ChatGPTを使ってみて「デジタルの開発は大きく変わる」と感じた
はじめに
近頃ネットを賑わしている技術にChatGPTがあります。
色々サイトで「ChatGPTが流行っている」ということを目にすることも増えましたが、多くのビジネスパーソンにとっては
「これが仕事にどう使えるのか?」が知りたい
のではないでしょうか?
そこで、今回はChatGPTは仕事に使うとしたらどうなるのか?という観点で、考察いたします。
Microsoftの大規模投資
最近では、MicrosoftがChatGPTの開発元であるOpenAIに対して、100億ドル、つまり1兆円以上の投資を行ったことが発表されています。
Microsoftといえば、クラウドサービスの「Azure」、検索エンジンの「Bing」、オフィススイート(ワープロ、表計算、プレゼンテーションなど、オフィス業務に必要なソフトウェア一式のこと)の「Microsoft Office」などで有名ですが、これらアプリケーションの中にChatGPTの技術を取り込むことが考えられています。
「あのイルカ」のように使う?
ちょっと脱線しますが、Officeのアシスタントツールということで思い出されるのは、以下のイルカです。
私が初めて使ったオフィススィートは「Word 97/Excel 97」でしたが、その時はこのイルカは表示されておりました。(もっとも、私もすぐ非表示にしたのですが…) みなさんはご存知でしょうか?
これはカイル君といって、日本語版Microsoft Officeにおいて「ヘルプの表示」などを行うサポート役キャラクターでした。しかし、なかなか思い通りのサポート情報が得られず、すぐに消されてしまうので、今はもう実装されておりません。
ただ、(インターフェース部分がイルカになるかどうかはともかく)ChatGPTの技術がOfficeに搭載されれば、このようなアシスタント機能がまた復活するかもしれませんね。特に、日本では
いまだにInternet Explorerが使われるほど、Microsoft製品が広く利用
されています。そのため、日本のビジネスパーソンはこれから様々なMicrosoft製品を通じて、ChatGPTを知らず知らずのうちに使うようになるかもしれません。
ChatGPTにPythonを書いてもらった
本題に戻って、せっかくChatGPTは無料で使えるものですから、まずは使ってみることが大事です。以下の記事を参考に私もPythonを書いてもらうことにしました。
今回は「PythonでExcelの3列目だけデータを抜き出して、別のExcelに書き出す」というサンプルコードを書いてもらうことにしました。その結果は以下の通りです。
驚きなのは、
まるで人間と対話するようにコードを書いてもらえた
という部分です。まるで人との会話のようにインプットを与えることができるので、非常にストレスなく望みの情報を得られるという点は非常に優れていると感じました。
ただ、このコードを実行すると、
このように、やりたいことはできていたものの、Warningを吐き出していました。どうも将来的に無くなる非推奨なプロパティを使っているようです。ということで、少なくとも
とりあえず動くコードは書けるけど、いきなり製品に組み込むのは無理
で、ちゃんとしたコードレビューが必要だなと感じました。
おわりに ~ Google翻訳で英文を書くように
今回は「ChatGPTやってみた」という記事を書きましたが、ビジネスに使う時のイメージで考えると
英作文を書く時にGoogle翻訳を使う
という状況にすごく近いと感じました。翻訳機能を使ったことがある方ならわかっていただけると思うのですが、あのアウトプットで出てきた文章は「完成された翻訳文」というよりは「粗翻訳」とでもいうべきものであり、とてもそのままでは使えません。
粗翻訳を基に、意味の通る文章に仕上げる作業
が必須です。今回のアウトプットもまさにそんな感じであり、これを何か製品にいきなり組み込むということにはならないと思うのですが、まずひな形を自然言語でサクっと書いてもらって、それをもとに作り込んでいくという仕事の進め方が今後あらゆる分野で起こるのではないかと感じました。
また、ChatGPTのすごいところはプログラミングだけでなく、自然言語をそのまま解釈できるところです。ソフトウェア開発という観点でいえば
要件定義や各種仕様書作成にもこの技術が利用できる
のです。これまでは、「要件定義をする人」「仕様書を書く人」「プログラミングをする人」がそれぞれ、しかも大量に必要だったのですが、これが一つの環境でできるようになったということになります。
ChatGPTは現在β版で無料ではありますが、今後有償化しても同様のサービスが多数出てくることが予想されます。そうなると、このような仕組みをビジネスで上手に使う人が生産性高く仕事を進められることになるでしょう。
デジタルの開発は大きく変わることはもう間違いない
でしょう。是非、今のうちにこのサービスのメリット・デメリットについて自分なりに考えていくということを行ってみてはいかがでしょうか。
(おわり)