において非常に重要な概念となります。それは、個人と組織の可能性を最大限に引き出し、変化の激しい現代社会において持続的な成長を遂げるための鍵となるでしょう。

採用・評価

 採用活動においては、候補者の過去の経験や実績をそのまま評価するのではなく、その経験から何を学び、どのように成長につなげようとしているのか、という視点で「リライト」を促し評価することで、真のポテンシャルを見極めることができます。
 例えば、過去の失敗経験をどのように捉え、そこから何を学んだのかを深く掘り下げて語ってもらうことで、成長意欲や問題解決能力、そして困難な状況におけるレジリエンスなどを多角的に評価することができます。
 また、社員評価においても、単に目標達成度を評価するだけでなく、目標達成に至るプロセスや、その中で得られた学び、そして今後の成長への意欲などを「リライト」を通じて評価することで、社員のモチベーション向上や継続的な成長を促すことができます。

育成

 過去の失敗体験やネガティブな自己評価をリライトすることで、社員のモチベーション向上や自己効力感を高め、主体的な成長を促すことができます。失敗は誰にでもあるものですが、その失敗を成長の機会と捉え、そこからポジティブな学びを引き出すことで、社員は自信をつけ、さらなる挑戦へと意欲を持つことができます。
 また、組織のビジョンや目標を共有し、社員一人ひとりが自身の役割を「リライト」することで、組織へのエンゲージメントを高めることができます。自身の仕事が組織全体の目標達成にどのように貢献しているのかを理解することで、社員はより責任感とやりがいを持って仕事に取り組むことができるでしょう。
 さらに、定期的なフィードバックやコーチングを通じて、社員が自身の強みや弱みを理解し、キャリアプランを「リライト」していくサポートをすることも重要です。

組織開発

 組織の歴史や文化を「リライト」することで、新たな価値観やビジョンを創造し、組織変革を推進することができます。過去の成功体験にとらわれず、変化に対応していく柔軟な組織文化を醸成することが重要です。過去の成功体験は貴重な財産ですが、それに固執するのではなく、常に新たな視点を取り入れ、変化に対応していくことで、組織は成長し続けることができます。
 また、社員の声を積極的に収集し、組織の課題や改善点を「リライト」していくことで、風通しの良い組織文化を育むことができます。社員一人ひとりが組織の未来を創造していく当事者意識を持つことで、組織全体の活性化につながります。

人事制度

 従来の人事制度や評価基準を見直し、「リライト」することで、社員の多様な能力や貢献を評価できる制度を構築することができます。これにより、社員のモチベーション向上や組織全体の活性化につながります。画一的な評価基準ではなく、社員一人ひとりの個性や強みを評価できる制度を設けることで、多様な人材が活躍できる環境を整えることができます。
 また、社員のキャリアパスについても、従来の昇進・昇格だけを重視するのではなく、多様なキャリアパスを「リライト」することで、社員の自律的なキャリア形成を支援することができます。

まとめ

 リライトを活用することで、社員の成長促進、組織開発、そして企業全体の活性化を図ることができます。常に変化を恐れず、新たな視点を取り入れながら、社員一人ひとりの可能性を引き出し、組織全体の成長につなげていくことが重要です。リライトは、個人と組織の成長を促すための強力なツールとなり得ます。人事としては、リライトの概念を積極的に取り入れ、社員のエンゲージメントを高め、組織全体の成長を牽引していく役割を担うことも重要でしょう。


チームがアイデアをリライト(書き直し)する場面です。ホワイトボードに向かい、アイデアを修正する人物と、それを支えるディスカッションがクリエイティブな雰囲気を醸し出しています。また、過去の失敗を象徴する黒板がポジティブなメッセージに書き換えられていくことで、リライトが未来への可能性を広げ、個人やチームが成長していく様子が表現されています。

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