左玉の駒組み 対三間飛車 先手編

 お久しぶりです。今回は対三間飛車の左玉の駒組みを簡単にまとめました。四間飛車編では先後の違いはあまり気になりませんでしたが、対三間飛車では先後で形が大きく異なります。なので先手編、後手編の二回に分けてお送りします。

対三間 先手1

 初手から76歩、34歩の時に、左玉の可能性を残すなら角道を止める66歩しかありません。そして32飛や35歩と突かれると相手は角道を開けたまま駒組みを進めることができます。この場合6筋の位取りのタイミングが重要になってきます。
 どの振り飛車に対しても言えることですが、左玉は6筋の位を取れないと駒組みが面倒になります。なので如何に6筋の位を早く取れるか、が勝負になります。相手が左玉を知っているとすぐ突いてくる可能性が高いので、左玉側も不意を突いた突き出しを実行します。
 それがこの局面での65歩です。一見先手陣はバラバラで成立していなそうに思えますが……。


対三間 先手2

 ではまずここから角交換して67角と打つ変化から考えてみましょう。67角は単純に76角成を狙っているので、角を消しつつ76角成を消す58角が一目浮かびます。しかしこれは同角成同金左のときに28角と打ちこまれます。代えて58同飛車は再度67角があり先手失敗です。
 実は65歩を突く前に86歩を突いているのがミソで、87角打と受けることができます。これは次に38金~68銀とすれば角が死んでいます。49角成同玉の形が不安定で怖いですが、先手は96角と出る手や85歩と伸ばす手があり、手持ちの角を使えば先手が自然によくなります。かといって何も研究していないのは怖いのでこの変化は本編でさらうことにしましょう。

対三間 先手3

 角交換して自然に駒組みを進めると上図になります。ただし駒組みするときは38金から上がるようにしてください。例えば先に68銀上とすると28角と打たれてしまいます。あとは79角の筋があるので69金も最後まで残しておいたほうがいいです。先手は角を打たれないような形を維持しつつ駒組みを進めていきます。
 先手はこの後58金85歩89飛68玉と駒組みを進めていけるのに対し、後手は指す手が難しいです。24歩は23角、33桂は22角などがあり、先手が角を手に持っていると攻める形すら作ることすら出来ません。32金と一回上がればバランスよく指せますが、金がそちらに行っては先手作戦勝ちなのは明白でしょう。

対三間 先手4

 では角交換しないとどうなるでしょうか。一枚目の65歩に44歩と止めてきた場合、77角と上がって駒組みを続けますと上図のようになります。ここからは後手の攻めを受け流し、カウンターを狙う将棋になりますが、少しややこしいので本編で回数を分けて解説していこうと思います。

 これで今回は終わりです。少し短かったですが内容は濃いものだったと思います。次は対三間飛車の後手編を解説します。実は後手編のほうが角道を止めないでいいので簡単だったりします。
 では次もお楽しみに!読んでくれてありがとうございました。

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