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ついつい、行動してしまう仕掛けとは
ナッジ効果って何?
『ナッジ』の意味は、「より良い選択を後押しするために、小さなきっかけをつくること」で、行動経済学で使われる用語です。
すなわち、強制するのではなく、自発的に選択させるためのアプローチを指します。
英語で「ナッジ」は
「肘でそっとつつく」ことを意味しており、
人間の行動心理を利用して相手に気付かれないうちに
選択を誘導することを指します。
シカゴ大学のリチャード・セイラー教授が
この「ナッジ理論」を提唱し、
2017年にノーベル経済学賞を受賞しました。
これをきっかけに注目が集まるようになりました。
自分の利益のための誘導ではなく、
あくまでも相手を想う気持ちを前提とし、
強制することなく、社会的に良い選択へ誘導するのが
『ナッジ』という理論です。
そこで、「ナッジ」の基本的なコンセプトは、
あくまでも強制せず、「選択」に導くというものです。つまり選択肢を自由に与えながら、「よりよい方向」へ自分が選択した。
という結果に導くことです。
しかしながら行き過ぎると「独善」の強要になります。
いわゆる「同調圧力」という現象ですね。
ですから、そこには「哲学」が必要なのだということです。
ですが、この深追いは、あえて別の機会にいたしましょう。
最近はコロナ禍で、日常生活にもいろんな制限がかかっていますが、
様々な場面で「ナッジ」が見受けられますね。
ある意味見本市のようです。
たとえば「今は距離をとって」というメッセージがあります。
ベンチにそういったステッカーが貼られています。
そうすると人は自然と「距離をとって座るように」行動します。
また、電車やバスの優先席のシートの色を変えているのも、
同様の効果を狙っています。
人は強制されるとどうしても反発しますが、
自発的に選択したと感じると、その抵抗は薄れます。
ですから、強制することなく選択の自由の余地を与えることで、
知らずのうちにその意思決定に介入し、
よりよい方向に行動を誘導することが「ナッジ」の狙いです。
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ただ、こういう取り組みや作用というものは、
常に「社会的合理性」があるかが問われます。
でなければポピュリズムのような煽動主義に悪用されかねないからです。
まさに諸刃の剣ですので、前にも述べましたが
「哲学」の介在は不可欠だということです。
今問題になっている「宗教団体」との絡みも、
ある意味無関係ではないでしょう。