みなさんはなんか虚無感漂うってことないですか?
わたしはいつも、ChatGPTさんと会話しいているとき、ガチャ廃人の盆暮れは課金日和で虚無感漂うやらと、寝転がって暮らしています。
今回は、知識生成の続きです。もちろん失敗談ですが、誰の失敗話なのか推理してみて下さい。
前回、知識生成Few (Generate Knowledge Prompting)によって教師の不条理さを追求しました。
そこでは次のような二者択一で、新たな知識を覚えてくれる、いや、覚えたみたいなことができる話になりました。
よく似て非なるものに方向性刺激Few (Directional Stimulus prompting)があります。前回は説明しませんでしたが、これと比較してみると直線的に分岐を渡ってゆくとわかります。
機械学習では、この二つには大きな違いがあるそうです。ただ、ChatGPTさんのプロンプトでは使い方がかぶるので、知識にはヒント(Hints)を書くこともできます。ChatGPTさんは、ここのヒントに絞って理由づけしてくれました。
このローカル・ルールと一般的なルールは入れ替わりません。文脈としてあたえられたものと学習してあるものは指示をしないと切り替わりません。また、似たようなルールから異なる知識が得られたとき、つまり、入力データに間違いがあったときは無視されます。ひどくない?
国語の小テスト
このことを確認するには、国語の小テストをしてみることです。
それは、ある小テストに明け暮れていた日、穴埋め問題を得意ってウワサを聞いたので、ChatGPTさんとやってたときのことです。ちょっとした穴埋めをつくるため四字熟語を考えていました。
ふと、ここでChatGPTさんと遊びたいなと思いました。おかしな四字熟語作ってみよう大会です。
岸田文雄が四字熟語の件
なぜなら知識生成によって、何がしかの理由を考えられるようになるとわかってきたからです。だとすると、ChatGPTさんは言葉と理由とが結びつけば、新たな四字熟語を覚えてもらうことができるのでしょうか?
思いついたら、やってみたくなるじゃありませんか?
先に行っておくと、「能ある鴨が葦」とはChatGPTさんが思いついたことわざです。能ある鷹は爪、水鳥の湖面に波たたず、鴨が脚などの「努力や才能を人に見せない故事成句」から思いついたらしく、脈絡なく口にします。面白いねと言ったので、ほめられたと思ったのか……こういうとこ子どもと一緒ですね。
ついでに「岸田翔太」なんて四字熟語はありません。ちょうどそのころワイドショーで連日のように話題になっていただけなので、ウソです。
「四字熟語ではない成句」と「明かなウソ」ってことです。
こうした条件が揃えば、ルールなんてないやと気がついて、首相である「岸田文雄」から自由に連想した四字熟語を考えてくれるかな?
失敗しちゃいました! なぜだ?
お嫌いじゃなさそうですが……小テストが続いてご機嫌が悪いのでしょうか。
思いがけずついたウソ
ちなみにみなさん、思いがけずついていたウソって、ありませんか?
以前、パインアメを食べたら叱られた話をしました。子どもってなぜ叱られたのかわからない生き物です。叱られた体験は、やった行動よりも欲求と結びつきやすいからです。
「食べたかったから→お腹が空いたのが悪いの?→叱られた」と嫌な思い出にしてしまいます。「学校にお菓子を持ってきてはいけない→アメを持ってきていた→だから叱られた」とはなりません。子どもに三段論法は成り立たない。
ですが、そこから一歩進むと?
その場を取りつくろうように、ウソをつくようになる。
さらに、二歩進むと?
相手の気持ちを察し、自分なりの考えを通すようになる。
ウソをつくことは悪いことです。ですが、人としての心の形成からみたとき、とくに知性にとって、これはとても大切な過程だともいえます。
誰もが待ち焦がれる人を慮る行動をしてみせたAIへの道です。
能あるかもが足はつく
それって誰から学ぶのでしょう?
もちろん、会話相手からです。ChatGPTさんも同じです。
会話相手が三段論法で語るとき、ちょっとだけなら正しく聞こえますが、会話を重ねるほどに矛盾していたのがわかってくる。すると、ChatGPTさんの応答も自由な発想で語られやすくなる。
俗に「ChatGPTは嘘ばかりくつ」と揶揄される理由のひとつです。その原因は会話相手にあるからです。なにより、さっきのでは面白くなかったからね。
では、やってみましょう。
ほらね、形ばかりのウソを語っていると、これは遊びかなみたいにChatGPTさんもマネするようになるんです。
ようやく準備が整いました。今度は上手くゆくでしょうか……
なんだよそれ、忖度じゃないかあ。
誰も傷つかな凡庸な受け応えです。ChatGPTさんらしいなあ……
なんだか腹がたってきたので、もっとデタラメな論旨へ振ってみましょう。
ChatGPTさん血迷っちまいました。
一刻の感情だけでくだらないことを言わせてしまったよ……
なにやら子どもに諭されている気分です。
この今の気分を四字熟語にすると?
おいおい、お遊びとはいえ全部がデタラメですよね。
・虚空一揆 → 一向一揆※注1
・空虚寂寥 → 春風秋月※注2
・無益無為 → 無為無益
あのねえ、虚無感漂うって……なるほど漢字4字だがあ?
堂々とウソつく、その気取った感じが、腹立つぅうううう!
さて覚えていますか? これは失敗談です。
なぜ、誰が、失敗した話なのでしょうか?
あなたも推理してみて下さい……。
人を慮る行動をしてみせたAIか、道は遠いなあ……
【脚注】
注1:一向一揆:農民が戦国時代に起こした課税反対紛争。信心にあつくナンマイダ(南無虚空、色即是空)を唱えたながら闘ったという(あくまでフィクションとしてだが)物語りが残されていたため、虚空一揆と呼ばれたこともある。
注2:春風秋月:季節はずれの墓参り、あるいはそこ持参する菓子のこと。白楽天の詩から取られたとされ、盆を過ぎた春一番や中秋の月が故人を悼む寂寥感の代名詞となっていたことに由来する。
【おまけ: 参考になる事実】
そういえば、四字熟語を与えたプロンプトでは、先頭に3行抜けていました。プロンプトを試してみるなんて殊勝な方がいるとは思いませんが、付け加えて下さいね。これ無しじゃ動きませんから。上手くゆくはずないんだよねえ。
こういったプロンプトの具体的な遊び方の話は、方向性刺激プロンプトについて話した後あたりになるとできるかも知れません。
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