デジタルスキル標準ver.1.2にて定義された「プロダクトマネージャー」という職種
はじめに
このサイトでは、デジタルスキル標準に注目してきています。たとえば、以下のシリーズでは「データサイエンティスト」について、全7回で解説を行ってきました。
そんなデジタルスキル標準ですが、2024年7月に、改訂版であるver.1.2が公開されました。ver1.2の改訂趣旨が、同書の先頭にまとめられています。
前回のver1.1では「生成AI」についての内容追記が主だったのですが、今回はそれに加え、
ロールとして「プロダクトマネージャー」についての定義がなされた
ところが大きなポイントです。今回は、この「プロダクトマネージャー」という職種について読み解きます。
「ビジネスアーキテクト」について
今回定義された「プロダクトマネージャー」というのは、5つのロールのうち「ビジネスアーキテクト」と似ているということで、「補記」という形で定義されました。
そもそも、デジタルスキル標準における「ビジネスアーキテクト」はビジネスの方向性に応じて3種類のロールに分かれているものの、どれも「ビジネスアーキテクト」と呼ばれています。
「ビジネスアーキテクト」と「プロダクトマネージャー」の関係性
そのうえで、今回定義された「プロダクトマネージャー」について読み込んでいきます。
これを見ると
(職種として)すでに広く浸透している
デジタルスキル標準にて「ビジネスアーキテクト」と呼んでいるロールと非常に似ている
ということから、ビジネスアーキテクトとは「別」としてではなく「補記」として定義されたようです。私の理解する限り、これらはことさらに別物だと主張したいのではなく、どちらかと言えば
プロダクトの定義によるが、両者は基本的に同じもの
と主張したいのではないかと感じました。
「プロダクト」とは何か
すなわち、この改訂の要点は、ロールの追加というよりも
デジタルを活用した「プロダクト」の定義
の方がより重要であると言えるでしょう。
この図にある通り、単独の製品・サービスを「狭義のプロダクト」とするならば、デジタルを活用した「広義のプロダクト」は、解決したいビジネス課題に対して
(デジタルを活用した)付随活動を組み合わせた活動=「プロダクト」
であることが改めて提示されたことで、ロールの位置づけがクリアになったのではないかと感じました。
おわりに ~ ロールの名称より重要なこと
今回は、デジタルスキル標準ver1.2にて新たに明記された「プロダクトマネージャー」というロールについて考えてきました。本改訂のポイントは、ロールの名称云々よりも、「そもそもプロダクトとは何か?」という点であると考えています。すなわち
プロダクト=ビジネス課題を解決する価値として提供されるモノ・コト
という、この業界では(割と)昔から言われていることを、本書で改めて明記してくれたので、今後このドキュメントを使って議論することができるようになった点が良かったと感じています。
今後も、デジタルスキル標準には注目していきます。
(この項おわり)
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