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新しい「内海橋」開通 川と共に歩む街の象徴 両岸一本で交通スムーズ
県による東日本大震災の災害復旧事業で、石巻市中心部の旧北上川に架け替えられた一般国道398号内海橋の開通式が10日、現地で行われた。従来のルートと異なり、中州の中瀬地区を通らず右岸の立町・中央地区、左岸の湊地区を一本で結ぶ。交差点が減ることでの交通の円滑化のほか、川と共に歴史をつむいできた街の新たな象徴となることが期待される。午後3時の一般開放を前に橋の見学会があり、市民が今までなかった場所から生まれ変わりつつある川辺の風景を眺めた。【熊谷利勝】
開通式は午前10時から橋上で行われ、行政関係者や住民代表ら約20人が出席。新型コロナウイルス感染対策であいさつなどを省略した簡易な内容とし、テープカットとくす玉の開披で祝った。
テープカットとくす玉開披した
主催者である県東部土木事務所の郷右近正紀所長は、報道陣の取材に「住民の理解、協力あってここまで来られた。人と物の流れが良くなり、産業、観光の活性化が期待される」と述べた。来賓の亀山紘市長は「復興のシンボル、懸け橋として市民ともに発展を遂げたい」と語った。
開通を前に見学会があり、自由に歩くことができた
見学会では車道も歩くことができた。市内中央の木村真理恵さん(33)は長男優李君(1)と記念に訪れ、「ぐるっと見渡せ、育った街が復興していくのが分かった」と感慨深げ。湊地区町内会連合会の大崎春男会長(71)は「今までの橋は災害に弱く、待ちに待った橋」と開通を歓迎した。
これまでの内海橋は中瀬経由で両岸を結ぶ東内海橋、西内海橋を合わせた通称。138年前の明治15年に建設された木造橋が最初で、私費を投じて架けた地元の内海五郎兵衛にちなむ。木造橋は県に移管され、大正3年に大規模な改修が行われた。3代目に当たる現在の東西内海橋は昭和8年の建設で、老朽化に加えて震災で被災。両岸にこれまでになかった堤防が整備されることになり、架け替えの必要が生じた。
新しい橋からは中瀬や堤防一体空間を一望できる
新しい橋は約100メートル上流に架けられ、延長202メートル、幅員14.5メートル。車道幅3.25メートルの上下各1車線で、両側に自転車も通行できる幅3.5メートルの歩道がある。事業は平成24年度に始まり、取り付け道路を含めて654メートルが供用開始になった。
中瀬を経由する旧橋は本年度内に撤去され、西側は県が代替えとなる延長82メートル、幅員9.5メートルの(仮称)新西内海橋を整備中。東側は市が令和4年度までに延長115メートル、幅員4メートルの(仮称)新東内海橋を自転車・歩行者専用橋として整備する。
地元の小学生たちも開通前の車道を歩いた
新しい内海橋の開通と同時に東内海橋が通行止めとなり、解体工事に入る。西側は新西内海橋の開通後に取り壊す。これらの架け替え事業費は旧橋の撤去を含め県が約132億円、市は約12億8千万円。
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