2021年に公開され、映画館で鑑賞した映画から渾身の力をこめて選出し、自信を持ってお勧めするベスト10です。
1.ドライブ・マイ・カー(Drive My Car 濱口竜介/2021)
ドライブすることと演じることが等価なものとなって車内空間が演劇空間に接続し、車内の座席を巡る的確な切り返しショットが男と女と車によって成立するこの物語をドライブさせ、私たちはアクターたちの間に立ち上がる奇跡を目撃する!
2.偶然と想像 (Wheel of Fortune and Fanta
【映画ベスト10】2020年新作映画ベスト10
2020年に公開され、映画館で鑑賞した映画から渾身の力をこめて選出し、自信を持ってお勧めするベスト10です。
1.フォードvsフェラーリ (Ford v. Ferrari ジェームズ・マンゴールド/2019)
これは「フォードvsフェラーリ」ではない、「個人vs組織」の闘いだ。捕獲しようとする資本に対してそれを突破しようとするアソシエイトした諸個人の力能。多用されるクローズアップとローアングルのキャメラが轟音を立てて爆走する車たちと共に骨太な熱き物語の行方を一分の隙も逃
砂漠を横移動するキャメラが捉える、ランドルフ・スコットの清々しい佇まいは、この映画の原題に相応しい端正な表情を纏わせ、ヒロインに頬を寄せる別れの挨拶に半端ない熱量のエモーションを焚きつける。
幌馬車の中のスコットとリー・マーヴィンの切り返しのサスペンスは視界を遮るもののない裸の舞台である砂漠の対決において、視線と弾丸の交錯が瞬時に入れ替わる、高速の切り返しとなって回帰する!
1956年製作/78分/アメリカ
監督:バッド・ベティカー
原題:Seven Men From
歩く足元を追った横移動するキャメラがその場を宙吊りにする見えない視線となり、戦場ではただ歩くことが極めて危険であることを示唆し、地雷原をゆっくりと進むサスペンスフルな場面を用意する。
戦死した兵士の名を読み上げていくロバート・ライアンの後ろ姿のミドルショットが、名前の書かれた手帳を握りしめる彼の拳のクローズアップとなり、この映画の魂が込められたラストカットとなる!
1957年製作/102分/アメリカ
監督:アンソニー・マン
原題:Men in War
日本初公開:195
ロバート・ミッチャムの両手の指に彫られたLOVEとHATEの刺青は光と影を操るこの映画に相応しいアイコンとなり、幼い兄妹が彼の魔の手から既の所で免れる、2度に亘るスリリングなシーンを剔出する。
窓辺の椅子に座ってライフル銃を手にするリリアン・ギッシュの黒い影が子供の灯す蝋燭に照らされた瞬間、窓外に映るロバート・ミッチャムが瞬時に消える光のマジックが私たちの目を危うく眩ませる!
1955年製作/93分/アメリカ
監督:チャールズ・ロートン
原題:The Night of