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【映画100選 超ショートレビュー 第4回】残菊物語(1939)

 長回しのキャメラはお徳と菊之助の間に横たわる身分的な分断線を描出しつつ、そこに彼らの自由な欲望の動線が引かれていく瞬間の重ね合いを逃すことなく的確に捉えていく。
 ラストシーンの「船乗り込み」の菊之助と死の床に伏すお徳との驚異的なクロスカットは、互いの生を賭して静かに燃えあがる情念を私たちのエモーションにダイレクトに接続し揺さぶり続ける!

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1939年製作/143分/日本
監督:溝口健二
日本初公開:1939年10月10日

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