映画を観た記録94 2023年9月3日 フランソワ・トリュフォー『大人はわかってくれない』
Amazon Prime Videoでフランソワ・トリュフォー『大人はわかってくれない』を観る。
再度、観る映画です。
私が18歳のときに観た映画。それ以降、実は観ていなかった。当時は主人公のアントワール・ドワネルがジャン・ピエール・レオ―というのもわからなかったし、冒頭の「アンドレ・バザンの思い出に捧ぐ」が、誰?アンドレ・バザンと思っていた。
久しぶりに観ると、ラスト近くのアントワーヌ・ドワネルが少年鑑別所を逃げ出し、ひたすら走る姿を横移動でとらえる画面は美しいとしかいいようがない。この横移動の時間は、レオス・カかラックス『汚れた血』の横移動はこの横移動からヒントを得たのだろうか。
本作品は、フランス映画に確実に衝撃を与えたのではないか。犯罪ものはフランス映画のお手の物だが、少年犯罪ものというのは新しいジャンルを切り開いたのではないだろうか。
ドワネルの友達だけが、ドワネルにとって心を許せるのだったのだろう。
ロケーション中心の本作品は、明らかにネオレアリズモの影響があるのだろう。
だいたい、多くの映画は、親と子は信頼関係に結ばれているという描写をするが、『大人はわかってくれない』はそうではなかった。トリュフォーは、家族を家族ではなく、アンドレ・バザンというような人物に置いた。
トリュフォーは生き急いだのだろう。
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