新年「祝砲」で幕開け いしのまき希望の花火 伊達の黒船太鼓と共演
東日本大震災やコロナ禍で感じた絆の力に感謝するイベント「いしのまき希望の花火2022」(同実行委員会主催)が1日未明、石巻南浜津波復興祈念公園であった。年明けと同時に約720発の花火が打ち上げられ、祝福とともにコロナ収束や医療関係者への感謝なども込め、夜空を焦がした。
震災から10年が過ぎ、新型コロナ感染拡大の収束も見えない中、これまで人をつないできた全ての絆に感謝を込めるイベントとして企画された。石巻青年会議所などで作る同実行委員会のほかに、石巻市や石巻商工会議所なども共催した。
開会で齋藤正美市長は「花火とともに迎える新しい年が、希望の持てる良い年になることを願いたい」とあいさつ。オープニングは雄勝町伊達の黒船太鼓保存会が勇壮な和太鼓演奏を披露し、雪が舞う中でのイベントを盛り上げた。
カウントダウンとともに午前0時に新たな年を迎えた瞬間、3-4号玉やスターマインを中心とした花火が約20分間、打ち上げられた。太鼓演奏も相まって、景気よく令和4年の始まりを祝った。
同実行委員会の沼倉勝哉委員長は「新しい年を迎えて前向きに明るく進んで行ける元気を届けられたならうれしい」と思いを込めていた。【渡邊裕紀】
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寒さ対策とマスク姿で参拝
石巻・鹿島御児神社 雪の中で初詣
年明けは寒波の影響で凍てつくような寒さとなった。鹿島御児神社(窪木好文宮司)=石巻市日和が丘=では、大みそかの深夜から参拝客が訪れ、日付が変わると神殿の前で手を合わせ、健康や家内安全など今年の誓いを立てていた。
新型コロナウイルスの影響で昨年は初詣を自粛した人も多かったが、今年は感染者の減少もあって参拝客が増加。同神社でも防寒着に身を包み、感染対策でマスクを着けた老若男女が列をなした。
老朽化に伴う同神社の大鳥居が新しく建て替えられてから初めて迎える新年。再建には多くの支援もあり、窪木浩枝権禰宜(ごんねぎ)は「新しい鳥居で新年を迎えられたことに感謝したい」と話していた。
友人と訪れていた石巻好文館高校1年の高橋稟童さんは「大学受験合格を願った。これから勉学に励み、部活動(陸上部)でも記録更新を目指したい」と語っていた。【渡邊裕紀】
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初日に一年の無事祈る 野蒜海岸は銀世界
雲間から一瞬光さす
1日朝の石巻地方は前夜から降り積もった雪で真っ白となったが、東松島市野蒜地区の海岸では、初日の出を拝もうと多くの人が繰り出した。
野蒜地区の海岸は県内屈指の日の出スポットとして知られ、堤防沿いの新しくなった県道に車がずらり。波打ち際や堤防上で、多くの人が日の出の方角の水平線を見つめた。
午前6時52分の日の出時刻が過ぎても空は雲に覆われたままで、諦めて帰る人もちらほらいた。雲が薄くなった7時20分ごろには、海の上空に丸い輪郭が出現。ひと時であったが、雲間から正真正銘の太陽が顔を出した。
砂浜には毎年、地元の奥松島ビーチハウス組合が期間限定の鳥居を設置し、初日の出と参拝客を出迎え。集まった人たちは初日に手を合わせ、心の中で新しい年の平穏無事を祈ったり、目標や誓いを立てたりしていた。
市内矢本から中学時代の同級生と4人で来た大学生の豊嶋妃菜さん(20)は「コロナが収まり、旅行が気軽にできるようになれば」と願った。【熊谷利勝】
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