約10年ぶりに球音戻る 女川町民 野球場が再開 震災後は仮設団地整備
女川町の町民野球場リニューアル記念大会が20日に行われた。東日本大震災後、仮設住宅の建設場所に提供されてきた球場に約10年ぶりに球音が戻った。
リニューアルを祝うような晴天。3月に改修工事が完了した球場は、両翼が4メートル延びて94メートルに。フェンスはラバー仕様になったほか、これまで土だった外野には芝生が敷き詰められた。
よみがえった女川町民野球場
須田善明町長らによる始球式の後、招待チームによる2試合が行われ、結果は、日本ウェルネス宮城高6-4石巻工業高、日本製紙石巻3-2七十七銀行。試合中、選手たちの声が盛んに飛び交い、投手の投球が捕手のグラブに収まる音、打球音などが緑に囲まれた球場全体に響き、観客を楽しませた。
女川野球協会の鈴木良徳会長は、「待ちに待った日。雨だけが心配だった」とホッとした表情。「地元の小中学生が使えるようになれば気分も上がる。ようやく野球ができる環境が整った」と万感の思いで話した。
震災後、グラウンドには仮設団地が整備されアスファルトが敷かれた
この日、先発した日本製紙石巻の米谷真一投手は「プレート側の土が思ったより食い込んでくる。もう少し固くなれば投げやすくなると思う。傾斜はよかった」とマウンドの感想を話した。
外野で観戦した酒井孝正さん(74)は「あれから10年。ここの仮設に住んでいたからこんな日がくるとは。こういうのが日常になってくれればいい」と感慨深そうにながめていた。
当分、芝生の養生などに努め、本格運用にはもう少し時間がかかるという。【本庄雅之】
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