
少女漂泊~Monologue by HARUKA λ
ニーチェさんとの会話・・【善き性行為のたとえ】
ニーチェさんは、相変わらずクールに話した
「うん、男の裸はみたし、さわった。
欲望の棒も硬いとか、大きいとかどんなのかは、
とりあえずわが身で試してみたんよ。」

なんだか知らないが、
めちゃくちゃ恥ずかしい気分になった。
さすが哲学女子なだけあるわ・・。。
顔色一つ変えずにしゃあしゃあと話す。
エロい話も妙に哲学的だ
「・・でもさ、じゃ、にっちゃんが処女だよっていえるのはどういう論拠?」
ニーチェさんは待ってましたといわんばかりの顔を、あたしに向けた
「はるかちゃん、じゃぁ逆に訊く、”処女”の定義ってなに?」
お、そうきたか・・。
「男性の身体を知らない女って事じゃない?」
「ならば訊くよ。ただ知れば、処女やなくなるって事?」
「うん、そうだと思う。」
「では、処女か非処女かは、単なる【物理的結合】があるかないかで、分別するものだって事やね?はるか説は・。」
うわ、めんどくさい
だけど、こういう事を考えるのはイヤじゃない。
むしろ好きだ。
「あたし的には、そうなるかな。」
「じゃあ、次に訊くよ。物理的結合とは、具体的にどういうことを指す?」
そんな恥ずかしいことを言わせたいのか・・
この女は。
曲がりなりにもあたしは乙女なんだからな。
「その、・・セックスってことだよ。」
ニーチェさんは「得たり」というどや顔をした。
さてはこの言葉をあたしから引き出しかっただけだな・・。
「では、そのセックスという行為の基準は何?」
うわ~超めんどくさい・・・・
だけど、ニーチェさんのこのやりとりは、
ソクラテスの「問答法」の手法に適っている。
ふむ、恐るべき哲学女子。

「男性器が女性器と結合することだよ。」
あたしは半ばやけくそに言った。
だが、この言い換えは自分ながら秀悦。
「それだけ?・・つまりは性的結合、
いわゆる異性器同士が結合する事実をもって、
セックスという定義を立てるって事やね。」
「うん」
すると彼女は、くすくすと笑った。
憎たらしいが、この笑顔がものすごく可愛い。
女のあたしでもほれぼれする。
「はるかちゃんの解剖学的な表現、すごくいいわぁ・・・。
でも、はるかちゃんの定義で、
はらずともあたしの処女が証明されたわけや。」
「はい??」
あたしは狐にでもつままれたような気分になった。
なんでそうなるのか、意味がわかんないよ、哲学女子。
「はるかちゃん、口は性器やろか?」
また唐突に変なことを訊いてきた。
あたしは大きくかぶりを振って答えた
「違うと思うよ。」
彼女は、またふふん、と笑みを浮かべた。
「あたしは、男性器はここにしか入れとらん、
だから、あたしは処女や。ってわけ。」
「は~あ?」
「ふふ、これでアウフヘーベンや。」
論理的には正しいって思うけど・・・。
それって・・・もっと「処女性」ないんじゃ・・・・