不登校の高校生の彼の「少し前進ー通信制高校見学」
今年も高校見学に来ている。
去年に行った高校見学とは違った気持ちで参加した。
「僕が選択しているコースは週5日登校が基本だけど、体調に合わせて休めるから大丈夫。」
「転校してきた子も馴染んでるよ。」
「家で休んででもしんどいよな。」
在学生と何だか楽しそうに話している。
いつの間にかeスポーツ部の部活の話からゲームの話になって、学校の話ではなくなっている。
久しぶりに同年代の高校生と話している彼を見て、わたしも笑顔になる。
5月の連休明けから登校できなくなった。
希望した高校に入学したが、そこは彼にとっては心地よい場所ではなかったようだ。
「行きたいけど行けない」
この気持ちに押しつぶされそうになり、辛い時を布団の中で過ごした。まだ完全に気持ちの整理はついていない。
「なんでこんなことになったのだろう」
この考えから抜け出すにはまだ時間がいるようだ。
出席日数が足りなくなり留年が確定した。
その現実を突きつけられ、あの場所に戻ることよりも新しい場所に進むことを考えられるようになった。
その気持ちを持てるようになったことだけで嬉しい。現在進行形の物語。