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解決!夏の三大野菜どうすりゃいいんだ問題【キュウリとイワシのココナッツミルクカレー】
夏の三大野菜どうすりゃいいんだ問題とは?
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田舎でよくある三大野菜どうすりゃいいんだ問題といえば
「キュウリ・トマト・ナス」です。
ご近所の農家さんだったり家庭菜園をやられている方々から、ある日同時多発的にキュウリやトマト、ナスをいただけるんです。
向かいのお家からはキュウリ、隣のお家からはトマト、裏のばあちゃんからはナスが、それぞれ3つずついただける…
なんて事はまずありません。そんな便利な宅配システムであればそもそも問題にすらなりません。
この問題は時期によって一種類の野菜が同時多発的に、奥さんのパート先でも、旦那さんの会社でも、そして家に帰れば玄関にどちら様からのお届け物かわからない大量の野菜がいただける…その量たるや自家消費キャパを完全にオーバーしている…ということが問題なのです…
と、いう悩ましい季節が到来して、もうすでにキュウリステージが始まっている現状。
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これって「嬉しい悲鳴」の形の一つでもあります。
ではなぜその嬉しさが悲鳴になるのか?
その簡単なメカニズムをお伝えしたいと思います。
夏の三大野菜どうすりゃいいんだ問題のメカニズム
この食料危機が叫ばれる時代に新鮮な野菜や趣味で作っているオーガニック野菜を無料でいただけるだけでもかなり幸せなのに、上手く消費できずに腐らせてしまい自己嫌悪モードに入ってしまう…という小さな悪循環が、この時期僕の住む飛騨では(というよりも日本の田舎では)様々なところで起こっています。
せっかく野菜を無料でいただいているのに、家族構成が少なかったり、忙しくて料理をする時間もなかったりで、自家消費のスピードが間に合わない…
更に腐らせちゃったりしたら、真面目な人ほどかなりの自己嫌悪に陥ります。自己嫌悪モードに入った人は、真面目だから、乾燥させたり、漬物にしたり、毎日食べたりと必死にそれらの野菜を腐らせないようにします。
そしていつしか「美味しくいただく」という思いも薄らいでしまい、なんとかこなしていくことに精一杯になります。
そうして第一の波であるキュウリステージを乗り越えた人は、キュウリをくれた人にたいていこう言います。
「この間いただいたキュウリ、とっても美味しかったです〜瑞々しくてやっぱり新鮮なのは良いですね〜ありがとうございます〜」
この一言を発すると、めでたくネクストステージへの扉が開きます。
都心部から飛騨にIターンしてきた僕の知り合いは、これを「ベジタブルハラスメント」略して「ベジハラ」と呼んでいました。
僕も25年前にIターンで飛騨にきた人間なのでよくわかりますが、都会からきたよく食べそうな若者はきっと喜んでくれるだろうとご近所さんから大量の野菜やおかずをいただけます。
ご近所さんたちは良かれと思って「たんと食え〜」と置いていってくれるのですが、若者ほど上手に断れない…色んな方がいますが少なくとも僕の世代(昭和45年〜50年生まれ)は上手く断れない方が比較的多いのだろうと思います。
「いただきものをしたら、ちゃんとお礼を言うんだよ!」
今でも当たり前のことかもしれませんが、僕らの時代は(少なくとも僕は)ずっと家族からそういう風に教えられてきました。
その教育方針を恨んだことは一度たりともありませんけど…
そんな風に丁重にお礼を伝えると、数週間後に大量のトマトが同じ方から送られてきます。パート先や職場、ご近所さん…お礼をお伝えしたところから次なる贈り物が届きます。
そんな風にして最終ステージのラスボス「ナス」まで続きます。
料理好きな人、料理をする時間がある人からしてみるとボーナスステージが欲しいくらいだと思います。
もしくは、この課題を自分を成長させるためのステップと捉えて、料理スキルを格段に上げた人もいるでしょう。
どちらかというと僕もこの部類に属します。
ただ、そうじゃない人は完全なる負のスパイラルに陥ります。
彼らにとっては夏の三大野菜地獄…と言えるかもしれません。
「ありがたい」と「迷惑」のせめぎあい。
これがこの問題のメカニズムです。
困ったら美味しいスパイスカレーにすりゃいいじゃん
飛騨スパイスカレー研究所のスローガンの一つに「食卓にもっとスパイスを!」というのがあります。食卓に当たり前のようにスパイスがレギュラーとして並んでいる、そんな光景を作りたい…という思いでやっていますが、
もしかすると、飛騨の皆さんの食の困りごと「夏の三大野菜どうすりゃいいんだ問題」をスパイスたちが解決できればそれが叶うのではないか?と、かなり真剣に思って昨年から「基本のカレーパウダー」というオーガニックのカレーパウダーを販売しています。
僕は以前、大量に同時多発的に、トマト専門の八百屋ができるんじゃないか?というくらいのトマトをいただいた時、半分をカレーに、残りをケチャップにしたことがありました。
野菜は加工して形を変えることで保存性が高くなります。
カレーは真空パックにして冷凍しておけば、食べたい時に解凍して食べられるし、ケチャップは瓶詰めして煮沸して脱気すれば常温でも保存できるようになります。
そんな風にして出来たカレーやケチャップを、トマトをくれた人に返したり別の誰かにおすそ分けすると
「美味しかったよ!」と言ってくれます。
僕みたいに単純な人間はこの一言でモチベーションがググっと上がるわけです。この時点で来年、再来年のステージも確定しているわけですが、僕にとって来年も再来年も、トマトをいただけることはもう喜びでしかない…ということになっています。
こんな形で、まずは試しに「基本のカレーパウダー」でスパイスカレーにしてみりゃいいじゃん!
そんなノリで作っています。
でもしっかりオーガニック原料のみで作っているし、辛いのが苦手な方やお子様でも食べられるように唐辛子は不使用です。
そうしていつの間にか自己嫌悪に陥りキュウリの大群に襲われる夢にうなされた状態から、キュウリを笑顔で迎え入れる状態に変化している…
そうなったら、ひとまずミッションコンプリートです。
気がつけば、その家の食卓には「基本のカレーパウダー」がレギュラーとして迎えられていることでしょう!
YES!食卓にもっとスパイスを!
キュウリ天国へ
さて、今年のもう始まりつつあるキュウリ問題、人によっては「キュウリ地獄」。キュウリは加工する形が漬物一択と思われているところがあります。
たいていどこの家庭でも「キューちゃん」になります。
ではスパイスがそのキュウリたちを加工してどんな天国を見せてくれるのか?
形はいろいろあります。
保存性を高めるなら「キュウリのアチャール」。アチャールとはインドやパキスタンなどで食べられるスパイスを使った漬物です。
みんなで大量に美味しく消費するなら、コレはなんといってもスパイスカレーでしょう。でもキュウリのカレー?って聞いたことありますか?
実は南インドやスリランカなど熱帯地方に近いエリアで作られるサラッとして短時間で作れるカレーにはとても向いていたりするんです。
今回はそんなキュウリが美味しく感じる夏っぽいカレーを作ってみました。
【キュウリとイワシのココナッツミルクカレー】
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作り方はとても簡単。今回はイワシの缶詰を使いましたが、本当はサバ缶を使おうと思っていました。ただサバ缶は全国的に品薄状態…でもイワシラバーの僕にとっては全く問題ありません。
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2〜3人分のカレーでキュウリを2本使います。もっと使っても良いくらい。
ココナッツミルクとカレーパウダー、レモンと梅酢(梅肉でもOK)、そしてミントを散らせばとても爽やかな夏らしいカレーになりました。
今回は唐辛子は入れていませんが、生の青唐辛子が手に入れば細かく刻んでいれると、爽快な辛さも楽しめるカレーになります。
酸味の効いたアチャールもあるとよいです。
今回はお馴染みの赤玉ねぎのアチャールと、先日通販で買って届いたばかりの柚子のアチャールを添えました。コレがまた抜群に相性が良かったです。
後は見た目の問題ですが、スリランカカレーっぽく、バナナの葉に見立てた青朴葉で飛騨っぽくしました。
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このカレー、ホントこれからの季節にオススメです。ぜひチャレンジしてみてください。
【レシピ】
材料 ー2〜3人分ー
□イワシ水煮缶 1缶150g (もっと入れても良いけど経済性も考えて・あればサバ缶でもOK)
□玉ねぎスライス 200g
□キュウリ(いちょう切り) 2本(3本入れても良い)
□ニンニク(みじん切り) 10g
□生姜(みじん切り) 10g
□ココナッツミルク 160g
□レモン汁 大さじ1
□梅酢 大さじ1 (梅干し2個でも可)
□水100cc (カレーの硬さを見ながら調整)
□砂糖小さじ1
□塩 小さじ1/2
□基本のカレーパウダー 大さじ1
□ミントやパクチー、パセリなどの香草お好みで
□植物油(米油推奨) 大さじ3
□朴葉1枚 (あれば)
【作り方】調理時間30分くらい
1.フライパンや鍋に植物油を入れ、玉ねぎスライスをキツネ色になるくらいまで炒めたら、ニンニク、生姜を加え更に炒め水気を飛ばす。(強火)
2.1にイワシの缶詰(汁ごと)、ココナッツミルク、キュウリ、カレーパウダー、レモン汁、梅酢、砂糖、塩を入れ混ぜながら煮込む。カレーの硬さを見ながら水100cc前後入れて調整する。
3.10分くらい煮込んだら、必要であれば最後に塩で味を整えて完成。
4.皿に朴葉を敷いて、その上に盛付けお好みでミントやパクチー、パセリなどの香草を散らせば出来上がり。
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