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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント⑭
入力デバイス=コントローラーを通しての選択に関して
iモード搭載の携帯電話のスタートから約20年。スマホでの音声入力も当たり前。そんな時代に生きている若者からすれば”ゲームはインタラクティブ・メディアで入力デバイスが重要”と、言われてもピンと来ないかもしれない。彼らにとってはアイコンをタップする事によって、何かの画面遷移が起こる事は、ごく当たり前のことだからです。子供の頃にクレヨンを与えられて絵を描いたのと変わりのない”意思の発動”だと思っています。
(そう言う若者に、テレビのチャンネル切り替えを”アナログの回転デバイスを回す”行為で行ってきた人間が語っていると思うと、なんだかなぁ とは思いますがねぇ。)
なぜ、こんな話からスタートしたかと言えば、アクションゲーム(格闘ゲームやレースゲームを含む)を遊んでいる場合は、入力ボタンと方向キーをデバイスで動かしている意識が伴う(特殊なレーシングコントローラーであっても)からです。これは、多くの場合、自分の入力した結果が、アクションとして画面などの変化に現れるからだと思います。幼少の頃に遊んだ”ボールを転がす、投げる、受け取る”と言った視聴覚と触覚による行動が、直接の結果=リアクションに結びついている場合は、行為の目標や”面白さのポイント”は感覚として理解できるので見出しやすいと思います。(その感覚を、未経験者に共有してもらう事は、たやすくないですが…)
前置きが長くなりましたが、当たり前のようにデジタルベースのRPGやシミュレーションゲームが傍にある状態で育ってきた場合”デバイスによる入力でプログラムを動かしている”と言う意識は少ないと思います。
だからこそゲーム分析を未経験が行う際に、”選択”→”結果表示”は、当たり前の行為と結果であって、特筆すべき魅力に結び付いているとは捉えにくいのだと思います。
しかし、この選択が、実は”結果に向かって選択を繰り返していく行為”と理解していれば ”なぜ、その選択作業が面白いのか?”と考えることが可能になります。この”選択の結果で目指す目標”と”途中結果の面白さ”について思い至れれば、アクション系ゲームではなく思考系ゲームの面白さのポイントに至ることが可能だと思います。
例えば、初期から3DS時代までの『ポケットモンスター』のバトルを考えると”モンスターボールを狙ったところに投げるという直接行動はなく”
モンスターのゲットに必要な考え方は、”ゲットしやすい状態に至るために”
①相手のモンスターの体力を、倒れるギリギリまで削る
②相手が倒れるギリギリの状態を保持するために、相手の特性を考える
③バトルの相性を考えて、相手が倒れるギリギリの状態への攻撃法を考える
④自分のモンスターの編成を考える。編成の変更なども考える
⑤獲得しやすいモンスターボール 戦闘アイテムなども考える
⑥実際に、プレイしながら、攻撃法の仮説の修正を行っていく
と、分解できます。
僕自身が『ポケットモンスター』シリーズのプレイを行う中で一番ワクワクするのは、世界の敵が利用しようとしていたメインポケモン戦や伝説のポケモン戦と言えます。
なぜ、そのバトルなのか?と言えば
*そのポケモンは、自分が長時間育てたポケモン同様にバトルに有用であり
→ゲームクリアへの近道になる
→対人対戦の場合でも重要な戦力になる わけで有り
”価値のあるポケモン”の入手方法であるからです。
様々な文献などでも語られる『ポケットモンスター』の基本コンセプトが”価値のある交換”であることを考えれば、交換によるゲットではなく、ゲーム中で価値のあるポケモンをゲットできる行為は、相当に大きなプレイの目的である。マップの探索と言う”出会い”(および”出会いのためのストーリー進行)”へのコントローラ―を動かしての移動はあるが、重要なバトルを、様々な組み合わせで楽しめるようにしていることは、本当に凄いと思います。と、同時に、国民的な小学生向けソフトのプレイ経験は、多くのゲームクリエイター志望者が保有している物なので、上記の解釈での説明は有効だと思います。
とは言え、思考系ゲームの面白さを簡単に語れるわけではないので、この項目は明日も続けます。明日もよろしく。かつ、コメントやシェア有難うございます。