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心肺停止の女性を連携救助 消防本部・特養仁風園を表彰

「日頃の訓練が生きた」

 救急事案発生時に適切な対応で人命を救ったとし、石巻地区広域行政事務組合消防本部(大内正治郎消防長)は16日、特別養護老人ホーム仁風園(中村泰仁施設長)=石巻市大森=を表彰した。入居者の有事に備えた日頃の実践対応訓練と消防との連携が迅速で的確な救急救護につながった。

仁風園職員の連携が女性の命を救った

 事案は5月25日正午ごろに同施設内で発生。委託会社の70代女性清掃員が心肺停止となり、正面玄関ホールで倒れていた。中村施設長(57)が発見し、職員に連絡。119番通報や安全な場所への搬送、AED(自動体外式除細動器)や心臓マッサージ、人工呼吸を10人で連携して行った。

 その後、救急隊が初期観察した結果、心肺と呼吸が再開していることを確認。搬送後の入院加療を経て、女性は無事、退院することができた。

 表彰式には、中村施設長のほか、AEDで対応した機能訓練指導員で同市美園の阿部智さん(31)、看護職員で同市のぞみ野の三浦道子さん(67)が出席。大内消防長が「皆さんの勇気ある行動の賜物。応急処置が尊い命を救うことにつながると行動をもって示してくれた」と功績をたたえた。

消防長から表彰状が贈られた


 中村施設長は「高齢者施設であり入居者に対しての救急対応は消防隊から指導を受けて日々訓練してきたので、健常者への対応にも生きた。救急隊が来るまで何をし、どう引き継ぐのが望ましいか、救急隊がどう対応してくれるかを各自がイメージできていたのも冷静な対応につながった」と振り返る。

 三浦さんは「女性は仕事を終えて帰るところで、直前まで話をしており具合悪い様子もなかったので驚いた。玄関から会議室に移したり、服を緩めたりと連携できたのは大きい」と語り、阿部さんも「内心、心臓がバクバクしていたが、三浦さんの指示もあって落ち着いた対応ができた。AEDで呼吸が戻り、救急隊に引き継いだ際はほっとした」と当時の様子を語っていた。【横井康彦】


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