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GW、読書の「旅」に出かけよう!
「まるで、知識と知恵の
マリアージュやぁ!」
↑彦摩呂風
僕は書店や図書館を訪れると、
心の中の彦摩呂さんが叫ぶのです。
4/23から始まった“こどもの読書週間”。
今年の標語
「ひとみキラキラ 本にどきどき」
の気持ちで、本に出会う旅に出かけましょう。
もちろん、感染防止対策はバッチリ決めてね。
◆書店〜そこは旅の“駅”
スマホでも手軽に本が選べる時代ですが、
随筆家・若松英輔さんは、
書店の魅力を次のように述べます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
インターネットは目的の本を
“一直線”に買うのに適している。
一方、書店は“寄り道”ができる。
書棚にいろんなジャンルの本が並ぶので
目的の本という「決まった場所」ではなく、
「思いもよらなかった場所」への切符を
手にすることができる。
読書を「旅」に例えると、書店は
様々な人が交差し、出会い、別れる
「駅」である、と。
『本を読めなくなった人のための読書論/亜紀書房』
※要約したりしてます。
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僕の実家は、町の小さな書店。
忘れもしない中1の夏。
台風に備えて父と
本棚にビニールをかけてる最中に、
あるタイトルが目に入りました。
『ねらわれた学園/眉村卓』
「これ読んでいい?」
と父に言った時から、僕の人生の
読書の“旅”が始まりました。
◆図書館〜人類が積み重ねた英知
文科省調査(2018年度)によると、
全国の図書館数は16年間で2割以上増え
3360に、登録者数も3年前から7.7%増で
3379万人とのことです。
電子書籍ではなく“リアル”な本の需要は
すごく高まっていますね。
『戦場の希望の図書館/デルフィーヌ・ミヌーイ』
この本には衝撃を受けました。
サブタイトル
「瓦礫から取り出した本で
図書館を作った人々」
舞台は、シリアの都市ダラヤ。
2012年以来、アサド政権の軍により
4年間に渡って包囲され、爆撃されました。
包囲、つまり都市封鎖です。
国連からの救援物資も届きません。
住人は爆撃を逃れても、
乳児、老人から
ゆっくりと死んでいきます。
そんな絶望的な状況の中、
若者達が“希望の図書館”で
むさぼるように本を読んでいます。
瓦礫から取り出した本が並ぶ、
地下の秘密の図書館で。
そして議論。討論。激論。
「もし全ての人が何かを信じていたとしても、
だからといってそれは真実なのか?」
上から押し付けられた沈黙が、
怒りと勇気の叫びに変わっていきます。
「町を破壊することはできるかもしれない。
でも、考えを破壊することはできない」
若者達は本を通して、
人類の英知である
“民主主義”“自由”を学び、
話し合いを通して深めていきます。
興味深い点が2つ。
①著者は現地を一度も訪れてていない。
それだけ厳し封鎖だという証拠。
そして封鎖の壁があっても、
インターネットという窓を通じて
インタビューし、本書は完成しました。
②声なき声を伝える
インタビューは主に
男性の若者の声を拾いました。
しかしブラックリストに載ることも覚悟の上、
声を上げた女性たちについても
本書は触れています。
少し前に読んだ
『バタフライ/ユスラ・マルディニ』は、
シリアを脱出した難民少女のノンフィクションでした。
この本は、脱出ではなく、
シリアに留まった若者の話。
読みながら、同じく封鎖された
マリウポリのことを思いました。
そして、世界で今も、
弾圧や爆撃の下にいる
一人ひとりのことを想像しました。
◆家にある本〜帰る場所がある〜
旅から帰った時の定番
「やっぱり我が家が落ち着くぅ〜」
は、読書にも当てはまりますね。
家に持ってる本。
今まで何度も読んだ本。
再読すると、
以前読んだ感動が甦ったり、
新たな発見があったり。
自然とエネルギーチャージされる。
そんな効果があると思います。
僕にとっては、
星野源さんのエッセイが
それにあたります。
『不思議』をYouTubeで聴きながら、
アイスコーヒーでも飲みながら、
活字を楽しもうかな。