Vita Sexualis 浦上咲との性活点景 θ
「先輩って・・・。」
「なに?」
「つくづく、真面目な人なんだって思うわ。」
咲は、僕をじっと見据えながらそう言った。
ぞっとするような鋭い目だった。
「もし・・・あたしがとんでもない悪魔だったらどうするの?
」
「・・・・。」
「神だけの世の中はあり得ないのよ。
あたしは悪魔がいなければ神の存在はないと思っている。
そして、その基本的な単位は人それぞれの心そのものにあるのよ。
だから、あたしが悪魔なら、
先輩はあたしを否定することでたぶん神になると思うわ。」
僕は返す言葉もなく咲を見つめた。
ただ、言えることはたとえ悪魔であったとしても、
たぶん僕はそのまま咲と共に悪魔になるであろう
と言うことだった。
その夜は、お互い身には付けず、ひとつの布団で寝てはいたが、
僕はただひたすら咲の柔らかな髪をずっと撫でていただけだったし、
咲はじっと僕の腕の中で静かに僕に寄り添って、
そのままずっと時を過ごしていた。
「先輩・・今日はやさしいのね。」
「・・・そうだな・・・。」
僕はいい加減に返事した
「・・男ってさ・・・。」
「うん」
「燃えて、ほら、これが中で果てるだろ?」
「えっちだな・・・。」
咲は僕の熱い部分を撫でながら笑った。
むろん、僕も咲の熱く濡れた谷間を撫でつつ話を続けた。
「果てる前と、あとではずいぶん気持ちが違うんだ。
ということは僕の気持ちは
身体に支配されてるんだなって思うことがある。」
「それはあたしも同じよ、いったあとはなんか空しい・・。」
「だから、果てるのが怖い気持ちと、
一度入ったら果てたい気持ちと・・。身体に支配される一瞬だな、
たぶん。」
「・・・先輩。」
「なに?」
「繋がって、そのまま眠りたいな・・・。」
「・・・うん。」
咲はそのまま僕の上に乗ると、自分で僕の熱い部分を
そっと彼女の濡れた谷間に滑り込ませた。
熱くせつない感覚を僕は覚え、そのまま僕は咲を抱きしめ、
深い口づけをした。
「・・・このまま・・・寝よう?」
「・・・・うん・・・。」
「先輩、上になるとすぐ腰動かすから・・。このままで・・・ね?」
「ばーか。きみこそ、動かすなよ。」
「あはは・・・わからないよぉ。」
咲は笑ったが、やがて、繋がったままそのまま
僕の胸に顔を埋めながらいつしか寝入ってしまった。
僕はそんな咲をいとしげに思いながら、
じっと咲の身体の重みを感じていた。
このまま、夜が明けなければいい・・。
そんな思いが僕の心を支配しきっていた。
ひどく優しい気持ちになれたが、
僕の身体はそのまま僕の意志とは無関係に
咲の暖かく深い海の中に
いつしかせつない感触と共にはじけてしまっていた。
咲は、寝入った体勢のまま、耳元でささやいた。
「・・・耕作を感じたわ・・・。」
「・・・・・ごめん・・・。」
「・・謝ることなんか、ないのに、変な人ね。」
咲はくすくす笑った。そうして咲は僕から離れて、隣にもぐり込んだ。
「かっこつける男の人って、嫌いだよ~、ふん。」
といって、僕に背を向けた。
僕と咲の背中が触れた形で僕は横になった。
咲の尻の程良い張りが心地よかった。
「・・・耕作・・・。」
咲の呼び方が変わった。咲が僕を求めるとき、
こういう呼び方になるのはもう恒例になっていたかのようだった。
案の定、咲は向きを変え、僕の背中にぴったりと寄り添っていた。
咲の小作りな胸が僕の背中に当たっていた。
「ねぇ・・・耕作ったら・・・。」
「何だ?」
僕はそのまま、応えた。
少し意地悪な気持ちになっていたのかも知れなかった。
咲はさっきからずっと僕の背中にその華奢な指をはわせていた。
「こっち向いてよ・・・。」
「イヤだよ・・・。キライなんだろ?」
「・・・意地悪だなぁ・・。」
とたんに僕は背中に痛みを覚えた。咲が僕の背中を噛んだのだ。
「痛いよ!」
「じゃ、こっちむけ!柴田耕作!。」
「やれやれ・・・。」
僕は向きを変えた。
咲のひどくいとおしい顔がそこにあった。
ベッドでの女の顔はどうしていつも
こんなにいとしく、美しく、かわいらしいのだろう
という気持ちが僕の中にあった。
咲もその例外ではなかった。
僕はそのまま深い口づけをした。
食べてしまいたい位の気持ちだった。
それだけひどくいとおしかったのだ。
僕はたまらない愛しさの中で、
咲とひとときを過ごした。
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