蒸しガキ振る舞い列絶えず
東松島市産業祭
「復興感謝・第3回東松島市産業祭」が12日、矢本東市民センターとその周辺で開かれた。シーズン入りしたカキを蒸しガキにして約2千人に振る舞ったほか、農水産物や加工品の販売、商工業品の紹介もあり、主催者発表で昨年より2千人多い約6500人が来場。〝いいとこ、いいもの、うまいもの〟がそろう東松島の魅力を五感で楽しんだ。
市や農協、漁協、商工会などで構成する実行委の主催。同センターの屋内外と隣接する大曲地区体育館を活用し、産業祭のほか、食と健康の「ひがしまつしま食べメッセ」、SDGs(持続可能な開発目標)を学ぶ「環境イベント」も催した。
産業祭は計38店舗が区画を構え、旬の野菜や魚介類、菓子、乾き物などを販売。価格を抑えたり、サービスを付加したりしてお得感を出し、店舗前には列もできた。小学生の鼓笛パレードや石巻広域消防音楽隊の演奏も花を添えた。
農産品販売や健康意識も
東松島は野菜の産地であり、農産物品評会には生産者自慢の21品種43点が並んだ。夏の暑さと少雨で野菜の市場価格は高騰。品評会出展も昨年の4割減となった。厳しい状況下でも入賞した野菜は色艶、形とも高品質を維持し、破格とした展示野菜の販売は文字通り飛ぶように売れた。
蒸しガキは4千個を用意し、1人2個ずつ計約2千人に無料で振る舞われた。列は絶えず、開始から2時間で全てなくなった。石巻市水明から来た小野寺克さん(82)は「物価高で何でも高いけど今日は何でも安い。しかもカキは無料。寒いけど並んだかいがあったね」と喜んだ。
食べメッセは「食べる学校」への1日入学とし、見る、触る、聴くなど五感を刺激する5つのゾーンを順に体験。野菜摂取は1日350㌘が目標とされているが、東松島市民の7割は目標に届いていないとされ、楽しみながら摂取量を測る調査でも軒並み低迷。体験者は苦笑いを浮かべつつ、野菜不足を補うため、早速、即売品に手を伸ばしていた。
【外処健一】
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