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誰にでもできる小6日本史歴史授業の改革

小学校における歴史の授業は、改革が確実に必要である。
自虐史観の強い教科書の改訂もさることながら、授業自体の改革が急務である。

ここで少し「自虐史観」についてふれておきたい。
「自虐史」を教えられてきた自覚が、どれぐらいあるかがまず問われる。
こういう記事をわざわざ読むような方は、自覚症状がかなり強いことが予想される。
そうだとすると釈迦に説法ではあるが、少しお付き合い頂きたい。

(特に近代の)歴史のどの場面でもいいのだが、印象的なものを一つ思い浮かべて欲しい。
どれぐらいそのことについて、
「自分の目や耳、手足で実際に見聞きしようとしたか」
「自分の労力を割いて勉強し、調べたか」
である。

「目や耳、手足を使う」「勉強する」とは、自分で文献を調べたり、その地を訪れたり話を聞いたりする機会である。

授業で使う教科書や資料集以外の本を、どれぐらい読んだか。
実際にそれが起きた地を訪ねてみたり、体験者の話を聞いたりしたことがあるか。
あるいは、地元にある歴史的な遺跡等についてどれぐらい語れるか。
全部ではなく、どれかたった一つでもいい。

台湾やモンゴル、タイ、トルコ、あるいはパラオのような超親日国の土地を訪れたことがあるか。
訪れたことはなくてもそのような親日国が世界中にあることや、その理由を知っているか。
逆に、中国や韓国のような反日教育を政治的な施策として行っている国を訪れて、何か感じたことはあるか。
(現地の国の若者たちの多くは、その教育の偏りぶりに気付いているらしいというのが救いである。)

国内にある原爆資料館や特攻記念館、ひめゆりの塔等の、戦争の負を残す施設を訪れたことがあるか。
外国側の、アメリカのスミソニアン博物館や中国の南京大虐殺記念館のようなものでもいい。
行って見て感じたことがあるか。
どれぐらい、自分自身の五感を投入して勉強したことがあるか。

これらが教える側にも「一切ない」「あまり興味がない」という状態は、決して珍しくない。
なぜならば、これまでの学校教育でそういうことを教えていないからである。
個別の体験・学びに完全に依存している。
教える側からしても面白くもないと思っている教科書の内容を、ただ教えて暗記させているだけ、という痛々しい現状が散見される。

「歴史の授業自体が暗記ばかりで嫌いだった」
「戦国時代は時間たっぷりとって学べて面白かったけど、近代史とかは人がたくさん出てくるし、時間がなくて教科書読むだけで終わったからよく意味がわからなかった」
という人も少なくない。

そうなると「教科書の記述が全て」ということになる。
「日本は諸外国にこんなことをしました」だけの記述で学ぶようでは、自虐史観が強まるのは必然である。

そこには歴史的背景が全く書かれても語られてもいないからである。
その理由は、分量の問題もさることながら、あまり詳しく書くと「教科書検定」で引っかかるからである。
何でもそうだが、検定を通すためには「当り障りのない記述」が望まれる。

例えば、真珠湾攻撃。
アメリカ側からすれば、かつてトランプ元大統領が「Remember Pearl Harbor」と言ったように、「正義」を語るために政策として利用されている。
対して「なぜ日本は勝ち目の薄すぎるアメリカに真珠湾攻撃をするまで追い込まれたか」を語れることが、日本の教師には必須である。

ここまで読んで「そんなこと知っているはずがない」「別に関係ないし困っていない」というのが、世間一般の意見である。
教える立場であっても同様である。
なぜならば、先にも前号でも書いたが、そのようなことは学校で教えられていないし、そうなれば試験でも問われないからである。
その結果として「日本に誇りをもてない」「自国の歴史にも興味がない」という残念な姿を世界に露呈してしまっている。

どうすれば、そのような知見・知識が得られるのか。
勉強すればいい話である。
しかし「そんなこと」に割く時間はないというのが、多忙な日本の教師の現実である。

では、どうすればいいのか。
教えながら同時に学んでみればいい。
教師にとっては、あらゆる教科において最も効率の良い勉強法といえる。

社会科の歴史授業が他と違って困難に思われやすいのは、先の理由により教師の側に十分な知識がない場合が多いという点にある。
だから、それを教師にも教えてくれる授業本があればいい。
ここに視覚的資料があれば、教えるにあたって最高である。

次のものである。

『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』 齋藤武夫著

歴史授業準備に1年間かける時間が大幅削減された上に、自分自身が勉強になって、子どもが感動する授業が作れる。
そこに数千円程度をかけるのを「高い」と思うかは、人それぞれである。

さて、本があるだけでも素晴らしい授業になるのだが、腕(あるいは語り)に自信がないというのが普通である。
優れた補助教材が更に欲しい。
ユーモアや雑学も交えた面白い内容、興味をひく写真資料が数多く欲しい。
できれば、学年にいる初めて6年生をもつ若手でもそんな良い授業ができるとしたら、万々歳である。

そこで、一緒に販売されているPowerPoint資料である。
私のブログにアップした動画で、一つだけ紹介する。

今回紹介した資料は、千葉の岡本裕司先生という方の作成した資料のごくごく一部である。
齋藤武夫先生の実践を追い続け、育休中の合間を縫って、自前で全ての授業について資料を作成したという。
全部で70時間分の実践、PowerPointとWordデータ合わせて1ギガ分ある。
相当気合の入った作品である。

歴史授業を本気でしたい方に、強くオススメしたい。

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