見出し画像

バークレーの思い出#16 マイニングビルディング

 UCバークレーのキャンパスの北西部に、マイニングビルディング(Mining Building)という建物があります。正式には、Hearst Memorial Mining Buildingと言います。Miningというのは鉱業という意味です。

 1849年のゴールドラッシュ以後、カリフォルニア州は何十年も続く鉱業ブームに沸いていました。その影響もあって、1900年代初頭、バークレー校に在籍する3000人の学生のうち15%以上が鉱業を専攻し、カリフォルニア大学バークレー校の鉱業学部は、この種の学校としては世界最大の規模を誇っていました。

 この建物は、アメリカ西部諸州の銀鉱で巨万の富を築いた米国上院議員ジョージ・ハーストの未亡人が資金を出し、大学に寄贈したものです。写真のようなボザール様式の華麗な建物で、特に3階建てのロビーは”カリフォルニア大学の至宝”と呼ばれています。

 しかし私が通っていた頃は、数年前に起きた地震による被害のため、残念ながら閉鎖中でした。この建物の近くには、ヘイワード断層と呼ばれる活断層が走っていて、次の強い地震には耐えられないと理由から閉鎖されたのでした。私は建物の前を何度も通りましたが、”Keep Out”と書かれた幅広の黄色いテープが、入口に貼られていました。

 マイニングビルディングは、1998年から2003年にかけて、下図のような大規模な改修と耐震補強が行なわれました。下図にあるように、建物の地下の基礎部分には、建物を支える鉄柱が数多く打ち込まれています。なおこの建物は、現在は材料科学工学科の校舎となっています。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?