震災10年 待望の文化施設 「まきあーとテラス」開館 コロナ禍で静かな船出
大小ホール、博物館機能などを備えた石巻市の複合文化施設「マルホンまきあーとテラス」=石巻市開成=が1日、開館した。新型コロナウイルスの感染拡大防止で予定していたオープン式典は中止となり、静かな船出となった。【本庄雅之】
同市南浜町の石巻文化センターと同市不動町の石巻市民会館が東日本大震災で被災。市が主催する大規模行事やさまざまな公演を行う場所が失われて10年が過ぎ、待望の施設がオープンした。
この日は晴天に恵まれたが、式典もないことから施設を訪れる人はほとんどなく、午前9時の開場前に高齢の夫婦が窓口を訪ねたのが第一号。29日に大ホールで行われる「宮川彬良×ぱんだウインドオーケストラ」のこけら落とし公演のチケットを求めた。
開館したマルホンまきあーとテラス
チケットを手にした男性(80)は「催し物が好きで、今までは河北(ビッグバン)や河南(遊楽館)に行っていたので、近所に施設ができてよかった。いつもの散歩コースなので、きょうも歩いてきた。これからいろんな催しが楽しみ」と話していた。
館内では清掃など本格運用に向け、準備作業が続いた。勝又正司支配人は「コロナの影響で、このような開館になったのは非常に寂しく残念だが、復興のシンボルという位置付けであり、これからさまざまな事業を提供できるよう、コロナの状況を見ながら環境を整えたい。皆さんが気軽に利用できる施設にしたい」と語った。
開館直後にチケットを買い求める人も
コロナ禍で、大ホール(1254人)、小ホール(300人)は当面、入場者数を制限するなどガイドラインに沿って運用する。研修室などの利用は4月に4件入っていたが、コロナを理由に1件キャンセルが出たため、今のところ3件にとどまっている。
まきあーとテラスは347台分の駐車場があるほか、バス停留所総合運動公園から徒歩約3分。博物館は秋に開館予定。
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