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海水浴離れ コロナ禍前の5割 12年ぶり野蒜は2720人 多様化する夏のレジャー

 石巻市が4カ所に開設した今夏の海水浴場の入り込み数は1万9770人で、3カ所の開設だったコロナ前の令和元年(3万5482人)の5割程度にとどまった。夏に入って新型コロナウイルスの感染が再拡大し、客足が向かなかったとみられる。東松島市では2カ所で1万2338人の海水浴客があり、1カ所のみの開設だった3年前の約6割。海水浴離れも指摘され、両市とも遊泳だけでないレジャーのPRで交流人口拡大を図っていく。

 石巻市の渡波、白浜(北上)、網地白浜(牡鹿)は3年ぶりの開設。震災の復旧復興事業が続いていた十八成浜は12年ぶりの開設となった。市のまとめによると、このうち網地白浜は4カ所で最多6170人(実開設日数31日間)の客があったが、1万9770人だった3年前の3割程度にとどまった。

 次いで十八成浜の6073人(同35日間)で、4589人の人出があった震災前の平成22年よりも多かった。白浜は3年前の7053人に対して6割程度の4412人(同25日間)、渡波は8659人に対して3割程度の3115人(同27日間)の入り込みだった。

12年ぶりの開設で震災前よりも客足が増えた十八成浜海水浴場

 十八成浜と白浜の海水浴場はデイキャンプ場のビーチパークに隣接。休日にはバーベキューがてらに水辺に親しむ人もいて、コロナ禍でも客数を押し上げたとみられる。市観光課は「3年ぶりの開設でも海水浴を控える傾向にあるようだ。来夏の状況が良くなれば、ビーチパークなどの周辺施設を含めて積極的にアピールしたい」と話した。

 東松島市の入り込み数は12年ぶりの開設となった野蒜海水浴場が2720人(実開設日数24日)。震災前の22年は石巻地方で最も多い約4万8千人の人出があっただけに、さびしい数字となった。月浜海水浴場は9618人(実開設日数27日)で、休止前の元年から半減した。

 特に野蒜は再開に当たって遊泳区域を波の穏やかな宮戸側に移し、砂浜には新たにビーチスポーツ用のコート8面を整備。だが7月の入り込み客数は1191人にとどまり、砂浜に大量のごみが打ち上げられた7月の大雨で客が敬遠した可能性があるという。月浜は7月の方が多かった。

 渥美巖市長は1日の記者会見で「10―15年前と比較して海水浴客自体が減っている印象もある」との見解を示した。10月にはビーチテニス大会が予定され、遊泳以外の仕掛けで年間を通じた利用客の増加を図る考えだ。【熊谷利勝、横井康彦】





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