V系さくら詩Ⅱ ~ダーク&ハードでメロディアスな『桜』ソング~
こちらの記事はもともと別の記事に張り付いていたものです。
J-popには「桜」という名曲が複数存在します。
桜といえば日本。日本の春といえば桜。
桜と名曲は切っても切れない存在ですが
今回紹介するのは、ちょっと一般の方に勧めるには
歌声だったり楽曲の雰囲気だったりで
何らかのハードルがあるヴィジュアル系桜ソングです。
もちろんこちらのほうが好きだという層は一定数いると思うんですけどね。
V系にも、いえ、V系だからこそその美しさを表現するのに長けているのだと
少しでも思い直してくれたら幸いです。
では早速。
桜花爛漫 / Kagrra,
ちょっと和風に向きすぎているのでここに置いておりますが
この疾走感とメロディアスさは割と万人にも受けそうかなと思ってます。
……いや、ボーカルがいかにもV系っぽいナヨさが残るので
やっぱりこの枠が丁度いいのかな。
ただでさえ和風なコンセプトありきのバンドなので
ぶっちゃけどの曲も春っぽくはあるんですけどね。
桜花咲きそめにけり / D
一般層には到底聴かせられない代表、D。
この女形ビジュアル(PV)から野太い声ってのも
もしかしたら拒否反応出す人がいるかも知れません。
個人的には普段から聞き慣れている声なのでなんの違和感もありませんし
和風ロック大好物なのでこの方向性になんの嫌悪感もありません。
故に、この曲も大好きです。
サクラアンダーグラウンド / heidi.
激しく重たくも華やかな一曲。
琴のアクセントがサビ前に入るくらいでまっとうにロックサウンドですね。
普段歌謡っぽく仕上げるheidi.にしては
珍しくストレートな表現な気もします。
というか最近はいつの間にか英語タイトルも解禁して
(※それまでは漢字かカタカナのタイトルしかなかった)
変革を図ったというべきでしょうか。
元々メロディ自体に侘び寂びがある風情だったので
こうして骨太サウンドをやっても普通にかっこいいですね。
歓迎したい変換期です。
薄紅と雨 / 12012
いきなりシャウトから入るのでJ-popバイバイではありますが
サウンドがソリッドでかっこよく
12012らしいメロディアスさも含有した良曲。
12012は時期によってはポップに寄ったりラウドに振ったりしてますが
このくらいのバランスが個人的には好みです。
闇ニ散ル桜 / Alice Nine
上述しているKaggra,は和風の呪縛から逃れられなかったのですが
英語表記にしてその縛りから開放され
今尚活動を続けているのがアリス九號。
このタイトルやPVのヴィジュアルほどダークに感じないのは
伸びやかなボーカルの為せる技でしょうか。
わりとポップに聴こえます。
歌詞以外別に春っぽくも桜っぽくもないんですけどね。
超個人的に、中盤の煽りパートがなければ大好きな曲。
「ヴォーイ」ってとこ要る?笑
アンジャベル / ムック
とてもディスコティックに浮かれてる感じのする桜ソング。
徐々にデジタルへ傾倒し始める時期のムックだったので
現在俯瞰して見るとこの曲はもろにその過渡期にあたる作風ですね。
四七抜きのサビがとっても和風。和風ディスコです。
桜や華やかさに寄せた歌詞が強かったので今回こちらを挙げてみましたが
ものすごいポジパン寄りな『夕紅』も捨てがたいです。
音楽性すげー広くなりましたよね、ムックは。
個人的には受け入れたい方向性です。
瞞し / the GazzetE
ガゼットは季節感ある楽曲はないのですが
こちらは一応叙情的な歌詞で世界観は統一されており
なんらかの猟奇的感情を桜の花に寄せています。
まぁあまりに自己完結しているメンヘラ臭が
この時期のガゼの歌詞全般に伺えます。
一応他にも『VACANT』とか『十四歳のナイフ』にも桜が出てきますが
やっぱりあくまで装飾的な意味合いしか含まれていないですね。
『飼育れた春、変われぬ春』『春ニ散リケリ、身ハ枯レルデゴザイマス。』
も別に春っぽくはないです。
我輩ハ、殺女成り… / ヴィドール
猟奇的な感情に勝てなかったのがこちら。
タイトルはふざけてますが、
楽曲自体はポップロックでメロディアスでかっこいいです。
歌詞も聴いてるだけなら真っ当なラブソングに聴こえるので
ほんとに聴く分には普通なのですが、
歌詞カードを見るとルビでごまかしてるだけで
タイトル通りのヤバい内容ということがわかりますけどね。
刑務所から見える桜に想いを馳せられてもねぇ……
304号室、白死の桜 / Dir en grey
こっちは病室から見える桜です。
個人的には大好きな曲ですが
「V系で桜ソングといえば?」で曲名を挙げたくない楽曲NO.1。
おどろおどろしく
歌詞的にも核心は桜にないし季節感もないですしね。
ただ、雰囲気といい、歌詞の内容といい
病的でかっこいい曲。これぞV系。アルバムの中でも一番好きかも。
だから普通の人には薦めません。
予感 / L'Arc~en~Ciel
同じく「V系の春ソングといえば?」で挙げにくい楽曲がこちら。
歌詞に、しかもサビで「春」とは連呼してますが
楽曲自体には特に季節感は感じませんよね。
『snowdrop』とか『flower』のほうが春っぽいです。
ただ楽曲的にはラルクの中でもかなり好きな曲に違いありません。
初期特有の白系Vロックの範疇ですし且つ疾走感あるアレンジが最高。
ベースラインとかどうなってんねん。
華談 / ナイトメア
上記同様サウンド的には香っていないものの
歌詞では桜満開なのがナイトメア。
メロディアスに疾走するのでV系が好きな人であれば
何も違和感なく受け入れられる良曲です。
この頃はまだちょっとLuinspearっぽくありますよね。
そっちには『さくら~絶望の悲愁華~』という楽曲がありまして
ちゃんと春っぽいです。
桜 / MASK
MASKは歌い方がもう喉声V系なのでこっちに入れるしかないですね。
この曲はまだ聞きやすい方ですが。
この曲、個人的にはMASKで数少ない好きな曲なんですが
このコンセプト楽曲でPVがライブ映像というのがちょっと残念ポイント。
もっと叙事的に仕上げていればもっと推せるんだけどな。
春咲センチメンタル / Plastic tree
そういう意味ではプラツリはお見事。
ここ毎回PVが楽曲に似合っていて、V系らしいこだわりが感じられます。
やはりキャリアを重ねられるバンドというのはその辺しっかりしています。
音楽性も独自性を貫いていて、唯一無二のボーカルがまた個性的。
個人的な好みは置いといて、ここに似てるバンドって居ないですよね。
櫻 / NoGoD
逆に見た目が個性的なのにまっとうな音楽を続けているのがNoGoD。
この曲もかっこいいですねぇ。
歌詞以外に桜要素は見当たらないんですが。
パワーメタルやってるバンドって
やっぱりどの曲も聴き心地が似ちゃうんですよね。
でもやっぱりわかりやすく好きです。
演奏力も歌唱力も安定感抜群ですし。
EVER / ViViD
ボーカルの伸びやかな声を生かした穏やかなバラード。
ド頭から桜が登場し別れの季節全開。切なさの炸裂する曲です。
ViViDは他の曲のほうが好きすぎるので
この曲自体にあまり思い入れはないのですが
こうして桜ソングとして聴くと普通に良い曲ですね。
こうやって自分で隠してしまってた曲に再会できるのも
企画して執筆してみる醍醐味かもです。
SAKURA ソラロイド / A&D
声量を持て余してるバンド、A&D。
なかなかインパクトのある歌声だと想うんですが
ラウド系に寄りたいのかオシャレ系に寄りたいのか
微妙に中途半端なんですよねぇ。
この曲はSAKURAということでアンカフェに聴き心地が近いです。
それこそ『Cherry咲く勇気』と併せて聴きたい一曲ですね。
あの曲、ラップ部分が好きじゃないんであえて貼りませんが。
SAKURA / 戦国時代-The age of civil wars-
このバンド知ってる人どれだけいるんでしょう。
JURASSICやSIAM SHADEファンでも知ってる人少ないんじゃなかろうか。
SIAM SHADEなサウンドにSIAM SHADEの後輩がボーカルをとる
コンセプト的に和風の入ったSIAM SHADEな音楽性で
個人的には大好きなのでもっと評価されるべき。
……いや、もっと認知されるべき。
多分バンド名が悪いんだと思います。
そもそもバンド名だと気づかれて無い説。
桜サクラメント / DIAURA
ラストは理想的なヴィジュアル系桜ソングであるこちら。
バッチリ春っぽい旋律でありながらV系の艶を共存させており
私がV系に期待する「さくら」を100%表現してくれています。
ボーカルが古き良きV系のソレでしかないため一般層には薦められませんが
この曲自体はとても日本人好みのメロディしてると思うので
もしクセの強い歌声に抵抗がなければ聴いてみて下さい。
Afterword
というわけでヴィジュアル色満開の桜ソングでした。
個人的推し曲が見出しになっています。
思いつく限り書いてみたのですが
他にもこれあるよ!って方、是非教えて下さい。
できればちゃんと春っぽい曲であれば嬉しいな。
あんまギャウギャウ叫んでる曲は好きじゃないので。笑
次回の更新は4/14(木)になります。
エッセイを書きたい気分なのでそれになるかな。
気分なだけで替わるかもですが。
あと帰りが遅くなるので日付変わるくらいの更新で。
よしなに。