社員が『自分事になって』仕事に取り組めるようになるには?
経営と組織づくりの専門家、U-WAN代表の棚原です。
『自分事化』
これまで多くの社長さんと会って話を聞く中で、ほぼ全員が願ったことです。そして、僕自身も、社員の方々が会社の事業や日々の仕事に対して、『自分事』になるために、たくさんの時間とパワーをかけてきました。
その中で、とあることがキッカケになり、『自分事化』について僕なりの気づきがありましたので、noteに書いてみました。
前提として、あくまでも現時点での考えであり、変わる可能性があること。この結論に行き着いた理由は、自身の体験から紐づけたことで、普遍的な概念ではないことを念頭に、お読みください。
結論:社長の覚悟が1番大事
結論からお書きしましたが、社長の覚悟。
社長が思い描く、『自分事の社員』は覚悟次第で、社長と同等のレベルまで育成することが可能だと、僕は考えています。ただし、本当に本気で、社員が会社のことや仕事に対して、自分のように自分事になって欲しいのであれば、そのためには相当な覚悟が必要になります。
そのくらい、難しいことである。というのが、僕の結論です。
では、ここからは、なぜそう考えるのか?について、実際の話しを元に書いていきますね。
自分事になれるのは、自ら生み出したから?
先日、妻とこのような話をしました。
僕:〇〇(妻の名前)の息子に対する愛情というか、接し方ってすごいよね。なんか、自分との間には無い、深い繋がりがベースにあって愛情がある感じがするんだよなぁ。
妻:他のお母さんたちはどうか分からないけど、自分でも、そんな何か深い繋がりみたないのは、感じるんだよね。言葉で表現できない何かが。本能なのか分からないけど、自分を顧みずに必死になる時があるよね。
僕からすると妻の息子に対する愛情は偉大で、僕とは違う何かがある。ずっとそう感じていました。
それをぶつけてみたのが、上記の会話です。
なんとも表現しにくい深いところから溢れ出る想いやり、優しさ、一生懸命さ、時間や力の注ぎ方、、、全てにおいて僕にはできないレベル感で、子供と関わっている。
僕は妻からは、そう感じることがあります。
僕なりに一生懸命、将来のことを考えたり、必要なことを教えたり、遊んだり、叱ったり…試行錯誤しながら、子供の成長を考えながら子育てをしているつもりです。
でも、、、妻ほどの熱量で子供に関わることは、僕にとっては至難の業。
これで大丈夫か自分…って思うわけですが、妻はこう言いました。
やっぱり命がけで出産したっていうのは、大きいと思う。
この事実と感覚は一致する。
不思議と説得力がありました。。。
仕事も同じではないか
妻との話で得たことがあります。それは、
人は自ら必死の想いで生み出した、形づくった何かには対しては、
自分事となり必死になれるのではないか?
ということです。
そして僕の過去の仕事のことを思い出しました。
これまでの仕事は、自分なりに一生懸命やっていました。好きな仕事をしていた時は、夜中まで時間も気にせず、曜日も関係なく、とにかくガムシャラにやってました。お客様のためになるのであれば。そんな想いでした。
周囲からしたら自分事のように、必死に見えていたかもしれません。ぶっちゃけ、僕自身はそうなっていると思っていました。
でも、、、今の僕の感覚からすると、まだまだ自分事として必死さが足りていなかったと思います。妻との会話でいうところの、息子に対する関わり度合いの感覚です。他人事ではない。親身ではある。時間もお金も惜しまない。
でも、妻のように子供を愛するような、深い部分から来る必死さを持って、命がけで仕事をしていたか?と言われると、答えはNoなんです。
恐らく、社長にはその深さがないことは伝わっていたと思います。自分のように必死になっていないと。責任感がないと。自分事になっていないと。
今思うと、僕に一生懸命になってくれた社長は、そのくらいの気持ちで仕事に取り組むことが大切なんだと伝えたかったのかも、と感じています。
ただ、それは至難の業です。
母親になれ。
そう言っているようなものではないかと、捉えることができます。
僕からすると提供していたサービスや考え方などは、自分で生み出したものではないので、母親のようになんとも表現しにくい深いところから溢れ出る想いやり、優しさ、一生懸命さ、時間や力を注ぐことは、本当に難しいことだなと思うのです。
過去の仕事に対する姿勢を正当化するつもりは全くないのですが、今の僕からすると、こう思っています。
さらに、こう思うには明確な理由があります。
それは、独立をした今の自分は、母親のように必死な想いで自分のビジネスに向き合っていると感じられるからです。
自分事として仕事をしている。そんな実感があります。
毎日、仕事のことお客様のことを考えるのですが、雇われていた時は違う感覚で、それこそ毎日必死になって、自分を顧みずに向き合っている自分がいるのです。
仕事に対して自分事化になるには何が必要なのか?
じゃあ、仕事の自分事化は、独立をしないと実現できないのか?という声が聞こえてきそうですね。
YESとも言えるし、NOとも言える感じがしますが、今の僕自身のビジネスに対する熱量を客観的にみると、仕事に対して自分事になるには、
自ら商品・サービスを考えて、売って買ってもらう
これが本質ではないかと思います。
この体験があれば、自分事として仕事に取り組むことができるようになると考えています。
自分事になってほしい社員に、商品サービス企画から販売まで、全てを任せて、成功体験を積む。
これができたら、任せられた社員は、会社や仕事に対して自分事になる可能性があります。
できれば、消耗品などの小さな出費など、お金に関わる意思決定も任せてみたり、出ていくお金の重さも体験できると、より社長に近い感覚を身につけられるかと思います。
でも、これって、社長からすると簡単なことではないです。
だから、結論として『社長の覚悟次第』なんですね。
社長が願う自分事。レベル感で言えば、母なる愛情を持って仕事に取り組んでほしい。
そう願うことは否定しません。ただ、相手(社員)からすると、それは、相当ハイレベルだと思ってください。その上で、
社員にどのレベル感で自分事になってほしいか。
是非とも、これを考えてみてください。
僕の例になぞらえるのであれば、妻のようなレベルなのか、僕のようなレベルなのか。はたまた、兄弟なのか、親戚なのか…
会社や事業は、社長からすると『愛する我が子』です。
我が子をどのレベル感で愛してほしいのか?
これが明確になると、いいですね。
明確になることで、社員の成長の定義が付けができて、育成の方針や成果、基準に対しての評価など、組織をつくっていくうえで、様々なメリットを享受することができるはずです。
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