不登校の高校生の彼の「新しい道」
何回、高校の受付で先生を呼び出して頂いたであろうか。
泣きそうになるのを必死に堪えたり、
在校生の元気な姿を羨ましく思ったりしたが、それも今日で最後だ。
転学の書類を書きながら、先生と雑談をする。
「18日しか出席してなかったんですね」
「私もそんなに少なかったのかと思いました。席が前だったので、入学当初からよくお話したんですよ」
「短い期間でしたが、学校に行けなくなってからも色々と考えてくださってありがとうございました」
不登校が始まった頃は、高校に対して様々な感情があった。今となっては、入学した学校と彼とが合わなかっただけ、たったそれだけだと思っている。
帰宅後、彼に声を掛ける。
「転校の手続き、終わったよ」
「うん、分かった」
彼の声は晴れ晴れとしていた。
様々な気持ちと向き合ったこの経験は彼の人生の糧となり、
不登校の彼は新しい道へと進む。