奥さんに内緒で多種のスパイスを揃えちゃった話
Macbookのカレンダーを遡ると第一回の飛騨スパイスカレー研究所の集まりが2020年12月28日。年の瀬にな〜にやってんだ〜?という感じですが、その時は「それぞれが作ったスパイスカレーを持ち寄って相盛にして食べよう〜、そしてそこからスパイスを学んでいこう〜」くらいの乗りで、カレンダーにも「あん、カレー、3人」としか打ち込まれていなかった。
「あん」というのは飛騨スイスカレー研究所発祥の地でもあり、メンバーの朋ちゃんが取り仕切るカフェのこと。
そしてこの日、ノンアルコールながらスパイスカレーに酔いしれた3人の中から生まれたこの会の名称が「飛騨スパイスカレー研究所」という、とても歴史的な日。
こんな大切なことを、決して忘れていたわけではなく、日々濃いスパイスで上書きされているために記憶の端の方に追いやられていて、NOTEに書くこともしていませんでした…スミマセン。
それ以降のカレンダーにはちゃんと「飛騨スパイスカレー研究所」として書かれているので、僕らというか、少なくとも僕のスタートは「あん、カレー、3人」。
「あん」という場所と「カレー」と「3人」のメンバーが「飛騨スパイスカレー研究所」にとっていかに重要か?ということがココに示されているわけです。
会の名前が決まると人はテンションが上がるもの。
もちろん僕もテンションがブチ上り、気がつけばAMAZONで多種のスパイスを買い揃えていました…
時は2021年1月20日。AMAZONの履歴にちゃんと残っています。大量のスパイスのポチッっと履歴が…
スパイスカレーの壁というものがあるとしたら、最初に立ちはだかるのが「スパイスを揃えること」。ギターキッズが最初にぶち当たる「コードFの壁」みたいにほぼ間違いなくブチ当たります。
そんな壁を難なく超えてしまえたのはまさにこのブチ上がったテンションのなせる技。
そしていつ届くのかと…出来れば奥さん不在の時に届いて欲しい…と、ドキドキワクワク、そして冷や冷やしながら待っていたのがまるで昨日のことのように思い出される…。そしてたまに背中にツーっと走る冷ややかさも感じます…ww
数日後、奥さんの不在時に無事に届きました。
Amazonの箱には小さく「スパイス」と書かれていました…
いつもより幾分速くて強い僕の心臓…
あらためて思うのは「こういうのをドキドキすると言うんだ…」
とりあえずダイソーでスパイスをいれるためのガラス容器を揃えて、早速容器に入れてみる。はい、そうです「奥さん不在時」に。
すべて詰め終わった瞬間、あのAmazonの箱で届いた時の嬉しさとは比べ物にならない感動が押し寄せてくる。
そしてもう奥さんに隠すことなどできない、キッチンに広がるスパイスの強烈な香りのカオス。
今でこそワークショップで偉そうに「スパイスとは香りを楽しむものです…」なんて言ってるけれど、その時は「やっちまった〜。香りはノーマークだった〜」と、後悔と感動が交互に重なるスパイシーなミルクレープ状態…
そしてカレンダーにある「飛騨スパイスカレー研究所」を待つこと1ヶ月。
待望のお披露目。
コンテナに詰めた約20種類のスパイスと電動のスパイスミルを持って「あん」に入る。
「買っちゃった♡」
こんな風にして「飛騨スパイスカレー研究所」と「僕」は、ブチ上がったテンションの勢いで難なく最初のスパイスカレーの壁を乗り越えた。
その会ではメンバーのカレーを食べる前に、このスパイスでオリジナルガラムマサラを作ってみようとテーブルを埋め尽くすようにスパイスを並べ、適当に調合したスパイスをキャンプバーナーとコッヘルで焙煎してはスパイスミルにかけて粉にするという、もはや儀式に近い光景が。
そこでぶち当たった第二の壁。
「ガラムマサラを作るのにどれだけ変数があるんだよ…」
真っ暗闇でスパイスを手にしても変数にやられるだけ…
まあ、まずはとりあえずスパイスを噛んでみよう…
そんな風にして本格的なスパイス研究がはじまった。
そしてその場で生まれた最初の超適当調合のガラムマサラをそれぞれが持ち込んだカレーにかけて食べる…
味は、そこは手前味噌ならぬ手前ガラムマサラなので、超絶旨いです。
この辺りの研究者の見解とは思えない100%の感情から生まれる感覚値、これが飛騨スパ研の良さでもあります…
美味しさを語る時、感覚値は外せません。
感情が美味しさを左右するならば、やっぱり楽しくやろうぜ〜というのが僕らのスタンスです…といいながら、マジメにやるときはちゃんとやります。
…というわけで、今や完全オーガニックでの商品製造、販売、ワークショップまでやるようになりました。
飛騨スパイスカレー研究所はいつだって「スパイスを語ることの楽しさ」と「スパイスカレーの美味しさ」と「今後の食の未来へ展望」と、あともう1つ、これは僕だけですが「奥さんに内緒でスパイスを買った後ろめたさ」とともに動いています。
…という今回はゆる〜い内容の記事でした。