イノベータ? アーリーアダプター? そんなこと自分で言うもんじゃない。
はじめに
このnoteでは新規事業やDXに関する記事を多数投稿しています。世の中にはもっとたくさんの新規事業やDXに関する記事があります。これらを読む限り、世の中の人はみな新規事業やDXに期待の目を向けているはずだし、またそうであるならば自社の中でも新規事業・DXを立ち上げる機運はもっと盛り上がっていてよいはずです。しかし、
身の回りでそういった空気は感じない
という人がほとんどなのではないでしょうか? 今回は何故そう感じるのについて、イノベーター理論をもとに考えていきます。
イノベーター理論
この手の話題では、よくイノベーター理論が持ち出されます。いまさらではありますが、この理論について改めて確認しておきましょう。
これらは以下のように分類され、以下のようなグラフを見たことがある方も多いでしょう。
イノベーター(Innovators:革新者、革新的採用者)
アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者、初期少数採用者)
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者、初期少数採用者)
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者、後期多数採用者)
ラガード(Laggards:採用遅滞者、伝統主義者)
イノベーター?ラガード?それって誰の事?
このような議論では、特に「イノベーター」を自称する人が「アーリーマジョリティ」以降の方、特に「ラガード」を非難することがあります。
しかし、そもそもこの自称している方々は本当にイノベーターなのでしょうか?
自称イノベーターも別の集団から見たら、特段イノベーターではない
ということもよくあるのではないでしょうか? たとえば、AIなどの最新技術について議論する時、その集団に所属している人がどういう集団なのかによって、その人がイノベーターなのかそうでないかが決まります。また、もっと極端に言えば
その人が自信家なのか、謙遜しているのかですら立ち位置は変わる
ということに注意しなければいけません。
おわりに ~ 意見が合わない場からは「黙って」去る
普段から、新規事業やDXに興味・関心がある人が最も忘れてしまうこと。それは
世の中の人は「自分の関心がないことに興味がない」こと
です。そもそも興味がないので、良いも悪いもないのです。
大前提として、いわゆるアーリーマジョリティやラガードとみなされた人たちはそんなに非難されるようなことをしているのでしょうか?
たとえば日本の企業、特に保守的な大企業ほど「みんな平等に」「全体の合意を取って」というような言い方をするので、こういった方々はむしろ「良かれと思って、悪気なく」ふるまった結果がラガードとなっていることがあるかもしれません。
もちろん、いわゆるイノベーター気質の人たちは、そういった人たちと会話をすることに骨が折れるため、そういう場からは去っていくことになるでしょう。しかし、それはあくまで「あなた」と「その集団」とのミスマッチなのであって、決してその集団が悪いわけではありませんし、逆にあなたが特段優れているわけでもないことに注意が必要です。
ここで必要なことは、その議論をするのに適した場所を見つけ、
ただ、黙ってそこに向かえばよい
のです。もしかしたら、後ろ指をさされているかもしれませんが、それに耳を貸す必要もないです。
逆に、「イノベータだから」とか「アーリーアダプターだから」とか、そんなことを言わずに自分で言う必要もないです。どうせ、
どれだけ言ったって興味がないのですから
黙って去るのがお互いにとってクリーンな態度ではありませんか。
(この項終わり)