ようこそチュニジア選手団 重量挙げ選手ら9人 石巻で事前合宿開始
東京五輪の重量挙げに出場するチュニジア共和国の選手団が12日早朝、事前合宿を行う石巻市に到着した。市は同国を相手国に指名した復興ありがとうホストタウンであり、事前合宿の受け入れは石巻地方で唯一。開会式前日の22日まで滞在する。新型コロナウイルス感染症対策で選手と市民の交流は基本的に禁止されているため、市は練習に集中できる環境を提供していくことで震災復興支援の恩に応えていく。
五輪開会式前まで練習
選手団は20-31歳の男子3人と女子2人の選手、コーチ、トレーナー4人の計9人。チュニジアからトルコのイスタンブールを経由し、11日午後6時過ぎに羽田空港に降り立った。検査でコロナに感染していないことを確認した上で、市が借り上げたバスで12日午前5時半ごろ宿泊先の石巻グランドホテルに到着した。
バスを降りた選手たちを市幹部と担当部の職員ら10人がチュニジア国旗の手旗を振ったり、歓迎の横断幕を掲げたりしながら出迎え。齋藤正美市長が通訳を介して長旅をねぎらい、選手団を代表してコーチのアヤシ・リダさんが「温かい支援をありがとうございます」と感謝を述べた。
齋藤市長らが出迎え、選手らを宿泊先へ案内した
選手団は12日夕方から練習を開始。感染症対策で滞在中は、基本的に宿泊場所と練習場所の石巻トレーニングセンター=南境=との往復になる。練習は午前10時-正午と午後5-7時の2回、同センターを貸し切って行い、この時間帯以外は消毒して一般供用する。
ホテルでも一般客と出入口を異にするなど接触を避ける対策を徹底。イスラム教のハラール対応食で選手を支える。選手は毎日、感染の有無を検査し、関係する市職員やホテル従業員も随時検査する。取材に対して齋藤市長は「コロナ禍の合宿であり、十分なおもてなしができないのは残念。ベストコンディションで臨めるよう一丸で取り組む」と話していた。
同ホストタウンは被災3県の自治体が海外の国や地域を相手国に指名し、復興の姿を発信して住民交流を進める取り組み。チュニジアと石巻市の交流は合併前の旧桃生町で始まり、震災時には義援金を寄せたほか大使館職員による炊き出し支援を行っている。
市はこれらに対する感謝と今後の継続的な交流を期待し、相手国に指名。昨年1、2月には、同国の水泳の代表選手1人が市内で合宿を行った。【熊谷利勝】
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