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県内最年少でエア射撃資格
ジュニア五輪などに照準
渡波中2年 佐藤さん
石巻市立渡波中学校2年の佐藤美優さんが、エアライフル(空気銃)の練習や大会参加に必要な資格「年少射撃資格者」を県内の中学生として初めて取得した。現在は資格を必要としないビームライフルをメインに個人で大会に出場し、腕を磨いているが「いずれエアの大会にも出て、成績を残したい」と先を見据える。
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育英秀光中と切磋琢磨
祖父が猟友会所属のハンターだったという佐藤さんは、仙台育英学園秀光中の部活動見学でライフル射撃に出会ったことを契機に中学生になってからビームを始めた。練習場は石巻市沢田にある県ライフル射撃場。指定管理者の県ライフル射撃協会会員らの指導を受け、練習に励んでいる。
エアもビームも競技ルールに大きな違いはなく、10㍍先の標的を狙って40発、または60発撃って合計点で競う。実弾を用いるエアに対して、ビームはその名の通り光線を発射するという部分で違いがあり、公安の所持資格なども必要としない。
「最高得点の的の大きさは直径1㍉。集中力が必要だが、続けて打ち抜けた時の爽快感は格別」と佐藤さん。ライフルの魅力に取りつかれ、「新しい世界に挑んでみたい」と今年5月、エアの資格を取得した。
沢田の射撃場はエアもビームも練習できる設備が整う県内有数の好環境。佐藤さんは基本的にここで練習しているが、週末は秀光中の射撃部メンバーも頻繁に足を運び、ともに切磋琢磨している。
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秀光中射撃部で貞山小出身の大橋もも音さん(2年)は「佐藤さんと一緒に練習できるのはいい刺激になるし、何より楽しい」と笑顔。佐藤さんも「皆が来てくれるのはうれしいし、一層練習に身が入る」と目を細めた。
ライフル射撃場がある石巻だが、圏域の競技人口は数えるほど。佐藤さんは「ライフルに興味を持つ人が地域でも増えてくれればうれしい。まずは大会で好成績を残せるよう練習に励みたい」と照準を合わせた。
今後は、JOCジュニアオリンピックカップや全日本小中学生ライフル射撃選手権大会など最高峰の大会に挑む。【山口紘史】
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