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12年ぶり海水浴場再開へ 東松島市・野蒜 ビーチスポーツ区画新設

 東日本大震災で被災した東松島市の野蒜海水浴場が今夏、およそ12年ぶりに再開される。本来は昨年を予定していたが、コロナ禍で先送りしていた。防潮堤は高盛土道路と一体的に整備され、海水浴場周辺には駐車場や休憩施設も完備。新たにビーチテニス・バレー兼用コートも整え、交流人口の拡大を図る。野蒜地区は昨年、国から過疎地域に指定されており、海岸線を生かしたにぎわい創出が定住拡大につながりそうだ。

 野蒜海岸は、景勝地「奥松島」の一角であり、全長約3キロの砂浜が緩やかに弧を描く県内有数の観光地。震災前は、野蒜海岸東側を第一海水浴場、西側を第2海水浴場(通称松ケ島海水浴場)として開き、年間約4万人が訪れた。ビーチスポーツも盛んで、市長杯ビーチバレー大会なども開かれていた。震災の津波で海岸線を含む地区全体が被災したことで海水浴場としての機能も失われていた。

12年ぶりに再開予定の野蒜海水浴場

 野蒜海岸の防潮堤(海抜7.2メートル、総延長2.8キロ)や高盛土道路となる県道奥松島松島公園線の整備を鑑み、市は昨夏に海水浴場再開を計画。野蒜海岸東側は離岸流の発生など遊泳客の安全性に懸念があるとし、西側の砂浜を範囲限定(約2600平方メートル)で海水浴場を開設することを決め、駐車場や休憩施設も西側にまとめた。監視台は1台置く。

 海岸の通年利用も考慮し、ビーチテニスと同バレーの兼用コート計8面(1面128平方メートル)も設ける。ビーチテニスは県内で全国規模の大会が開かれており、今後、誘致も期待してコートを公式規格とした。

 市では海水浴は7-8月、ビーチスポーツは6-11月の利用を見込む。商工観光課は「どれだけ利用者が戻ってくるかは不明だが、混雑を想定した動線の分け方、競技備品の管理など今後調整していく。海岸東側のマリンレジャー活用も考え、通年で海岸ににぎわいを生みたい」と語っていた。【横井康彦】


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