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結局「ビジネスデザイン力」とは何なのか?

はじめに

ここまでのシリーズで「データ活用スキル」「デジタルリテラシー」について書いてきました。

ところで、デジタルスキルの議論になると、データ活用・デジタル技術活用の具体的なスキルの他に、

ビジネスでの場面でデジタルで「価値」を出せるスキル

も重要だと言われます。たとえば、以下の有名なベン図では「ビジネス力」と呼ばれています。

データサイエンティストに必要な3つのスキル(データサイエンティスト協会)
https://www.datascientist.or.jp/dssjournal/2020/09/02/dodv4

このようなスキルを持つ人材を何と呼ぶかもいくつかの「流派」があるようですが、たとえばIPAのDX白書2023では「ビジネスデザイナー」と呼ばれています。

IPA: 「DX白書2023」, p160, 2023.より
https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/dx-2023.html

そこで、このサイトでは、

ビジネスデザイナーが持つスキル=ビジネスデザイン力

として、ビジネスデザイン力とは何かについて考えていきます。


ビジネスデザイン力とは

実は、このサイトでは、ビジネスデザイナーについて一度記述したことがあります。

詳細はそちらを読んでいただくとして、ここではビジネスデザイナーを

DXで実現したいことを設計(デザイン)し、関係者と推進できる人財

と定義し、ビジネスデザイナーに必要なスキルを

「ビジネスモデル」「ビジネスプロセス」「(広義の)デザイン」

としています。そこで、ここではこの3つを「ビジネスデザイン力」と呼ぶことにします。

3つのスキルは具体的に何が違うのか

これらをどう定義するかですが、IPAの「デジタルスキル標準(DSS)」を参照すると、該当するカテゴリーがそれぞれありますので、それらを参考にすることにしましょう。

ビジネスモデル

ビジネスプロセス

実はDSSでは、「ビジネスモデル」と「ビジネスプロセス」をまとめて記載しています。

「デジタルスキル標準 ver.1.2 p85」より引用

ただし、先の定義に従い、今回はそれらを分けることにしたので、ここではそれぞれ以下のように定義しました。

  • ビジネスモデル:デジタルを使って儲けるビジネスモデルの開発および運用に関する知識と理解、活用できる力

  • ビジネスプロセス:デジタルビジネスに必要な進め方(プロセス)に関する知識と理解、活用できる力

一言で言えば、ビジネスモデルとは「儲け方」であり、ビジネスプロセスとは「PJの進め方」です。ビジネスにおける最終的な目的はデジタルを利用して儲ける・金を稼ぐということですが、その目的を達成するためにはPJの着実な遂行が必要です。実際には同時に検討されることも多いためDSSではまとめて定義されたのだと思われますが、内容自体は違うものですので、ここでは分けて書きました。このあたりの詳細については以前に書いた記事も合わせてご参照ください。

(広義の)デザイン

このスキルを一言でいうと、

顧客に提供する「価値」の設計に関する知識と理解、活用できる力

です。ただし、ここでいうデザインとはいわゆるUI・UXデザインと呼ばれる見た目・意匠に関するものだけにはとどまらず、いわゆるサービスデザインのような「設計」も範疇に含みます。デザインについては、以前データサイエンティストの定義について書いた時にも詳細を示しました。そちらをご参照ください。

おわりに

今回は、「デジタルスキル標準」などを参照しながら、ビジネスデザイナーを具体的に特定していきました。

最初に書いた通り、ビジネスデザイナーという職種は、

「ビジネスアーキテクト」とか「文系デジタル人材」とか

いろいろな呼ばれ方をされます。その理由として

データサイエンティストやエンジニアほどスキルセットが明確でなかった

ことに理由があるのではないでしょうか。今回、ビジネスデザイナーのスキルを三つの方向性で定義しましたが、これにより学ばないといけない領域がなんとなくでもイメージできたなら幸いです。

今後も、データ活用・デジタル技術活用については深堀を進めていきます。

ビジネスデザイン力とは #一枚絵図

(おわり)

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