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ログオンとログイン 通説の間違い

コンピュータを使う際に最初にする作業が、ログオン/ログインです。最近はサインインみたいな言葉も使われています。このログインとログオンの違いは何でしょうか。結論からいうと、意味に違いはありません。単なる呼び方の違いです。

ログオンもログインも、コンピュータの利用開始時に本人確認をして様々なサービスの利用に必要な資格を得る操作のことを指します。しかし、人によってログオンと言ったり、ログインと言ったりします。ちょっと紛らわしいですが・・・。ちょっと調べてみると、以下と同じような”正しそうな解答”が得られます。

コンピュータの主要なOSは、UNIX系とWindows系に分類できます。UNIXの世界では”ログイン”を、Windowsの世界では”ログオン”を使っていたことから、今でもその名残で2種類の言葉が使われています。

一般的な解答例(通説)

これは全くの嘘ではありませんが、それ以前のOSの話がすっかり抜け落ちています。パソコンが普及する前、コンピュータと言えばメインフレームとも呼ばれる大型コンピュータでした。世界的にはIBMがシェア1位でしたが、日本でも日立、富士通、NECなどが国産コンピュータを作っていました。大企業や大学には大型計算機としてこのようなコンピュータが設置されていました。

私が大学生だった頃、旧帝大には大型計算機センターと呼ばれる施設がありましたが、地方大学にはまだ大型コンピュータは導入されていませんでした。いまのようにインターネットという便利なものは有りませんでしたから、コンピュータを使うためにはわざわざ計算機センターまで出かける必要がありました。

私が大学院生になった頃にやっと、大学内だけの限定的なネットワークが使えるようになりました。私もネットワークに接続できる専用モデムを買ってもらって、ようやく研究室内から大型コンピュータを使うことができました。この時、コンピュータに接続する操作を『ログオン』と呼んでいました。当時はUNIXがようやく認知され始めた頃で、Windowsはまだ存在しませんでした。

当時の限定ネットワークでは、今のようにネットワークを使って色んなことができたわけではありません。できたのは、プログラムのエディットと計算ジョブをセンターに依頼することだけでした。それまでは、わざわざ計算機センターに出向いて、カードリーダーからプログラムを読み込ませていました。計算ジョブの依頼はオンラインで出来ましたが、出力結果はターンテーブルに出てくる計算結果を取りに行かないといけませんでした。

歴史的に見ると、大型計算機のログオンが最初で、UNIX普及後にログインが誕生しました。Windowsのログオンは、大型計算機で使われていた用語・ログオンを踏襲したものだと思われます。ちなみに、インとオンの対義語はアウトとオフなので、ログインーログアウト、ログオンーログオフという関係になります。

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