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名は体を表すので自分で付けさせて下さい。

慎太郎「名は体を表す!!!」


達也「……え、何?急に。」


慎太郎「どうやらモノの性質ってのは名前によって何となく決まっちゃうらしいんだよ。」


達也「まっさかー。」


慎太郎「空はさ、『ソラ』って感じがするだろ?こう広がってる感じの。壁はさ、『カベ』って感じがするだろ?ごつい感じ。」


達也「『ソラ』!!……確かに何となくそんな感じがするかもしれないけども。」


慎太郎「お前はさ、達也なわけじゃん。達也って聞いたらさ、何となく身長は175cm以上はあって、高校時代はスポーツをやってた気のいいヤツって感じがするのよ。あと結構堂々としてる。」


達也「そうか〜?」


慎太郎「……ホラ。今だって反論の余地があったのに『そうか?』の一言で済ませるのは自信がある証拠だろ!やっぱりお前は達也だったか。」


達也「やっぱりって何だよ笑じゃあ、『慎太郎』はどういうイメージなんだよ。」


慎太郎「慎太郎は鈍臭い、デブ、鼻が低い、小学校の頃のあだ名は大将って感じがする。」


達也「意味が分からないよ。」


慎太郎「逆に考えてみろよ。お前が漫画家で高身長爽やかイケメンキャラの名前を慎太郎には絶対しないだろ?」


達也「あ、一瞬で理解したわ。絶対涼太とか翔とか付けるわ。」


慎太郎「その逆が 起きているんだよ 現代で。」


達也「急に575。」


慎太郎「だから改名しようと思う。」


達也「前フリ長かったけど要はそういう事ね。」



隼人「オハヨ」


達也「おはよ……あれ?もしかして慎太郎?」


隼人「ちげーよ。元、な。今は隼人だからオレ。」


ざわざわ…


夢子「見て見て、隼人センパイだ」

明美「今日もチョー決まってるんですけど、ヤバぁ…」


隼人「ちっ、ったくめんどいな……。こっち見てんじゃねぇヨ。」


春香「キャアアアア!!隼人センパイがこっち向いた!!」

莉子「絶対今目合った!ヤバい今日マジでヤバい!!」


隼人「はぁ〜…だから学校とか来たくねんだよな。わり、何の話だっけ?」


達也「いやすげえな。」


隼人「何が?」


達也「キャラ変わりすぎだろ。というか周りも何?そんな急に人気出るか?女子のバリエーションも多すぎだろ二度と出番ないのに。」


隼人「ハハハ、何嫉妬してんだよ笑」


達也の髪の毛をクシャッとしてからかうような笑みを浮かべる。朝練後なのだろうか、デオドラントペーパーと男の汗の入り交じった香りがする。


達也「この地の文も何?そもそもお前はボードゲーム部だろ。」


隼人「ったく。なーに理屈っぽいこと言ってんだよ達也。らしくねーじゃん。そんなんじゃまるで『慎太郎』って名前のやつみたいだぞ。」


慎太郎「慎太郎はお前だろう!」


慎太郎「……あれ?」


涼太「隼人〜、何してんだよコッチ来て皆と喋ろうぜ」


隼人「今行くー。じゃね、慎太郎クン」


慎太郎「ちょっとまっ…」


明日香「隼人もやさしーよね。オタクくんと話してあげるなんて。」


隼人「ばーか、そんなんじゃねっつの。それよりさ…」


ワイワイガヤガヤ


慎太郎「………え?」


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