定番の夕食メニュー 冷めたトンカツ
トンカツは揚げたての熱々が美味しいのは当たり前ですが、今回は冷めたトンカツの話です。
”冷めた”と聞けば、米有力紙に「冷めたピザほどの魅力しかない」と揶揄された”平成オジサン”こと、小渕元首相を思い出した人もいるかもしれません。小渕恵三元首相はユーモアのある人で、官邸の外で待っている記者たちに、温かいピザを差し入れしたこともあったそうです。しかし今回の話は、ピザではなくトンカツの話です。
現在は春(5月)に行なわれますが、昔は秋(10-11月)に九重に行って、懇親会及び八丁原発電所の見学に行っていました。この研修は九重研修と呼ばれていて、九大山の家か九重共同研修所で1泊して行われていました。どちらに泊まるかは、その時の研修所の予約状況で変わるのですが、夕食は決まって定番の”冷めたトンカツ”でした。九重研修の発端は、学生運動が活発だったころに、学生と先生の懇親を目的として始まったと聞いています。なので、元々は飲み会がメインで、見学はオマケでした。もちろん今は、見学がメインで懇親会がオマケです。
冷めたトンカツには、明確な理由がありました。九重共同研修所には常勤の管理人さんはいますが、常勤のマカナイさんはいません。食事は近隣のおばさんたちが、パートのマカナイさんとして準備してくれていました。パートなので、勤務は午後5時までで、食事時間の6時には誰もいません。どんなにギリギリに作っても、食べるまでには1時間以上あります。これが”冷めたトンカツ”の理由です。トンカツはお皿に盛られてテーブルの上に置いてありましたが、ご飯とみそ汁はセルフサービスでした。九重共同研修所には何度も止まりましたが、一泊だけなら決まって”冷めたトンカツ”でした。
一度だけ、九重周辺のフィールド調査の時に、研修所に連泊したことがありました。二日目の夕食は何だろうと秘かに期待していたら、何とポークチャップでした。肉は一日目と同じものですが、調理法が違いました。たぶん、トンカツ用の肉が、冷蔵庫に大量に貯蔵されているのだろうと思いました。しかし、ポークチャップの存在を知っているのは、ごく限られた人だけです。