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テストなし!時間割なし!クラス分けなし! 責任ある自由を学ぶ学校=サドベリースクール !個性と平等を尊重する教育のあり方とは? 思考トラップ脱出編⑥

前回は、不登校はおかしいことではない!
学校は個性と自信を失くす場所だった!?
絶対に教えてくれない学校の本当の姿とは?
をお届けしました。
まだ読んでいない方はこちらから。

今の小中学校の不登校の人数は
どれくらいだと思いますか?

文部科学省が発表したデータによると
2020年で小学生が6万3350人
中学生が13万2777人 
合計で19万6127人
そして不登校の割合は
小学生で1% 中学生で4%だそうです。
4%ってすごいですよね。
1クラスに1人か2人はいる計算になります。

そして不登校の原因ですが
無気力・不安 46.9%(不登校児に占める割合)
生活のリズムの乱れ・あそび・非行 12%
いじめを除く友人関係をめぐる問題10.6%
親子の関わり方8.9%
学業の不振5.4%
一番の原因が無気力・不安って大丈夫か!?
となりますが、そもそもこの社会自体が
人を不安心配にさせる△社会システムなので
ある意味納得です。

「学校に行かない」と子ども達が
選択をしたときに色々な選択肢がある社会が
当たり前になっていたらいいですよね。
できれば、石垣のような1人1人の
個性を尊重する学びの場所があったら理想です。
石垣!?となった方に

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写真を見ればわかりますが、石そのものの
形を残して積み重ねています。
小さい石、大きい石、細い石、丸い石など
形が様々です。
もちろん少しは削ったりしますが
レンガのように最初から同じ形に
することはありません。
今の教育はモデルケースをつくり
その形になることを求められます。
その形にもともと近い子は馴染めますが
その形から遠い子は
たくさん削られることになり苦労します。
反対に、石垣は1個1個の形を尊重します。
個性を尊重するので画一的なものは
作りません。それぞれの個が集まって
ハーモニーを奏でるにはどうしたらいいか
それぞれの個が生き生きと出来るには
どうしたらいいかという視点で考えます。

そして、この石垣のような
個性を尊重する学びの場所を見つけました!
それがサドベリースクールです。

初めて知ったという方に簡単な説明をすると
サドベリースクールとは
1968年に創設されたアメリカボストンにある
サドベリーバレースクールに共感し
同じ理念の下で運営している
世界中の学校の総称です。
じゃあ、どんな理念なの!?と
なりますよね。
「子どもは生まれながらに好奇心があり
生きていく上で必要のあることは
自分で学んでいくことができる」
という考え方です。この考え方なので
テストなし、時間割なし、クラス分けなし
その日に何をするかは
すべて子どもたちに決めてもらうという
スタイルです。
しかも、面白いのが1校1校によって
特色が違うのですよね。
日本には北海道、東京、神奈川、沖縄などに
サドベリースクールがあります。
サドベリースクールを名乗るのに
何かしらの許可が必要ではないそうで
それぞれが独立して運営しているので
雰囲気は様々です。
自然の中で学ぶ環境や
大都会で人と関わりながら学ぶ環境など
その地の利を生かした学校づくりをしています。
例えていうなら、今の学校が
ファミレスのチェーン店でどこでも同じ味が
食べることができるのに対して
サドベリースクールは
その土地でしか味わうことのできない
名物料理を提供するお店でしょうか?
ファミレスのような今の教育がだめだとは
言っていませんよ。良いか悪いかではなく
自分にとって合うか合わないかの話です。

実は私サドベリースクールを見学したことが
あって、実際にお話を聞いて、肌で感じて
その教育の理念に感動したんですよね。
ちなみに東京サドベリースクールです。
東京の世田谷区にあるスクールです。

ここ共感できる!!と思ったポイントを
まとめてお伝えしますね。
ちなみに、ここでのお話は
東京サドベリースクールのお話です。

①時間割がない(カリキュラムなし)
②先生がいない
③学校の運営に子どもが関わる
④生きる力が身につく
⑤その後の進路

①時間割がない(カリキュラムなし)
サドベリースクールの一番の特徴といっても
いいではないでしょうか?
私も初めて聞いた時は
時間割がないってどういうこと?と
頭が?マークになりました。
サドベリースクールは
「子ども達は学びたいときに学ぶ」
「子どもを100%信頼する」を
理念にしています。
東京サドベリースクールは
開校時間は10時から16時まで
月曜日から金曜日まで通うことができます。
通っている子の年齢も
7才から上は18才までと様々です。
子ども達が登校したら、その一日に
何をするかは自分たちで考え決めます。
「一日中ゲームする」OK
「一日中何もしない」OK
「一日中漫画読む」OK
「一日中虫の観察」OKの学校です。
時間割もチャイムもないので1つのことに
集中しやすい環境です。
テストもないので勉強の義務もない。
それで「大丈夫なの!?」と
心配になった人いると思いますが
それで大丈夫なんです。
一日中ゲームをしている子も
ずっとゲームは飽きてくる。
なので、そのあとに算数ドリルをしていた子も
いたそうですよ。
また、イベントや行事で何をするか
どこに行くかは子ども達が決めるそうで
なんとお金の費用の計算も子ども達が
するそうです。そのときに
計算ができる必要性を感じて
勉強をする子もいるとのことでした。
これ、すごく理想的ですよね。
読み書きや計算などの勉強は
子ども達が学びたいと思ったタイミングで
はじめます。
「やれ!」と言われるよりも
このほうが一番身に付きますよね。
ちなみに、ボストンにある
サドベリースクールでは
読み書きや計算を身につけずに
卒業した人は40年以上の歴史の中で
1人もいないそうですよ。

お昼もお弁当派、キッチンで作る派と様々で
好きな時間に食べています。出前を取ったり
外出して食べることもあるそうです。
好きな時間に食事できることに感動した私です。
今の学校は食べる時間が決まっていて
そこが地味につらかったんですよね。
「早く食べろ」という圧がはんぱなかった。
ゆっくり味わって食べたいのに
みんな食べ終わって片づける時間も
決まっているので、自分1人だけ
食べ続けるわけにもいかず
急いでかきこんで食べることも多かったです。
食事の楽しさを私は味わえませんでした。
でも、ここだったらゆっくり食事を
楽しむことができそうです。

②先生がいない

これもびっくりですよね!!
子ども達は大人のことを
「先生」と呼ぶのではなく
「スタッフ」と呼びます。
よく学校である
「先生だから」「上級生だから」
などの上下関係がありません。

「叱る」という行為もないそうです。
他の子の物を盗むなど
子ども達が世間一般で言う悪いことを
したときも叱ることはないそうです
トラブルがあれば話し合いで解決します。
大人が双方から話を聞いてジャッジすることも
ありません。叱るという行為は何かしらの
上下関係がある中で発生するもの。
そうした考えから、サドベリースクールは
子どもも大人も対等なので、大人は
「自分はこう思うよ」
と言うくらいだそうです。
それでも、大人の意見は子どもにとって
影響力が大きくなってしまいがちなので
むしろそうしたことに気をつけています。
実際のサドベリースクールでも
もめ事は時々ありますが
それほど多くはないそうです。
みんな日頃から、濃密なコミュニケーションを
とっているし、いい意味で
リラックスしているので、子どもたちが
劣等感を持っていたり
それが表面化したりすることが少ないそうです。
「感情のぶつかりあいとは
劣等感を持っている人がいるから
起きることなのかもしれません。」という
スタッフさんの言葉が印象に残りました。

③学校の運営に子どもが関わる

これもすごいと思いませんか?
大人も子どもも平等なので
子どもも平等に1票の権利を
持っています。
開校時間からなんと学費まで!
話し合いで決めるみたいですよ。
多数決ではなく、話し合いを優先にしていて
「話尽くすまで多数決はとらない」が
ルールだそうです。
スクールの運営上の重要なことを決める
ミーティングは保護者のみなさんも参加
します。学費については、子どもや
保護者が決定権を持つことが
学費を下げる方向に働くかというと
そうではなく、運営に関わることで
利益が出ないと回らないということを
理解してくれるそうです。
みんなで話し合いをしたときに
子ども達から
「しっかり利益を上げていきたいね」という
話が出ることもあります。

ちなみにボストンにある
サドベリースクールでは
子ども達がスタッフである大人を
罷免できる権利も持っているそうで
これ聞いた時はびっくりしすぎて
「えぇ!!」と声が出てしまいました。
「大人と同じように子どもも平等に権利を
持っているんだよ」という考えが
根底にあるからできることですよね。

④生きる力が身につく

サドベリースクールに通っている
12才の女の子のインタビュー
5分51秒から
ここにサドベリースクールの本質が
見えた気がしたので書き起こします。

予備知識ですが、サドベリースクールでは
多くの子は本当に「暇を持て余す」時間が多く
自分は何をすればいいのか分からなくて
泣き出してしまう子もいるそうです。

以下女の子のインタビュー内容
サドベリースクールに入学した当初の話です。
「なにをしたらいいか分からなくて
もうずっと2か月くらい泣いて
お弁当持ってきて、食べながら泣いて
きっと誰かがなぐさめてきて
くれるだろうという期待を
ちょっとしてたんですね。
それなんだけど、結局だれも来なくて
本当にこないんだなと思って。
なんかもう来ないならしょうがないなと思って
自分からいくかって思って。
そこでみんなゲームをしていて
ああ面白いなって感じて
それからその部屋に行くようになって
その子達と仲良くなったときに
必要なのは
最初の一歩を踏み出す勇気だけであって
そこからは全然難しくなくて
簡単なんだなと思って。
サドベリーは本当に厳しいけど
その厳しさがあとからいい経験になるんだなと
思ったこととかは、今感謝しています。」

誰かが「しなければいけないこと」を
与えてくれる環境に慣れている人にとっては
これほど苦しい環境は無いかもしれませんね。
でも「自分は何がしたいのか」
「自分が好きなことは何か」に
向き合う時間って大事だと思うんです。
それがなかったために
「あれ何のために生きているんだ」と
突然虚無感に襲われることもありました。
あと、子育てが終わったときや
年金生活になったときに
何をすればいいか分からなくて
困っている人がいるという話を
聞いたことがあるのですが
「何のために生きるか」は
「仕事」や「お金」や「子ども」だけでなく
色々あったほうが人生の幅が広がるし
充実度にもつながるのではないでしょうか。

女の子の話を聞いて
自分ととことん向き合うことが
できる環境なんだなと思いました。

泣き出す女の子になぐさめる人が
いなかったということですが
これサドベリースクールらしいなと思います。
「子どものことを100%信頼する」ので
その子が自分から声をかけないかぎり
「見守る」スタンスなんだなと思いました。
「今は泣きたいのだからそっとしておこう」
という感じでしょうか。
それで、この女の子は自分から踏み出す一歩
というすごい学びを得た訳ですよね。
声をかけて、なぐさめるだけが優しさでは
ないということを学びました。

⑤その後の進路

サドベリースクールは卒業のタイミングも
自分で決められます。
「もっと学びたい場所が見つかった」
「大学に進学するため」
理由は人によって様々です。
日本にあるサドベリースクールでは
卒業生が出ていますが
その後の進路については
まだ統計をとれるほどの人数では
ないそうです。

以下のグラフはボストンの
サドベリースクール卒業生が
就いた職種のグラフです。

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アートデザイン関係や教育関係
経営者や自営業といった進路が
多い傾向にあります。
(グラフは東京サドベリースクールの
ホームページよりお借りしました。)

また、現在の日本ではサドベリースクールが
学校教育法上の1条校ではないため
サドベリースクールとして既存の
中学や高校と同じ卒業証明を出せないので
高校や大学に進学する場合は別の試験を
受ける必要があります。
それが保護者の人にとっては
ネックになるポイントだそうです。
いつか認められる日がくるといいのですが
そうしたことも、子ども達が
不登校になったときの選択肢が
少ない要因ですよね。

全体を通して思った事は
サドベリースクールで学ぶ自由は
責任ある自由だと思いました。
それは「わがまま」「自分勝手」とは
反対のものです。

例えば「ミーティングで決めたルールには
全員が従う」という前提があります。
掃除の時間があるそうですが(この掃除の
時間もみんなで決めたそうです)
「ゲームしたいからやりたくない」は
通用しません。
そのルールが気に入らなければ
そのルールを変える提案をすることが
求められます。
「自分が決めたことに責任を持つ」
「コミュニティの一員としての責任を
全うしながら、自分の好きなことを
追求していくこと=自立」が
学べるスクールだと思います。

最後に感想をざっくり言うと
サドベリースクールだったら
もう一度学校生活をしてみたい!!と
思いました。

次回、仕事は探す時代からつくる時代へ!
好きなことを仕事にすることは
本当に難しいことなのか!?
新提案「人生を盗まれない働き方」
「脱常識」の内容をお届けします。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
この宇宙に1つしかない
オリジナルでスペシャルなあなたに
このメッセージが届けられたことに
感謝を込めて。

Twitterもしています。
noteではなかなか伝えられない
情報をお伝えしているので
よかったらご覧ください。

わたしたちの現代社会が
なぜこんなにも苦しく
国民が将来に不安を抱えながら
生きているのか。
それは過去の歴史を紐解けば理解できます。
過去の歴史を知ることで
今の自分の立ち位置を理解することができ
どう行動すればいいのか分かります。

賢者は歴史に学ぶシリーズを
発信しているので
よかったら見てください。

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