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アニソンは作曲家で聴け!♯14「草野華余子」(アニサマ2023, LiSA)
本日より3日間、アニソンの祭典であるアニサマ2023が開催されます。
というかこれを書いているときすでに開催されています。
今年のテーマ曲は『heartbeat-axelator』。
爽やかだった前作とは打って変わってパッショナブルでかっこいい楽曲。
こちらを作成したのが、あの、草野華余子なのです!
LiSAと草野華余子
まず彼女が名前を挙げたのが、
2019年に記録的な大ヒットを飛ばしたアニメ【鬼滅の刃】。
紅蓮華 / LiSA
思い出を想起させるように穏やかなオケに早口なメロディが乗るAメロと
その溜めた感情を一気に解放するサビが印象的で
2019年最大のヒット曲になったと言えるでしょう。
LiSAの知名度もアニソンの枠を超えて一般層にまで広まり紅白にまで出場。
同時に作曲者である草野華余子にも注目が集まりだした年でもあります。
この功績はLiSAと草野華余子の最高の化学反応……ともいえるかもしれませんが、この組み合わせはこの曲が初めてというわけではありません。
むしろ長年のタッグが紡いだ集大成といったほうがしっくりくるでしょう。
DOCTOR / LiSA
2ndアルバム「LANDSCAPE」収録。
こちらが正真正銘、初のタッグとなる草野華余子提供楽曲。
アルバムの中の一曲ということでかなり遊びのある曲になっています。
ガチャガチャとしたデジタルポップロックでそこがカヨコ節。
ポーカーフェイス / LiSA
『Rising Hope』カップリング。
それまでのLiSA楽曲のイメージに全く背かないロック楽曲です。
表題曲がちょっと変化球的なこともあり、ストレートな印象を受けますね。
こちらがシングルでもおかしくないキャッチーさ。
シルシ / LiSA
【ソードアート・オンラインⅡ《マザーズ・ロザリオ》編】エンディング。
繊細なオケに力強い歌唱が乗る、
LiSAにしては珍しい抒情的な壮大なバラード楽曲。
LiSA×草野華余子で初めてのシングル・タイアップ楽曲となります。
この3つを並べるだけで草野華余子のレパートリーが光りますね。
以降、オリジナルアルバムでは必ずクレジットされる
恒例の作曲家となります。
蜜 / LiSA
3rdアルバム「Lancher」収録。
ピアノが印象的な鍵盤ロックで、
ロック調ながらちょっとあやしい雰囲気のちょっと大人な楽曲。
『シルシ』との落差がすごい。
the end of my world / LiSA
4thアルバム「LiTTLE DEViL PARADE」収録。
ヘヴィめなロックでギターサウンドが激しい一曲。
仲がいいのか相性がいいのかこの堀江晶太編曲との組み合わせが多く
こちらはどちらかといえば堀江の色が濃く出ている楽曲ですね。
Thrill, Risk, Heartless / LiSA
【ソードアート・オンライン フェイタル・バレット】主題歌。
LiSAといえば!というど真ん中のこの曲調。それもそのはず、
田淵智也×草野華余子×堀江晶太というLiSA楽曲作成での鉄壁の布陣。
ソリッドな耳辺りにテンポよすぎる歌詞が心地いいです。
ADAMAS / LiSA
【ソードアート・オンライン アリシゼーション】オープニングテーマ。
スリリングなイントロと小気味いい単語が耳を劈くキャッチーな一曲。
こんなに「ダイヤモンド」という言葉がかっこよく響く楽曲はそうないでしょう。
そしてこの曲の後に、ようやく『紅蓮華』がきます。
これまでも私の中ではよく名前を見かけるなぁという存在でしたが
以降いっきに提供曲が増えていきました。
元々はシンガーソングライター
主にLiSAへの楽曲提供で名を挙げた彼女ですが、
実はすでにソロでデビューしていたアーティストでした。
LOVE IS BAD COMEDY! / カヨコ
まぎれもなくLiSAサウンドではないか!
これはLiSAの楽曲提供に選ばれる経緯が非常にわかりやすい例ですね。
容易にLiSAの歌声が想像できます。
シンガーソングライターでこの勢いは珍しい部類じゃないでしょうか。
春と呼ぶにはまだ肌寒い / カヨコ
こちらはシンガーソングライターらしいロックバラード。
それでもやはり提供曲に通じるキャッチーさを感じますね。
歌声は全然違いますが強弱のつけ方とかニュアンスとか
元の歌い方がもうLiSAの歌い方に共通項がある感じがします。
そりゃ相性良いわけだ。
Trigger / 草野華余子
カヨコから草野華余子名義に変わったのを経ての楽曲。
この3曲を並べて聴いてると天野月子味を感じますね。
アコースティックとエレキの使い方のバランスとか。
力強い発声も影響受けてそうです。
最後のページは開かずに / 草野華余子
楽曲提供を続ける傍らでも自身の活動は止めません。
むしろ『紅蓮華』のヒットで加速させたようなイメージさえあります。
こちらでは提供曲では見られないストーリー仕立ての歌詞が染みます。
こういうの好きだなぁ。詞先ともとれるメロディラインもきれい。
断線 / 草野華余子
現在YouTubeで確認できる最新曲がこちら。
ボカロ曲をも思わすメッセージ性の高い楽曲。
こういうのをパっと出せるのがシンガーソングライターの強み。
愛だ恋だ歌う歌詞よりもこういう毒吐き捨てる系のほうが好みです。
これまでの提供遍歴
もちろん楽曲提供はLiSAにのみしていたわけではありません。
というわけでここからは一部のみですが提供された楽曲を紹介します。
シグナル / 三澤紗千香
上記の自身歌唱曲を経て聴くととてもカヨコ節を感じる一曲。
シリアスなアコースティックバラードで情景描写が多いので
あまり"提供曲"という感じがしなく自然。
ボーカルが三澤紗千香ということで柔らかくなっていますね。
COLORFUL BOX / 石田燿子
宝箱-TREASURE BOX- / 奥井雅美
【SHIROBAKO】オープニングテーマ。
私がカヨコ名義を意識した初めての楽曲でもあります。
これぞ楽曲提供!……というのも、こんなにポップでキャッチーな楽曲、
自身歌唱曲では存在してなかったでしょう?笑
アニメが非常におもしろかったので、
当然そこに起用されている楽曲は注目します。
「あれ、カヨコって、LiSAのとこにいた人と同一人物?」
最初は当然一致しませんでした。でも、事実なのです。
こういうのを辿れるのが醍醐味なのです。
村人A / ピコ
こちらはLiSA提供曲に通じるかっこよさを全開にした楽曲。
編曲も堀江晶太なのでもうそのまんまです。
ピコはこのとき楽曲制作の半身だった相方を亡くしており、
おそらくSONYとの契約も危ぶまれていて
今後の活動はどうするんだろうと思っていた矢先のシングルでした。
それが詰まってるように感じる歌詞が切ない。
次元の果てまで恋せよ乙女 / マヤ(CV.水瀬いのり)&エリカ(CV.伊波杏樹)
ショートアニメ【アニメガタリ】テーマ曲。
それがどういう映像作品なのかは知らないんですが
とりあえず有り余る好きな作品への情熱が溢れまくってる電波曲。
こんなのも作れるんですね。
疾走感ある早口な楽曲の派生と思えば通じるのでしょうか。
スリルを頂戴 / Fairy 4pril
【バンドやろうぜ!】ゲーム内バンド・Fairy 4prilの楽曲。
ピコに続いて蒼井翔太という中性的なボーカルが乗るロックポップ曲です。
この楽曲の面白さは作曲のカヨコではなく作詞の分島花音かもしれません。
不思議な化学反応ですね。この組み合わせはここでしか見れないはず。
フォーチュンナンバー0405 / 姫柊雪菜(CV.種田梨沙)
【ストライク・ザ・ブラッド】イメージソング。
恋心っぽいなにかをストレートに表現した楽曲でとってもポップです。
奇をてらわないラブソングも書けるのかと感心します。
このミニアルバム、作曲家の選出が独特で面白いんですよね。
縁 / 堀川国広(CV.榎木淳弥), 和泉守兼定(CV.木村良平)
【活撃 刀剣乱舞】イメージソング。
『紅蓮華』も思わす和風シンフォニックロック。どえらいかっこいいです。
アニメも見ていたのでこの二人の関係性も知っていますし
その相乗効果で熱く滾る美しい楽曲ですね。
meteor bell / Luce Twinkle Wink☆
【うらら迷路帖】主題歌のカップリング。
のちにアイドルをプロデュースする草野華余子ですが
もしかしたらそのきっかけになった楽曲。いや、知りませんが。
ただ女性アイドルグループへの提供はこちらが最初。
系統としては「SHIROBAKO」提供曲で見せたポップ寄りです。
FLS / 東城陽奏
結構不思議な組み合わせですが
なんとなく事務所がロックアニソン歌手として売り出そうとしていた形跡があるので、そこを狙っての起用かなという予想。
かっこいい鍵盤ロック。これは手放しで大好きな曲調です。
nameless story / 岸田教団&THE明星ロケッツ
幻想に咲いた花 / 岸田教団&THE明星ロケッツ×草野華余子
前者は【とある科学の超電磁砲T】エンディングテーマ。
岸田教団のボーカルのichigoが
そもそも草野華余子と非常によく似た歌い方で違和感皆無。
どっちも椎名林檎味があるというか。
そしてまさか当方アレンジまで手掛けるとはね。面白い企画でした。
Bursty Greedy Spider / 鈴木このみ
【蜘蛛ですが、なにか?】後期オープニングテーマ。
鈴木このみにもこれまでも何曲か楽曲提供してた末にようやく表題曲・タイアップに起用。待望ですよ!
鈴木このみほどの歌唱力ならカヨコロック楽曲も乗りこなせるというもんです。でもやっぱりちょっとLiSAっぽくなりますね。笑
たゆたえ、七色 / ARCANA PROJECT
とめどない潮騒に僕たちは何を歌うだろうか / ARCANA PROJECT
【白い砂のアクアトープ】オープニング2種。
壮大な物語にふさわしいシンフォニックポップ。
ここでも田淵智也×草野華余子×堀江晶太という布陣。どんだけ仲いいんだ。
3人ともアイドルプロジェクトに明るいのでお手の物ですね。
月海の揺り籠 / Mia REGINA
新月のダ・カーポ / 相沢梨紗
【白い砂のアクアトープ】エンディングテーマ2種。
草野華余子にしてはめずらしいと感じるシンフォニックバラード。
ちょっとElements Gardenっぽいなと思ったら
編曲が元Elements Gardenの中山真斗でした。納得!
蒼の鼓動 / May'n
アニソンではありませんが。笑 中日ドラゴンズ応援ソング。
これぞ草野華余子節というLiSA系ロックで王道。
アニサマ2023テーマソングでもそうなんですが、
これまでの歴史を歌詞に入れ込むのが上手いですね。
こちらもこれまでのドラゴンズのスローガンが盛り込まれています。
一番光れ!-ブッチギレ- / 西川貴教
【ブッチギレ!】オープニングテーマ。
令和版タイアップアニメのタイトルを叫ぶアニソン。
出会う前から西川貴教に楽曲提供したいと考えていたらしいです。
そのエピソード込みで熱いコラボですね。
アニメも好きだったので満足です。
あのバンド / 結束バンド
そして記憶にも新しい【ぼっち・ざ・ろっく】劇中歌です。
作中にてむちゃくちゃ印象的な場面で使われており
ある意味で本作品の象徴的な楽曲ともいえるでしょう。
元々原作漫画に登場している曲名ということで
どう着想したのか気になります。天才か!
これは提供曲というよりも、
自身のシンガーソングライターとしての側面が強く感じる楽曲ですね。
Afterword
そして現在最新の提供曲はおそらく夏川椎菜の『ユエニ』。
どうしてもカヨコより先にLiSAを聴いてるので
彼女の曲は「LiSAぽい」と形容したくなってしまいますね。
自身歌唱の楽曲もそんなに提供曲と大差はなくロック然としてるので
その違和感のなさが素晴らしい組み合わせだと思います。
出会うべくして出会ったというか。
セルフカバーしても全く違和感ないと思います。LiSA曲は。
提供先は完全にレーベルメイトへといった印象ですね。
そんなに突飛なところがないというか。当然かもしれませんが。
まぁコンペ等で落選したとしても
自分で歌えばいいという保険もあるので強いですね。
捨て曲が生まれにくいいい循環。
もちろんタイアップはタイアップ先に準じたメッセージ性を孕んでるので
本質的なものは草野華余子名義のもののほうが強いでしょう。
そして、アニソン作曲者・シンガーソングライターに続く第3の肩書、
アイドルプロデューサーとしても始動しました。
ファンとしては楽曲を聴ける機会が増える喜ばしい出来事ですね。
これからもいろんな楽曲を聴けることを楽しみにしています!
次回はここで紹介したついでに堀江晶太を取り上げましょうかね。
しないかもですが。
尚、このシリーズは #アニソンは作曲家で聴け で全て読めます。
では本日はこのへんで。よしなに。
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