新沼英明|桜花学園大学

桜花学園大学学長補佐 教授 | 専門は臨床福祉学(保育政策・子育て支援施策)。社会福祉…

新沼英明|桜花学園大学

桜花学園大学学長補佐 教授 | 専門は臨床福祉学(保育政策・子育て支援施策)。社会福祉士、保育士 | 岩手県陸前高田市出身 | 保育士がいきいきと生活できる保育政策について研究中。| 桜花学園大学には2026年「情報科学部ソーシャルデータサイエンス学科」誕生

最近の記事

保育のこと・福祉のこと・仕事のこと”Not To Do"リストを作ってみては?

こんばんは。桜花学園大学の新沼英明です。 今日から本学の一部の授業が再開されました。キャンパスに少しだけ学生の声が戻ってきた感じです。同時に暑さも戻ってきましたが…。 さて、前期はバタバタと(瞬く間に)過ぎていきました。 担当科目数が多くなり、非常勤のご用命も増え、新学部(2025年に本学に「情報科学部ソーシャルデータサイエンス学科(仮称・構想中)が誕生します!)の準備にてんてこ舞いでした。 加えて、講演や研修講師のご依頼も多くいただきました。 不適切保育をしない、させな

    • 心がしなやかでありますように。

      昨年度からとってもとってもバタバタとした日々が続いていました。 っていうか、今も続いています。 そのバタバタの原因をお話しできるようになったので、少しだけ書き留めます。 新規プロジェクトのリーダーに 僕は短期大学の教員だったのですが、大学に新学部を作ることになり、その実務責任者として籍が同じ法人の大学に移りました。色々なことがあって何度も何度も心が折れました…。 心は弓矢のように柔らかくしていないとボキっと折れちゃいますよね。心を固くしておくのは危険なことです。 元々人

      • 「キーエンス解剖」から教育・福祉(保育)従事者は何を学ぶか

        今年はたくさんのビジネス書を読みました。 私の研究分野から言ってビジネス書は縁遠いものではあるのですが、保育や教育、福祉の分野の今後を考える上ではビジネスライクな発想を持つべきだ、という思いと、個人的な興味から色々読みました。今日は「キーエンス解剖」から得たことを少しご紹介したいと思います。 「キーエンス」ってどんな企業か? 恥ずかしながら私も企業名と「高収益で給料がべらぼうに高い」くらいの知識しかありませんでした。 キーエンスは大阪・東淀川区に本社がある企業向けセンサー

        • 読書録「政治はケンカだ!明石市長の12年」

          前明石市長の泉房穂さんの考え方には大いに共感するものがあります。 今回、大きく2つの学びがありました。 Must,Better,May,Don't 仕事にはMust(絶対にしなければならない)、Better(したほうがいい)、May(してもしなくてもいい)、Don't(してはいけない)があると。この部分は行政運営を中心に述べておられるわけですが、私の、そして保育現場の仕事にも大いに参考になるフレーズだと思います。 組織やそのメンバーができる仕事の総量には限界があります。ま

        保育のこと・福祉のこと・仕事のこと”Not To Do"リストを作ってみては?

          たまにはビジネス書はいかがですか?

          保育者に贈るこの1冊。今日はビジネス書です。 保育者のみなさんも、たまには保育専門書を離れて、ビジネス書を紐解くと、業務改善のヒントが得られるかもしれませんね。 「頭のいい人が話す前に考えていること」(安達裕哉)/ダイヤモンド社 私はいわゆる「ビジネスパーソン」ではありません。でも、ビジネス書から得られる知識は社会人としてとても役に立ちます。保育や福祉の仕事も「ビジネス」という観点からは少し離れているような職種ですが、会議や研修などでは、やはりビジネスライクな思考は大事だと

          たまにはビジネス書はいかがですか?

          「20%の余力」”一生懸命”仕事をするとは〜私が応援する保育者のみなさんへ〜

          先日、ある信頼しているお医者さんから聞いた話がとても胸に残ったので、備忘録も兼ねて記します。特に私が応援している保育士のみんさんはもとより、社会人として胸に刻んでおきたいことだったのでご紹介します。 一生懸命仕事をするとは 一生懸命仕事をするとは、無理をして身体を壊してまで仕事をすると言う意味ではありません。もちろん誠実さは大事です。苦手なことにも嫌なことにもチャレンジしなければ社会人としての成長は望めません。しかし、大事なのは頑張りすぎないこと。それをそのドクターは「2

          「20%の余力」”一生懸命”仕事をするとは〜私が応援する保育者のみなさんへ〜

          保育者に贈るこの1冊#3「ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方」(石井亮次)

          我々教員もフリーアナウンサーの著者も「話す商売」。保育者も商売道具はなんと言っても「ことば」です。 今回はCBCテレビ(TBS系)午後の情報番組でお馴染みの筆者が書いた著書から、保育者あるいは社会人としての処世術について学びたいと思います。 「挨拶はひとりごと」「挨拶は自己満足」 職場の人間関係に悩んだり、実習で悩む学生が「(先輩・指導)保育士が挨拶を返してくれない」という悩みを聞くことがあります。職場で気持ちよく挨拶を交わせるかどうかは、健全な組織を見極める指標と私は考

          保育者に贈るこの1冊#3「ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方」(石井亮次)

          保育者に是非読んでほしい、この1冊〜挑戦 常識のブレーキをはずせ 藤井聡太 山中伸弥

          怒涛の年度初めが終わり、先生方も少しお休みできていると良いのですが。 保育者は保育に関する本をたくさん読んでいると思いますが、ちょっと違う視点で保育を、あるいは社会人としてのあるべき姿を見ることで視野が広がるかもしれません。今日は棋士・藤井聡太さん(以下、藤井)と科学者・山中伸弥さん(以下、山中)の対談から学んだことを紹介します。棋士と科学者、そして言うまでもなく「天才」である彼らから保育者は何を学ぶ?と思われるかもしれませんが、いやいや、とても学びの多い本でした。 雨に文

          保育者に是非読んでほしい、この1冊〜挑戦 常識のブレーキをはずせ 藤井聡太 山中伸弥

          保育者に送るおすすめのこの1冊

          死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由 麹町中学校で工藤勇一先生から学んだこと:西川幹之佑:時事通信社あくまで「著者の場合」という前提であって、発達障がい当事者の困りごとを包括的に理解するものではありません。しかし、私たちの想像力には限界がありますから、当事者の見えている世界観や考え方を理解する上でとても参考になりましたし、社会人としての姿勢を学ぶこともできる一冊です。 当事者の「嫌だったこと」「困ったこと」「嬉しかったこと」から学ぶ 著者は障がい特性ゆえに、い

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          子育て世代が直面”小1の壁”「小学校があと30分早く始業したら」を考える

          関西テレビが報じた”子育て世代が直面“小1の壁” 「小学校があと30分早く始業だったらな…」とため息も 朝も夕方も時間との戦い 首相も「喫緊の課題」と認識 一方で"勤務は午後4時まで"の子育てに優しい会社も には、多くの学校の先生から厳しい意見がSNSを中心に寄せられています。 多くの学校の先生から「小学校は子守りの場ではない」「教員の仕事量はもう限界」「ふざけるな」と批判的な投稿が目立ちます。 ただ、インタビュー対象者には責任は無く、真に心の声なのでしょう。 出勤時間と登

          子育て世代が直面”小1の壁”「小学校があと30分早く始業したら」を考える

          保育園・幼稚園で育む「10の姿」から学ぶ、先生たちの仕事術(後編)

          幼児期(小学校入学前)までに身につけてほしい「10の姿」がオトナ(社会人)の仕事にも通じるというシリーズの第3弾。今回は最終回です。 今日は⑦〜⑩の4つの視点で見てみましょう。 ⑦自然との関わり・生命の尊重→SDGs・他者への配慮と人権の尊重 (1)SDGs 子どもがこれから幸せに暮らしていくためには持続可能な社会の実現が不可欠です。特に環境問題は一朝一夕には解決できません。 子どもが自然に親しみ、生命の大切さを学び、自然を尊ぶ気持ちを養いたいのであれば、私たちオトナもし

          保育園・幼稚園で育む「10の姿」から学ぶ、先生たちの仕事術(後編)

          保育園・幼稚園で育む「10の姿」から学ぶ、先生たちの仕事術(中編)

          幼児期の終わりまで(小学校入学まで)に育んでほしい「10の姿」は私たち社会人、特にも対人援助職である保育士やソーシャルワーカーにも通じるものがあります。保育士は子どもの「10の姿」を育むとともに、自らも「10の姿」を意識して仕事をすると、理想的な職場環境に変容していくかもしれません。今日はその中編です。 ④道徳性・規範意識の芽生え→コンプライアンスの遵守 子どもを育む時には、やはり一定のルールや道徳性を身につけてもらう必要があります。これは保育所・幼稚園に限らず、子どもに

          保育園・幼稚園で育む「10の姿」から学ぶ、先生たちの仕事術(中編)

          保育園・幼稚園で育む「10の姿」から学ぶ、先生たちの仕事術(前編)

          保育所や幼稚園、こども園では「保育所保育指針」や「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」に基づいて保育がなされます。決してその日に思い付いたことをテキトーに行なっているわけではありません。 それらの要領などの共通の指針として「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」があります。 ここを目指して保育をするわけですが、実はこの10の姿、先生方(私も含めて)や社会人にもしっかり応用が効くのです。私は「10の姿最強説」と勝手に思っているのですが、今日はどのように応

          保育園・幼稚園で育む「10の姿」から学ぶ、先生たちの仕事術(前編)

          あせらない、あせらない…。新年度、心に携えたい言葉。

          新年度を迎えました。 いつもこの時期は、「卒業生はどうしているかな?」と思うのです。 公務員を経て、大学教員になって17年目。 16学年を送り出してきました。 主に保育者として社会に送り出してきたわけですが、 風の便りに、主任になった!、結婚して子どもができた!と聞くことが多い一方、疲れ果て、保育現場を去ってしまったという話も少なくありません。 私自身も社会人生活は順風満帆ではありませんでした。 周囲に認められたくて焦りすぎたり、頑張りすぎたり。 心はいつもザワザワでした。

          あせらない、あせらない…。新年度、心に携えたい言葉。

          新人保育士へのエール〜ランニングから得た人生訓

          唯一の趣味と言って良いランニング。今年1月に顔面(鼻骨)骨折をしてしまい2ヶ月半休養しました。 今日やっと、1キロ6分ちょっとのゆっくりペースで恐る恐るジョギングを再開しました。 さて、先日本学でも卒業式が行われ多くの保育者が現場に旅立ちました。 4月からの社会人生活に希望と不安をいっぱい溜め込んで巣立っていったのです。現場の先生方、新人たちをよろしくお願いいたします。 彼女たちにとって、社会人生活はきっと楽なものではないはずです。 子どものかわいらしさ、保護者の労い、先

          新人保育士へのエール〜ランニングから得た人生訓

          緊急提言・出生数80万人割れの衝撃!〜保育施設の運営維持の方策を!〜

          2022年に生まれた子どもは79万9728人で、統計開始以来始めて80万人を割りました。 以下、詳細に分析・研究をしている時間がないのですが、簡易に分析すると、一時的な入園者減で保育施設(保育所・認定こども園・地域型保育事業)運営の収入が減ったり、特に非正規の保育士が調整弁に使われたりすることが危惧されます。 少子化対策のために、一時的に入園児童が減ったとしても、保育施設を維持できる方策を一刻も早く検討する必要があると思います。 予測を遥かに超える少子化の進行 先に記した

          緊急提言・出生数80万人割れの衝撃!〜保育施設の運営維持の方策を!〜