V系さくら詩 ~『桜』には名曲しかない説~
J-popには「桜」という名曲が複数存在します。
桜といえば日本。日本の春といえば桜。
桜と名曲は切っても切れない存在です。
というわけで今回は、そんなJ-popperにも聴くに耐えうる
ヴィジュアル系桜ソングをお届けしましょう。
V系にも、いえ、V系だからこそその美しさを表現するのに長けているのだと
少しでもお思い直してくれたら幸いです。
まぁ曲によっては桜が出てこない場合もありますが
春っぽければOKということで。
では早速。
V系の春ソングで打線組んでみた
①hal [ハル] / FANATIC◇CRISIS
一番打者はFANATIC♢CRISIS。
まだ雪が残る景色から始まりますが
タイトルでも示している通り立派な春SONGです。
まぁ桜はおろか花すら出てこないのですが
楽曲の雰囲気からも始まりという感じがして
V系の春の幕開けとしてこちらの楽曲は外せません。
なので一曲目はこちらなのです。
ファナは他にも『冷たい春』『桜ノトキ』『サクラ咲く街で』等
実はわかりやすく桜を提示してる曲もあるのですが
この『hal』に勝てる爽やかさは持ち合わせてないので
この曲しかないのです。
②Perfume / wyse
2番打者はwyse。
どうです、この切なさとポップさ。
いきなり始まる前奏とか同じく雪解けの場面から描く歌詞とか
2番めに聴くにとてもふさわしい位置じゃないでしょうか。
ちゃんと出会いの季節は淡い花で咲き乱れていますし
思い出を吸い込んで散っていきます。
日常をフューチャーし公用の情景を切り取る辺りがwyseらしくもあり
同期音がまた桜の薄紅色を想起させますね。
V系という色眼鏡を無くしたら
良質なポップスだと聴ける一曲ではないでしょうか。
他にも『Flowers』とか春に聴きたい曲ですよね。
③桜舞い散る季節に君が夢見たこと / SINCREA
3番打者はSINCREA。
意外性も持ち合わせながらしっかりと繋ぎの働きもできそうな一曲です。
ちゃんとポップに昇華していますし
V系らしい疾走感も持ち合わせていてまさにV系桜ソングとして良質。
それにしてもkiyo(JanneDaArc)のサウンドプロデュ-スが光っていて
実にきらびやかですね。
シンセの音がいっそう春っぽさを演出しています。
SINCREAとしても『華恋歌』も併せて聴きたくなりますし
FEST VAINQUEURとしても『桜並木の下で』『霞桜』と
桜ライクな楽曲を忘れていません。
④桜 / JanneDaArc
4番は誰がなんと言おうとJanneDaArc。
V系で一番の桜と言ったらジャンヌダルク。
これはもう揺らぎません。文句なしの桜ソングです。
どっしりミディアムながらどこか疾走感もある不思議な編曲で
アルバムの中でも異彩を放っているにも関わらず人気曲に違いありません。
間奏の泣きのピアノがまた切なくて。
解散時期とも重なってその切なさの威力は倍増。
"君"の対象はジャンヌ自体へ移り変わり、今私達の涙腺を刺激するのです。
時期的に言えば『振り向けば』も卒業シーズンにぴったりですし
『Plastic』もこれからの新生活に届けたい詩ですね。
⑤さくら / Raphael
5番は更に勢いをつけるために
ちょっとだけメタリックに疾走してもらいましょう。
やはりV系は、ここで攻撃の手を緩めるわけにはいかないのです。
たしかに少々激しいかもですが
2種類しかない歌メロはメロディアス極振りでとても覚えやすく
私にはポップにさえ聴こえています。
Raphaelは高校生でバンド結成した経緯があるので
『lost graduation』『Teenage~卒業~』と
卒業シーズンに耐えうる楽曲も存在しているのに加え
先日が20歳に至らず逝去したギタリストの誕生日というわけで
その付加価値も含め外せない楽曲となっていますね。
⑥華唄 / DuelJewel
6番はちょっとクセのあるということでDuelJewelに務めてもらいます。
楽曲的にも激しめなので
ちょっとJ-pop好きには聞き苦しいかも知れませんね。
ただし、純粋にかっこいい上に
サビでは「さくらさくら」と日本情緒を忘れず
Aメロ早口部分では数え歌を披露するという個性が爆発した名曲なのです。
この曲の初見キラーっぷりは凄まじくて
自分も人が歌ってたのを聴いて一発で気に入りましたし
同様に人に聞かせて反応の良い楽曲上位に食い込みます。
ただDuelJewelには『桜舞う鋪道』という旅立ちシーズン真っ盛りな曲や
『Will ~andante~』という見送る合唱に最適な楽曲も捨てがたいです。
⑦サクラ / OZWORLD
7番は非常にマニアックなところでOZWORLDを推したいです。
どうです、このレトロな雰囲気と、ダサいとかっこいいの狭間
……いや、むしろちょっとほんとにダサいんですが
そこがまたクセになっていて面白い楽曲じゃありませんか?
歌声がこれまたクセがあって
せっかくのツインボーカルなのに
どっちもあまり明瞭な発音できてない辺りが個性です。
電子音バリバリのデジロックをこの時期から取り入れてる辺り
新しいんだか古いんだかわからない不思議なバンドです。
⑦桜吹雪 / DASEIN
8番は見た目のインパクトが悪い意味で強烈なDASEIN。
ただし奇抜なのはビジュアルのみで
歌唱力と楽曲のキャッチーさはこれまでのV系春ソングの中でも随一。
超ポップなメタリックトランスロックで疾走感もあり
そしてラップもあり、無駄に古語を多用した歌詞と
一曲にどんだけの要素を詰め込むねんという贅沢な一曲です。
そりゃあこの歌唱力を以ってしないと歌いこなせない難曲でもあります。
この曲は(このユニットも)もっと評価されるべき。
⑨ラストレター / Pierrot
最後はどっしりとバラードで締めてもらいましょう。
ちゃんと君の背後に薄紅の花が咲いているので安心して下さい。
なによりこのPVとジャケで十分宵闇に浮かぶ夜桜が想起できるはずです。
いやぁ、美しい。Pierrotの中でも最も好きなアートワークです。
思わず見送りたくなってしまうし、
最初の『hal』への繋がりも自然かと想うので
9番打者としても最適。この位置しかありえませんね。
ちなみにキリトの『Cherry Trees』とコード進行一緒な気がしてるんですが
実際どうなんでしょう。
ベンチ:その他J-pop好きにもオススメできる桜ソング
春色 / Waive
Waiveは普通の邦楽好きに安心して薦められるV系No.1。
ボーカルの歌唱力も随一ですし楽曲のキャッチーさも一級。
プリムローズって歌ってるんで
実は歌詞に出てくる花は桜ではありませんが
楽曲の雰囲気もタイトルも春先に聴くには遜色ないでしょう。
他にも『Dear』や『あの花が咲く頃に』と
この時期に聞きたい楽曲が揃っていてお薦めです。
残り香 / シド
シドもやはり安定の邦楽アピール要員。
季節感のある楽曲も多いのでもちろん桜だって季節に舞います。
この曲シングルなのにPVが上がってないのが残念ですが
ここはライブのほうが歌の巧さが引き立つと評判なので問題ないでしょう。
他にも『ハナビラ』や『Graduation』あたりと併せて聴きたい一曲。
扱ってるシンセも他のV系より、
昔ながらの歌謡曲のような使い方をしている気がしますね。
SAKURAサムネイル / DaizyStripper
こちらも歌詞が近代のスマホ事情に寄り添っておりとてもJ-pop的。
ピアノ主体な楽曲のため
邦楽として聴いても自然に受け入れられるはずです。
やはりドラムが鍵盤楽器も得意としているので
バラードも武器としているのがこのバンドの強み。
極初期の作品である『春めく僕ら』も同じ温度感で聴けるので
キャリアは長いですが楽曲の良さは変わりません。
ドラムの前身バンドのClavierでも『桜恋詩』という楽曲が存在していて
そちらでも美しい旋律が聴けます。
桜 / e.mu
邦楽に真っ向から『桜』という楽曲をシングルで切って挑んだのがe.mu。
なかなかの勇気ですね。そんなに知名度ないのに。
売り出し方がΛuciferの敵役として出自してしまったので
どうしてもその境遇が不遇で、
そういう色目なしに活躍してほしかったバンドです。
ソフヴィ直系の爽やかでいい曲ですよね。
櫻 / 七三式
七三式自体が歌謡志向が強いので
ここはそんなにV系っぽく感じないのではないでしょうか。
それこそシドとかそっち系統。聴き心地もだいぶソフトです。
なんとなくこれが代表曲かなと感じていますが
他の曲も割とこういう方向性なので
ノスタルジックなV系を聴きたければ是非。
SAKURA / A -Anonymous Confederate Ensemble-
とってもクラシカルな桜ソング。
そりゃあヴァイオリニストがバンドメンバーにいるので叙情的です。
ピアノも弾き乱れていてキレイですね。
こういう壮大なバラード好きな人多いはずなのに
V系をフィールドにしてしまったがゆえに
認知されてない不遇なバンド代表です。
もっと評価されればいいのに。
私は事あるごとにこのA(エース)を推していきますよ。
どれか一回は聴いてみて下さい……刺さる人絶対いるはずだから。
平原綾香とか好きそうな人にハマりそうなんだけどなぁ。
夜桜デモクラシー / 紫苑
超絶歌謡曲。ふう、ではなく歌謡曲。
紫苑もこのダサさが大好きなのですが
覚えてる人は今どれだけいるのでしょうか……
一時期はテレビにも出てたんですけどね。
とくにこちらはインディーズの頃のCDに収録されていて
そのチープさは極まっています。
夜桜デモクラシー。どの辺りがデモクラシーなんでしょう。
意味のわからなさ具合が最高。
春麗...。 / バビロン
【ストツー】のキャラ「チュンリー」じゃないですよ。
「はるうらら」です。
バビロンはどうなんですかねぇ……
この曲はポップなんで一般層にも受けそうだと思うんですが。
ただ他の曲が顕著なのですが、音作りがゲーム音楽的なので
アニソン好きには刺さると思ってます。
この曲も早口ですが切な成分は十分感じられると思いますし
バビロン入門としては入りやすい気はしてます。
SEE YOU / 黒夢
いかにも90年代といった具合のカッティングが目立つこちらの楽曲は
下手すれば『BEAMS』よりもポップなんじゃないかなと思ってます。
爽やかな黒夢です。むしろ白いです。灰夢とでも呼びましょうか。
春を愛する人 / GLAY
……ちゃんと灰色を表すバンドがいましたね。失敬。
この曲名ですが歌詞的には全季節を網羅してるので
実は別に春の曲というわけではないんですが
そういうのを抜きにして名曲なのは間違いないです。
むしろGLAYなら
『Way of Difference』『卒業まで、あと少し』『HELLO MY LIFE』
『さくらびと』『春までは』『またここであいましょう』『LAYLA』等
そっちのほうが春っぽいですね。
私の一押しは『THINK ABOUT MY DAUGHTER』です。
Afterword
というわけで"私が好きな"V系春ソング特集でした。
まだまだ存在してますが、とりあえずは調べずばっとでてきたもの優先で。
実はこのあと"ファーム"とか称して
いかにもV系っぽい桜ソングを挙げていたのですが
書いてるうちに7000文字に達してしまったので
ごっそりその部分削りました。
ここに上がってない曲を「一般人には薦められないV系桜ソング」として
後日、近いうちに更新しますね。現時点で12曲ほどストック。
どうでしょう。
ビジュアル系もやっぱり日本人がやってるバンドです。
日本情緒を重んじる楽曲が多いことを認知してもらえたでしょうか。
雪と春を特集したんで当然夏もやると思いますが
個人的な嗜好で夏っぽい曲ってあんまり好きな曲多くないんですよね……
まぁそのとき考えよう。
次回の更新は4/10(日)になります。
先週ちょっと仕事で感じたこと
(以前にもかいた記事の続編的なもの)になる予定です。
前職の裏話多めなので辞めとくかも知れませんが。
それこそ今回の画像はその仕事中に撮ったものです。
よしなに。