【歌詞解釈】小松未歩の『青い空に出逢えた』を本気出して青春と郷愁に浸してみた
毎月恒例、考察という域を超えて妄想をお届けするシリーズの第6弾。
小松未歩の1曲だけで1時間話すという企画の一環として執筆する、
下書きというかカンペとなります。
「小松未歩の~」とは書きましたが実際はセルフカバーで
本来は辻尾有紗のデビューシングルとして書き下ろされた楽曲です。
ただ、辻尾さんはそれ以来まったく音楽活動をしていませんし
タイアップ先であるアニメもまったく見ておらず
原曲を聴く機会はほぼなかったので
正直"小松未歩のアルバム曲"として以外の印象は
抱いていなかったりもします。
ボーカルも完全に小松未歩っぽく歌ってるし、
聴き比べてもほとんど印象変わらないしなぁ。
そんな『青い空に出逢えた』。
私がどのように解釈しているかと申しますと――
小松未歩はアニメタイアップにめっちゃ準じる説
まずは私の中で彼女は、アニメタイアップのある楽曲の歌詞は
かなりアニメの内容を意識していることを大前提としています。
【名探偵コナン】での『謎』
「あぁ、謎が溶けてゆく~」だったり
【遊戯王】での『渇いた叫び』
「闇がもうひとりの自分を作る」だったり。
よって、この曲もきっと
映像で描かれている少女の心情を反映しているものかなと思っています。
きっと主人公のことを想い、
そいつは少年漫画のトップ張るくらいなんだから
大層な夢も持ち合わせているでしょう。
それを普遍的な言葉で表現して
普通にファンが聴いても成り立つ様に描いているはず。
ただ、私は前述の通り、『中華一番』の内容を知りません。
全く、知りません。
なので多分に妄想が含まれていることを予めご了承くださいませ。
始まりは雨上がりの情景
……と、長々と前フリを書いてはみたものの
実はこの楽曲の私の解釈は写実的で
かなり文字通り捉えています。
出だしから「今日は」と言っているので
それまではしばらくあなたに会えていなかったと推測できます。
信号待つのすらもどかしいご様子。
賑わっていなかった街がようやく元の活気を戻したかのような言い方。
つまり雨上がり。絶好のあなたに会う日和です。
頬で風を感じる辺り、泣いてたんかな?とすら思えます。
天使の梯子。よく使われる言葉ではありますね。
これもそのまんま解釈。
空のあちこちから陽が差すのを見つけ
よっしゃ外へ繰り出そう!と意気込んでいるのがわかります。
晴れ間が覗くことをわざわざ「天使の梯子たち」と表現した上で
「腕を伸ばし」「静かに乗り」と続ける辺りが詩人ですねぇ。
こういう比喩表現のしかた、大好きです。
雨が上がり、雲が裂け、そして
青い空が見えます。完璧。
一点の滞りもない素晴らしい情景描写です。
おまけに虹も掛けちゃいました。
傘じゃなく信号をくぐり抜けて、ついでに虹もくぐっちゃおうって?
それだけ浮足立っているんでしょうね。
一緒に虹を見てるということは同じ方向を見ているということ。
虹は架け橋ともよく言い換えられるので
「方向」を「みち」と読ませるのも実に自然。
もう怖いくらい日本語の表現の美しさがかっちりとハマった
素晴らしい比喩表現ですよね。
よってここまでは、あなたに会えるまでの道中で
実際の青い空に出会えたという解釈となります。
1番と2番の間にあるミッシングリンク
さて、しばしファンの中でこの楽曲を語らう際に決まって出る疑問。
それが、2番から香る唐突な悲しみの匂い。
ご覧の通り、私も1番は手放しで前向きっぽい感想です。
ですが、私はここにストーリーがもう一つ挟まっていると思ってまして。
というのも、まだこの曲に聴き慣れていない頃
この曲を頭の中で再生しようとすると
「青い空~に出逢↑えた~ あれーから どれーくらいの・・」
と謎に歌い間違えることが多かったのです。
うん、なんかこの曲、『君がいない夏』に似てね?
超シンプルなAメロから始まり
サビで一気に開放感をともなう盛り上がり
……の割にマイナーで切ないメロディ運び。
なんだか前向きな言葉を並べてるくせに
むっちゃ内容は後ろ向きやん、的な。
どっちも夏って言ってるし。
これはもしや、同じ情景なのでは?
と妄想するのに充分過ぎる要素を感じてしまいました。
私は『君がいない夏』は
幼少期共に過ごしていた故郷の、
もしくは親戚んちにでも行ったときにいつも会っていたけど
上京だかなんだかしてもう会わなくなった
その誰かとの想い出を回想している楽曲だと解釈しています。
よって、私は
『君がいない夏』の"君"が『青い空に出逢えた』の主人公だと
勝手につなげてしまいました。
つまり――
2番はそんな回想シーンを挟んだ上で展開。
ただ単にデートとかそういうのに向かっているわけではないんだろうな
と感じました。
「少しズレ」たのは
このままずっと一緒に居られると思い込んでいた自分と
自然と違う道を選ぶだろうと思っていた相手との感覚。
「雑踏に紛れた」とあたかも外的要因で引き離された表現は
その違いを浮き彫りにしてしまったということ。
特にここの歌詞が『君がいない夏』と被るんですよね。
もしかしたらどっちも同じ主人公と解釈することも可能かもしれません。
青い空、と出てくるのでここで視点は現在へ回帰。
そんなモヤっとしていた感情も、
ピーカンの青空見てたら晴れてくみたいです。
まぁさすがにここは強がりかもしれませんが。
日本語って難しくて。
この言い方だと複数の意味に取れてしまうんですよね。
私はここは
あなたの夢と私の夢は違うからついていかなかった
ではなく
夢へ向かうあなたの速度から振り落とされた、
つまり脱落したというように捉えています。
漫画とかでよく聞く
勇気振り絞って告白したら「君にはもっとふさわしい人がいるよ」
っていわれる、女子からしたら超イラっとするけど
男子からしたらそう云うしかないじゃん案件。
それ。
笑顔だけは忘れないでと言ってるのにそれと会う日が寂しいってどういうこと?
そして大サビからラスサビにかけて
この楽曲の最大の議題がここで提示されます。
え??!?
胸が痛いとか少しズレたとか滲むとかあなたを感じていたかったとか
マイナス感情を抱えに抱えたのにも関わらず
それでも全力で出した前向きな答え、
一個だけ譲れない物といっても過言ではない
「忘れないでその笑顔だけは」!!
その笑顔が好きだったんでしょ!?
笑顔であることを望んだんでしょ!?
てめぇが言ったんだぜ!?
だのにそれに会えるのが「寂しい」ってどういうことなん!???
楽しいですね。
ほんとにこの一文で何巡もの憶測を呼べるんですよ小松未歩信者は。
ヒントはこれまでの歌詞全体に滲んでいます。
まず、冒頭は「あなたに会いに行くわ」と言っています。
どうやら他の単語から察するに、「しばらく会っていない」。
そして私の解釈だと
付き合っていたかどうかは別として仲は良かった様子。
ただ「雑踏に紛れた」あなたをどこかで見失っている。
でも過去は確かに「同じ方向を見つめていた」。
でも現在は「それぞれ違う道を歩いている」。
そして「歩き出した二人」が見える位置に自分がいる。
導き出した答えは――
たぶん結婚式か何かの招待状を受け取って
久しぶりに愛しいと思っていた笑顔に出会えたのでしょう。
でもそれはすでに違う人へ向けられていて
その事実が少し寂しい。
でもやっぱり笑顔は素敵だと再確認。なんて眩しいんだろう。
それこそ、まるで世界にあまねく青い空のような。
「今日の果てには何があるの?」その答えは……
Afterword
と、このように「さいごの砦」の再来、
結婚式ネタで私の妄想は終わります。
今回は祝う側でしたが。
ただ単に振られましたーで終わらせたくなくて
ドラマティクに仕立てた感は否めませんけどね。
また、『君がいない夏』は死別の楽曲とも捉えられるので
なくなった彼女視点という妄想も出来ます。
Gacktの『Missing』的な解釈ですね。
死して尚あなたの幸せを望みます、的な。
もしくはそもそも『青い空に出逢えた』自体を死別にも出来ます。
これはどちらかといえば自決型かな。
天使たちのはしごをガチで登ってしまったパターンですね。
青い空に出会っちゃったかぁ……
そうすると2番が超怖くなってホラーになります。
そんな感じで。
自分好みのストーリーに仕立てて歌詞の拡大妄想遊び、
面白いですよ。
ぜひ皆さんもお試しあれ!
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最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!