見出し画像

初老の読書感想文 「死ぬこと以外かすり傷」

激しく、ナイフで心をグサグサと刺された。
「退屈な世界に火を放て」
「ヒーローインタビューを想像せよ!」
「量量量」

僕の中で眠っていた何かが動く予感。
一方でもう1人の自分も素早く反応した。
「ま、そうは言うけどね」

働き方に触れる章で考えさせられた。ざっくり言うと
「働きたい人の意欲をルールは制限できない」
働き方改革などこの世にない時代に僕は社会に飛び込んだ。
休みがないのかかっこいい。徹夜は当たり前。何徹したかを自慢する。
先輩はスケジュール上「4徹しなきゃいけなかった」と言いながら
金宮のソーダ割りを飲んでいた。
問題は僕(僕の時代)は【強制的】に「量量量」「スピードスピードスピード」を
求められ、達成し、技術を手にしてきた。
では今、自ら「やれる」か?
20年若かったとしても「やれる」か?
「やれんのか?」
著者もやらなきゃいけない状況だったと記している。
寧ろ、追い込んだと。
強制なのか、自発なのか?今は自発一択の時代。20年後の日本が怖い。

終盤、筆者はさらに畳み掛ける。
「努力は夢中に勝てない」
そう、あの時の僕は夢中だったのだ。
報酬目標とか生活向上とか今思うと、何も考えてなかった。
日々、動いていた。この本も言う「行動せよ」と。

初老の秋だ。天気もいいぞ。さぁ、いこう。

「死ぬこと以外かすり傷」箕輪厚介 マガジンハウス

そういえば、4年くらい前TVを見ていたら
バスケットボール日本代表の富樫が
自分を強く美しくすることばを聞かれて
「死ぬこと…」って答えていたなぁ。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集